見出し画像

介護におけるいい塩梅のコーチング~介護現場でコーチング研究③~

コーチングに興味を持っています。
コーチングを勉強しています。

大企業を経て介護業界に飛び込んだわたしは、アカデミック(社会学・心理学・経済学・法学・政治学等)文献・情報、日頃の経験を整理し体系化していこうとしています。

そもそも利用者様が、介護サービス提供者に求めることは何だろう?

様々な書籍や論文などの文献やインターネット情報を探しても、介護サービス提供者に求められることはいまいち釈然としない。

おそらく、
「利用者の自立支援」や「権利擁護」
といった言葉に収斂されているのが現状だと思う。

一般的に、介護サービスに求められていることは、


「専門的知識に基づく、よりよくなるための方法論の教示と実践」

つまり、
「体が弱ってきたんだけど、どうやったらよりよく生活できるか教えて!」
という「受け身」な姿勢が大半なんだと思います。

介護サービスの建前と現実の乖離

上でも記載した通り、「自立支援」「権利擁護」を「自己決定の原則」に基づき、介護サービスは計画・実践されるという前提に立っています。
しかし、これは、「能動的」利用者像を前提としている。大半の利用者様は「受け身」であることが多いと感じます。

もちろん、介護サービスは様々な哲学や歴史的背景を基に確立されており、「この社会は受け身の利用者ばかり」を前提とするとこれまた様々な問題が噴出するリスクがある。

ここに、現代介護サービスの課題があるのだと思います。

介護サービスを提供する上でコーチングをどうとらえるか?

コーチングは以下のような“人間観”を前提にしているそうです。

人間の存在価値を尊重し、成長して最高の状態に向かおうとする力を信じるという人間性心理学の考え方は、「人はもともと想像力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」(Kimsey-House et al.,2018/邦訳、2020)といったコーチングの人間観に受け継がれている。

引用:コーチング心理学概論 第2版
編著:西垣 悦代・原口 佳典・木内 敬太
発行所:ナカニシヤ出版

介護サービスを「受け身」として見ている人からすると、少々介護においてコーチング的対応は「やっかい」に映るかもしれません。
「頑張ればもっとできるよ!」とか、「あなたは才能にあふれているんだ!だから頑張れ!」みたいな熱血教師的介護サービス提供者は一歩間違えれば、「そういうのいらない」となりそうに感じます。

介護における「いい塩梅のコーチング」とは?

結論、「感情によりそい、特にポジティブな感情を大切にする」という観点が重要に思います。

なぜ感情、特にポジティブな感情を大切にするなのか?

理由は以下です。
■ 感情面を受け入れてもらえたという感覚は、人間関係の構築に有効
■ ポジティブな感情で心を満たすと人は安心する
■ 安心すると主体的になりやすい

あくまで介護サービス提供者は、「待つ」ことがコーチングにおいては重要なのだと思います。

そして、完全受け身な利用者様には、コーチングではなくティーチングで「やったほうがいいこと」をお伝えし、「選んでいただく」というスタンスでよいのだと思います。

以上、現在のコーチング研究途中報告でした。
介護現場からは以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?