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毎日書く、さらりと書く

相も変わらず書くことの周りをうろうろしてばかり。何かしらイメージは浮かぶが、いざPCやポメラを開くと頭が真っ白になってため息をつく。仕方なく読む方に戻る。

以前、書くことに関するウェビナーで紹介されていた『文章読本』(吉行淳之介選)。

谷崎潤一郎、萩原朔太郎、井伏鱒二、川端康成、三島由紀夫、小島信夫…。名前は見知っていても作品は読んだことのない人たちばかりだ(小5の頃からいろんな本を読んできたつもりだが、こう書くと自分は全然読書をしていないのではないだろうかと一瞬自信をなくす)。

難解かと思いきや、むしろ読みやすかった。自分が特に背中を押されたのは、宇野千代の「文章を書くコツ」という一編だ。

先ず、物を書くときには、文章を書くと言うその作業に対して、特別の姿勢を持たないようにすることである。極く気軽るに、平気で書くことである。自分の書きたいことをそのまま素直に書く、そう言う姿勢でのぞむことである。とてつもないことを書いて、人を吃驚させてやろうとか、自分は文章を書くのは苦手だけれども、とか思わないで、さらりとした気持で書くことである。

『文章読本』吉行淳之介選/日本ペンクラブ編(中公文庫)

さらりとした気持。いい言葉だ。宇野さんは続けて、とにかく机の前に坐り、毎日書けというようなことを言っている。昔の人がここまで励ましてくれるのだ。ハードルを下げ、とりあえず毎日なにかしら書いてみる練習をしようかなと少し心が動いた。

そこで閃いたのが「あいうえお作文」だ。五十音順で、一日一音を頭文字にあててタイトルとし、内容に沿った文章を書く。コンセプトを決めても面白い。毎日ひとつずつ自己紹介をしてはどうだろう。

例えば【あ】あまりにもずぼら/【い】いくらが食べ放題/【う】うまがいる町…。気負わずに、ちょっとした挨拶のつもりで短い文章を書いてみる。いいかもしれない。何より、(書いてみたいかも)という気持ちになっている。

これなら気軽に書けるかもしれない。明日から書いてみよう。宇野千代さんありがとう。今度きちんと作品も読みます(ちなみに「宇野千代」の正しいイントネーションが分からず、「ソナチネ」でイメージしているのだが合っているのだろうか)。

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