飛び出し坊やの旅
みんな、ぼくの名前を知ってるかい。
ぼくは、飛び出し坊や。
子どもたちを飛び出し事故から守ってるんだ。ほら、車がとおる道の角っこに立って、みんなに危ないよって注意しているあの看板だよ。
ぼくが、今にも飛び出しそうだから、車を運転する人たちも気をつけて通ってくれるんだ。
ときどき聞かれるよ。そんなに急いでどこ行くのって。子どもたちは、みんな並んで学校に行くけど、ぼくは、学校に行かないんだ。
みんな学校に行ってしまうと、ぼくは、ひとりぼっち。
でも、ぼくは、ここにいなくっちゃ。ここで一生懸命走るんだ。
どんどんスピードあげるぞ。びゅーん。大童(おおわらわ)だ。
バーン、ある日風が吹いて、ぼくは、大空に飛び出した。
空高かーく、舞い上がったら、いろんな町が見えた。どこで降りようかな。こうなったら、日本中を旅してみよう。
みんな、旅先でぼくを見つけたら思い出してね。ぼくは、大童の飛び出し坊や。
サポート代は、くまのハルコが大好きなあんぱんを買うために使わせていただきます。