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大滝詠一「白い港」の“譜割り”に感心する。♬気がついて苦い♬でいったん切ってダブルミーニングに。

NIAGARA TRIANGLE Vol.2 40周年VOX」を楽しんでいおります。中でも、大滝詠一さんの「白い港」は歌詞の「譜割り」が素晴らしすぎて感動の嵐です。

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松本隆さんの歌詞を素直に受け取ると、

ボクは ふと ひとりなんだと 気がついて 苦いコーヒー飲むよ

となるわけですが、ここで大滝師匠は「ひとひねり欲しいなあ」と考えたのでしょう。

ボクは ふと ひとりなんだと 気がついて 苦い

と、「苦い」でいったん歌詞を「断ち切ります」。「嗚呼、おれは好きな女性にフラレて苦々しい気分なんだ、嗚呼」と嘆き節をかますのです。そして、あらためて、

コーヒー 飲むよ

と続けます。歌詞の意味が、「女にふられたけど、コーヒーでも飲んで立ち直るぞ!」とふっ切りを感じさせることになります。

これは、作詞した松本隆さんも驚いたでしょうね。自分の意図より、歌詞の内容が深くなっているのですから。

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t,いうことで、以上の解釈を読み込んだうえで、一回、「白い港」を聴き込んでみてください。新たな地平が見えてくるかもしれません。

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ちなみに、これは私だけの個人的解釈なのですが、「白い港」と、松田聖子に提供した「Rock`n`roll Good-bye」は「裏表」になっているのではないかと推測しております。まさに、「白い港」がA面で、「Rock`n`roll Good-bye」がB面ではないか、と。

ちまり、「白い港」でコーヒーを飲んでウダウダしている男をフッたのは、松田聖子「Rock`n`roll Good-bye」の主人公の女性なのではないかと思うのです。

それぞれの歌詞の中で「スーツケース」「カバン」というキーワードが出てきます。松田聖子「Rock`n`roll Good-bye」のヒロインは、

♬カバンが重いの 手がしびれそう 最後まで 気のきかない 誰かさん♬

とダメな男を叱っています。きっと、このダメな男は、

♬スーツケースぐらい 自分で持つと 君は強い 女だったね♬

この女性は本当は「カバンを持ってほしかった」けれど、彼がどんな男かを確かめたくて、「カバンを持とうか」といった男性に対して、「いいわよ。自分で持つわよ」といったん断った。ここで、この男は「いや、オレがカバンを持つよ」とカバン=スーツケースを力づくで奪えば、女性は少し、この男を見直して、「別れるのを、考え直してあげてもいいわよ」という心づもりをしていたのじゃないかなあ、と。まあ、私の妄想ですが、そんな風に思えてしまうのです。

松本先生、いかがなもんでしょう?

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