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30年前、じいちゃんにファミコン買ってもらった思い出

小学1年生の誕生日、じいちゃんに発売されたばかりのファミコンを買ってもらった。世の中にファミコンなんてものがあることを知らず、いつものおもちゃ屋さんで、店員さんに勧められるがままに、

「じいちゃん、これ欲しい」

と言った気がする。

カセットはなぜか「ゴルフ」だった。なぜそうなったかはまったく覚えておらず、兄からファミコンを買ってもらったことをめちゃくちゃ褒められると同時に、カセット選びのセンスはゼロだと言われたような気がする。

とにかく、今から約30年と少し前に、我が家にファミコンがやってきたのである。じいちゃんからすると予算オーバーかつ、父からも甘やかすなと怒られた模様。ごめん。

小学1年生なので、ゴルフの魅力など何もわかっていないが、それでも遊ぶのは楽しかった。朝6時に起きてファミコンをやる。それが毎日の楽しみで、耳を蚊に刺されていることも気がつかず夢中でプレイしたことを覚えている。

ほどなくして父からファミコンの時間制限をされる。土日祝日のみで、平日はダメという意味のわからないルールだったのだが、父の言うことは絶対だったので素直に受け入れた。

その後は、スーパーマリオブラザーズ、ドラゴンクエストなどの王道ゲームと、ルート16ターボなどのマニアックなゲームなどを存分に楽しんだ。

幸運なことに兄と弟がいたので、それぞれの誕生日やクリスマス、お年玉などでカセットを買ってもらうことができたわけである。中にはクソゲーと呼ばれるハズレカセットもあったが、いま思えばクソゲーでも夢中になれたのだから単純である。

そしてばあちゃんことじいちゃんの妻がファミコンをまたごうとしてケーブルを踏み、それからときどきテレビとの接触が悪くなったことも今となっては笑える話。

そんなファミコンもスーファミの登場により出番が減ることになる。ちなみにスーファミの導入は遅かった。ある日、父に友達はみんなスーファミを持っていると伝えたところ、それならばと買ってくれたのだ。父いわく、みんなが持っているものを持っていないといじめに繋がると思ったそうだ。どんだけ優しんや。

さて、スーファミによって隅に追いやられたファミコン。少し申し訳なくなって、じいちゃんに何も聞かれていないのだが、「たまにはファミコンもやってるよ。」と伝えたところ、「は?」と不思議な顔をされた。

ようするに、じいちゃんは自分が孫にファミコンを買ったことを忘れていたのである。そして、じいちゃんは一度だけ「ゴルフ」をプレイして、ようわからんと言ってそれから一度も触らなかった。

そんなファミコンだけど、いまはどこにあるのかわからない。実家の屋根裏にでもあるのだろうか? それとも捨ててしまったのだろうか?

昨年復刻版として発売された小さなファミコンを自分で買ったけど、じいちゃんに買ってもらったファミコンの方が何倍も楽しかったな。

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