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ハワイ語は音だけの言語だった:自然と響きあう優しい音

私は旅行に行くときに、その土地についてたくさん知りたいという思いが強いので、旅行前後で本を買ったり、インターネットで調べたりすることが好きなのです。2年前にハワイ島に行ったときにも色々と調べたのですが、とても興味深い文化だなぁ、と魅了されました。

世界のことばで「こんにちは」:そこにある共通点とは?の記事でも少し触れたのですが、今日はハワイ語についてです。


ハワイ島では、ホテルで、お店で、それからハワイアン航空のアナウンスでも、最初に「アロハ!」と挨拶をして、最後に「マハロ」と締めくくるのが当たり前のようでよく聞きました。
ハワイ島に行く前に私が知っていた(聞いたことがあった)ハワイ語は、ハワイ、オアフ、ワイキキ、アロハ、マハロ、マナ、オハナ、カウアイ、フラ、レイ、ロコ、マヒマヒ、ウクレレくらいでしょうか。後はその発音が可愛らしいな、くらいしか思うことはなかったので、この旅をきっかけに少し勉強してみましたよ。

・母音は a, e, i, o, u の5種類
・子音は h, k, l, m, n, p, w の7種類
・オキナと呼ばれる吃音を表す記号 → 「 ‘ 」
・音を強調し少し長めに発音するハコーと呼ばれる記号 → 「 ¯ 」
※オキナとハコーをつけることでその意味は大きく変わります

ono →  魚の名
‘ono →  おいしい

kau →  置く
kāu →  あなたの
日本語:ハワイ州
英語:State of Hawaii
ハワイ語:Mokuʻāina o Hawaiʻi
※日本語で発音するなら「ハワイイ」の方が近いのです


次は読み方。基本的にはカタカナ読みでOKのようで、日本語を話す人からすれば楽チンですが、英語を話す人からすると発音はちょっと難しくなります。

※英語をカタカナで表記するならば
ハワイ語:ao
日本語:アオ
英語:エイオ

ハワイ語:hilo
日本語:ヒロ
英語:ハイロ

ハワイ語:poke
日本語:ポケ
英語:ポーク


※余談ですが、日本語英語読み方問題で前から思っていたことがあるのでついでに。
Sato(佐藤)は英語読みだと「サトゥー」、Hiroo(広尾)は英語読みだと「ヒルゥー」になるから面白いな、って思っていました。


さて、説明はこのくらいにして、私が思ったハワイ語の素晴らしいところを3つほど。

<1つめ>
1800年代にアメリカ人の宣教師が来島するまでは音だけの言語でした(最初のハワイ語の印刷物は聖書)。つまりそれまでは文字は使用しておらず、口伝えの言語だったのです。彼らは見たもの、感じたものをそのまま音で表現してコミュニケーションをとっていました。

<2つめ>
自然を身近に感じで生活してきた人たちなので、自然に関する言葉がたくさんあります。中でも、雨を表す単語は130風を表す言葉が160あるそうです。どの場所でどんな感じで降るのかによって雨の名前がそれぞれ違うのだそう。雨の表現は日本も負けず劣らず豊かなものがありますが、風はハワイ語の方が多いかな?

<3つめ>
その発音。とても穏やかでハッピーな気持ちになる音に聞こえます。言語というより歌に近い感じと言いましょうか。説明するためよりも心から湧いて出てきた感じ。それと、繰り返す単語が多いので可愛らしく聞こえます。ウラウラ(赤)、ケオケオ(白)、メレメレ(黄色)、オリオリ(楽しい)、ハーハー(感じる)などなど。ちなみにカメハメハ王は、「カメ・ハメ・ハ」ではなく、「カ・メハメハ」がハワイ語に近い発音だそう。メハメハさんで、「カ」は「The」のようなものだそう。


とても有機的で美しい言語ですが、その感覚をちょっと疑似体験するために、ここでエクササイズをしましょう!
いくつか写真を載せるので、感じたままにそれらを発音してみてください。先史時代のハワイの民がそうしていたように、思考にとらわれずに湧き上がるものを音にしてみてください!

1.(この色)

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2.(この自然現象)

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3.(この動物)

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4.(海にいるこの動物)

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5.(この実)

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どうでしたでしょうか?ハワイ語の発音は以下です。

1. kura(クラ):金色
2. ānuenue(アーヌエヌエ):虹
3. pōpoki(ポーポキ):猫
4. naia(ナイア):イルカ
5. pea(ペア):アボカド


日本語の発音とは全く違うので面白いですね。
ちなみに、ハワイ語はアメリカで唯一英語の他に公用語として認められている言語で、一時期は話す人が減ってしまい存続が危まれていたそうですが、30年くらい前からハワイ語復興運動が起こり、今では学習者が増えているとのことです。


とっても楽しかったハワイ島の旅。また行きたいなぁと思うし、知りたいこともたくさんあります。それから島によっても自然や文化が違うハワイ諸島にも興味津々。ハワイを知るためにとても勉強になった本の紹介をしますね。
ハワイ好きにはバイブルになっている名著。池澤夏樹さんの「ハワイイ紀行」。厚い本ですがとても読み応えがあり、ハワイについて知識を深めることができます。


そして、今日のメイン画像は、ハワイ王国最後の女王、リリウオカラニが作詞作曲した名曲「アロハ・オエ」の歌詞の一部で、日本語の意味は以下(池澤夏樹さん訳)

甘い記憶が私に帰ってくる
過去の思い出が鮮やかに蘇る
親しい者よ、お前は私のもの
おまえから真実の愛が去ることはない

アロハ・オエ〜♬


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