見出し画像

2022

高井戸を過ぎ首都高速にはいると、遠く左手に都心のビル群が見えてくる。
更に進んで永福料金所を越えて明大を横目に、坂道をひと登りすると大きく新宿の街が目に入る。
目の前の巨大ビル群への突入感が湧いてくる。都会の森に分け入る瞬間、僅かに身震いする。
中央道から東京へ向かおうとする者なら、誰しも何かしらの感慨を抱くのではないだろうか。


僕は知っている。この森は怪しい秘術を使う魔女や、隙あらば足を掬おうとする小鬼であふれている。
でも、だからこそ、稀に出逢う本当の人間のまごころややさしさに触れると、魂を揺さぶられるような思いに駆られる。
都会の冒険はとても危険だが愉快でもある。


僕の通っていた高校は横浜の高台にあったので、高い階や屋上から遥か遠くに新宿のビル群を眺めることができた。(30年以上前のことだけどまだ見えるだろうか)
そのころは全く馴染みのない街だったけど、何の縁か長野県で暮らすようになったら、何かと新宿を訪れる機会は増えた。信州の真ん中より南に暮らす人間にとって、都の玄関口は新宿なのである。

都会の森の真ん中で立ち止まり、冴えた空気を吸い込むと人々の何となく気忙しい感情が肺腑に流れ込んでくる。
そうか。そういえば確かに師走だ。


節目の歳になるのを機に、登山の再開を思い立ったのは昨年の暮れのこと。目標には一座届かなかったけれど、若い頃を思い出しながら穂高の山々を歩き回る一年でした。年の終わりに都会の森の空気も感じられたし、また来年も時間を作って、自然の森、そして北アルプスを駆け巡りたい。
なんとなくですが、後で人生を振り返ったとき、転機となる一年になったような気がしているのです。


noteの世界で好き勝手なことを書き散らかして3年目に入ってからもう9か月。
今年もたくさんの方に僕の駄文を読んでいただき嬉しい限りです。心よりお礼申し上げます。

相変わらず更新も内容も適当そのものですが、あまりかっちり決めずに好きなようにやりたいのでどうかご容赦ください。

今読んでくださっている全ての皆様にとって、新しい年が素晴らしいものとなりますように。
良いお年を。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?