バリ島の台所にある陰陽統合
白も黒も、
光も闇も、
陽も陰も、
等しく祀るのがバリ。
光は光の中では
それが光だとわからない…
闇の存在があってはじめて
光の存在がわかる。
闇も、
闇の中では闇がわからないように…
光の存在があってはじめて、
それが闇だとわかる。
バリ人の台所には必ずあるもの。
それがこれ。
インドネシア語で
"チョベッ(cobek)"という石臼。
手に持つ方を、
"ウレカン(ulekan)"と言う。
この石臼、チョベッの上に、
唐辛子やニンニク、ウコン、調味料などを置いて、
ウレカンで潰して混ぜて、
インドネシア料理やバリ料理には欠かせない辛いソース"サンバル"を作る。
(ちなみに私は辛いものが苦手なので、唐辛子抜きのやつ…)
そして、
陰陽☯は、このバリの台所にある。
実はこのチョベッが陰で、
ウレカンが陽。
それぞれが女性器と男性器の象徴でもあり、
ヨニリンガ(陰陽和合)らしい。
転じて子孫繁栄と言う意味も…
だから昔は、
家の誰でもが
このチョベッを触っていいわけではなかったらしい。
"聖なるもの"として、
きちんと扱われていた。
今の世代の人はこの、
台所に普通にあるものが、
そんな意味のあるものだなんて知らないだろうけど…
日本の古来の台所にも、
探せばこんな意味のあるものが
あるだろうか。
日々、
人の口に入り、
身体を作り、
魂を養う料理を
作る場所にある
陰陽和合☯。
調和のエネルギーが、
そこから放たれる。
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