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本を書く(光の跡)|#シロクマ文芸部  

本を書く
本を読む

本の物語を読む

本の言葉を読む

本の想いを読む

本の想いを想う の 本 は

例えば


ガラス張りで洒落た
図書館の窓辺
背表紙が陽に焼けて
青く色褪せた 本


部屋の隅
自分の番を待ち続け
上に積み上げられた 
ライバルたちには
到底敵わないと 
押し潰されている 本


受験生のリュックサックの底
役目を果たし
お守りのように
本来の目的は失っているけど
ただ旅を共にしている 本


良いものだと 売れに売れて
たくさん消費され
ブックオフでの低価格に
価値とは何かと
この世界の複雑さに
打ちのめされた 本


人から人へと回されて
壊されて
リサイクルされ
焼かれたりしながら
消えてゆく 本


消えてゆくのに なぜ


その 本 の
紙に書かれた記号は
紙と共に消えるけれど
確かにそこに存在する
目には見えない 想い は
初めから物体を失っていることにより
そもそも 消える ことなんてできず

いつしか
ものからは
切り離されて 

永遠に宙を舞い続けていく



(おわり)


#シロクマ文芸部 に参加させていただきました。
「本を書く」楽しかったです。
仕事に追われて、今回はお休みしようかな…と弱気になりますが、、参加できて嬉しいです。
ありがとうございました!


「消えてゆくのに なぜ」は、星野源さんの新曲「光の跡」からの引用です。
(わーい)

この曲を聴いていて「永遠に消えないものは、初めから消えているもの」なのでは?と説明がとても難しい感覚ですが…。
「本」と「光の跡」結んでみました。

#光の跡 #命の跡

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