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KOHIIという事業が示したコーヒーの可能性と難しさ #1

「“美味しいコーヒーをより多くの方に飲んでもらいたい。”」 

Kurasuでコーヒーロースター・コーヒー器具の展開が進めば進むほどその想いはより大きくなってきました。

どのような形で実現できるのか。

Kurasuという一つのブランドだけで可能なのか。コーヒー業界をどう巻き込んでいくのか。最新のトレンドやテクノロジーをどう駆使すればいいのか。

色々と想いを巡らせてきたタイミングにあるエンジニアとの出会いからその方と共同代表という形で、2021年3月に「KOHII」というコミュニティのアプリをリリースする運びになりました。

この2年間を通してKOHIIは僕にコーヒーの色々な可能性を示してくれたと同時に難しさ、そして何より、コーヒーに向き合い、深く思考するきっかけをくれました。

「コーヒーと人をつなげる」コンセプトではじめたKOHIIは、共同代表の構想から始まり、彼がなし得たかったコーヒーのコミュニティアプリのコンセプトに、僕自身の知見やコーヒー業界のネットワークを使い少しずつ広がっていきました。

日本全国のコーヒーロースターのコーヒーが購入できるマーケットプレイスやサブスクリプション、コンテンツ配信を通したメディアの役割、スナップショット機能、ユーザー同士のQ&Aなどコミュニティアプリとしての機能を次々とリリースしていきます。

KOHIIアプリ内のコンテンツ数は約300を超え、MAU(Monthly Active User)が7000人ほどの小さいコミュニティが構築され、KOHIIをきっかけにcoffee Lover同士がリアルでもつながったり、新しいコーヒーショップを知るきっかけになり得たことは嬉しい作用でした。
しかし、この局面において、改めて見えてきた課題もいくつかでてきます。

まずはスペシャルティコーヒー市場の「ニッチ」さ。

日本のスペシャルティコーヒーの市場はコーヒー全体の約20%ほど。(正確な統計は出ていません) オーストラリアやアメリカでは50%以上という中、まず単純にスペシャルティコーヒー(美味しいコーヒ)が「知られていない」のが現状で、私たちが目指しているコミュニティの規模が拡大するスピードに難しさを感じました。

この難しさは日本のコーヒー業界に携わる中でもちろん事前に当たる壁の認識はしてましたが、プラットフォームというテクノロジーの力、そしてコミュニティの力で乗り越えられないかの可能性を測るのがKOHIIの事業の目的だったとも言えます。

また、スペシャルティコーヒー自体の定義、線引きにも難しさを感じました。どこからどこまでをスペシャルティコーヒーとするのか。スターバックスもスペシャルティコーヒーと謳っていますし、最近ではコンビニで販売しているコーヒーもスペシャルティコーヒーブレンドの文字をよく目にします。それらの企業がKOHIIのコミュニティに参加したいとなった場合どう対応するのか。

そして、コーヒーショップはそれぞれ多種多様な個性があります。コーヒーだけでなく、接客、雰囲気、その他さまざまな特性があり、その数だけお客様との相性も選びます。プラットフォームとしてスペシャルティコーヒーショップを紹介させていただく中でユーザーの嗜好との合う合わないが必ず出てきます。ネガティブな体験をすることでスペシャルティコーヒーの間口を狭めることだけはしたくありませんでした。

さまざまな悩みの中で、さらに、KOHIIを共にしてきた共同創業が自ら退任することになり、事業展開が大きく変わっていくことになります。

次回のnoteでKOHIIの事業の展開の続きを書いていきます。


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