実践習得:WT講座

今日は終日@工房。
午前1コマ(10:00-12:00),夜1コマ(18:00-21:00)の選手会員指導の合間に、WT講座(15:00-17:30)。

現在、6名の学生が定期的に参加。また、3名の学生が授業の休み期間中に集中的に参加している。
昨年(2023年)の6月頃より、現在のメンバーを中心に木曜午後に週1回定期開催していて、将来、スポーツの世界で活躍したいとの志があり、S&C、AT、PTなどの大きな括りでのトレーナーの種別を問わず、ウェイト•トレーニング(WT)を習得したいという方(学生中心)に門戸を開いている。

週1回とは言え、授業や定期試験がある中、毎週木曜日の授業後に、そのまま九段下に足を運び、2時間超、身体を動かす彼ら彼女らには頭が下がる。言わば課外活動(課外ゼミ)のような位置づけだろうか。

最初は、ベンチプレスが40kg,50kg台だったような学生も10ヵ月も経つと80kg,100kg超を挙げられるようになる。
着実に挙上重量が伸び、身体つきが変化していく様を身をもって体験し、体得している学生たちと接していると、改めて「継続は力なり」ということをこちらが教えられる。

今日は、2回目のMax測定会。
第1回目は、9月に目標設定をして12月末に測定。
2回目は、1月の最初の講座で設定した目標に対する測定。
皆、いつもと違い、黙々と各自W-upを行い、真剣な表情、ある種の張り詰めた雰囲気でMaxチャレンジ。
記録を更新しては喜び、挙げられなかったら悔しがる。
皆、高校や大学まで競技をやってきたものの、選手の道を諦めトレーナーの道を志して、今に至るわけだが、今のこの経験というのは間違いなく、彼ら彼女らの財産になっていく。

反論や批判を恐れずに書くと、現場で活躍するトレーナーの中には、自ら実践し体得したものではなく、世に流布する情報やエビデンスを拠り所として知識先行で、トレーニング指導や運動指導に従事する人を多く見かける。
もちろん、エビデンスを否定するつもりはない。
ただし、それを無批判に何の確認もなく、あたかも自説かのように当たり前に取り入れることには疑問を感じる。

最近、読んだ本の一節にこんな言葉がある。
『知識は経験と重なることによって「本質」にたどり着く。身体性(=経験)を伴わなければ意味を持たない。』
(「リーダーの仮面」識学 安藤広大 より)

トレーニングに転じても同じことが言える。
WT講座の中で、繰り返し、以下のようなことを伝えている。

指導者(トレーナー)は、自身が経験したこと、自身ができること以上のことは教えられない。
トレーニングに関しては、まずは実践すること。自分の身体で確かめること。
そして、その上で、指導する。
ただし、自身ができることと人にそれを伝え、教えることはまた違う。
教えられる(指導できる)ようになるには、それもまた経験を積まなければならない。

かく言う、トレーニング指導者の端くれの私とて、もちろん全知全能、何でもできるわけではない。能力の限界はあり、全て自分ができることだけで、自身の指導を成り立たせているわけではない。
書籍や雑誌、YouTubeやSNSなどのメディアから情報をインプットし、時にはそういった映像資料を直接活用することもある。
しかし、その多くはまず自分でやってみて、自身のできるできないの線引き、ポイントなどは確認するようにしている。

そして、そういったことは、20年前に縁あってストレングス工房の門を叩き、以来、田内・大道に師事し、この道の先駆者としての2人から徹底的に叩き込まれた思想であり、現場主義•実践主義は工房のポリシーの一つであると思っている。

トレーニング(エクササイズ)のやり方は、YouTubeをはじめとした「SNS先生」がいくらでも教えてくれるが、実践経験は自分で積むしかない。

そのような考えをベースに、WT講座では、これからも実践することを軸に、工房流トレーニングのノウハウを伝えていければと思う。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

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