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結局、「フリーミアム」って何なのさ|今日のマーケティング用語

「フリーミアム」という言葉を聞いたことあるビジネスパーソンは少なくないのではないでしょうか?

また、フリーミアムという言葉を知らなくとも、フリーミアムを取り入れたサービスを体験したことがある人は多いはずです。

今、記事を読んでいるnoteもフリーミアムの概念を取り入れたビジネスモデルを採用しています。

本記事では「結局、フリーミアムって何なのさ!」という疑問に応えるべく、具体に解説させていただきます。

この記事を読み終わる頃には「フリーミアムについて教えてほしい?任せたまえ!」となっていること間違いなしです。

フリーミアムとは「基本無料」のビジネスモデル

フリーミアム(FREEMIUM)とはFREE(無料)と PREMIUM(割増料金)を足した造語で、『サービスや製品の利用料金を無料で提供し、高度なサービスや機能を利用したい場合は有料課金を行う』ことで収益を得るビジネスモデルという意味を持つ言葉です。

この記事が掲載されている『note』もフリーミアムモデルを採用しているサービスです。クリエイターは基本的に無料で記事を公開することができますが、一部機能(予約投稿やコメント許可設定など)は有料会員にならないと利用できません。

音楽のストリーミング配信サービス『Spotify』も無料で利用することができます。ただし、無料の場合、機能をフルで活用できず、再生もランダム再生のみ(さらに、途中で音声広告が入る)仕様となっています。

20世紀のビジネスシーンでは『無料サンプルの配布』もフリーミアムモデルに含まれます。化粧品や日用品のような消費用品のサンプルを使用してもらうことで、製品の良さを理解してもらい、パッケージを購入してもらいます。

Web以前のフリーミアムはサンプルにかかるコストが発生し、成果が出なければ大きな損失となる可能性を持っていました。しかし、Webサービスであれば1度開発し、リリースしてしまえば提供にかかるコストはほぼありません。

また、無料にすることで利用までのハードルが下がり、利用者の獲得を行いやすくなるという大きなメリットがあります。

さらに、フリーミアムモデルでは『無料の状態からも収益を生む』戦略として「広告枠の提供」「課金対象の提供」によって収益を得ることができます。

これはWebサービスならではの収益モデルで、YouTubeやスマホアプリ等はこの収益モデルを採用し、利用者の獲得+利益の確保をしています。

フリーミアムという言葉がビジネスパーソンの間でバズワードになったのはある一冊の書籍がきっかけといえます。

それがアメリカ合衆国の技術雑誌『Wired』の元編集長(発刊時には現役でした)クリス・アンダーソン氏による名著「フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略」です。

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発売から10年以上経っていますが、そのエッセンスは今でも通用するもので、当時『フリーミアム』というビジネスモデルに驚愕し、実際に取り入れる際には勇気のいる決断をしたビジネスパーソンも少なくないと思います。

「無料」を活用したマーケティング手法は1900年代には誕生していました。(記録にないだけで太古の時代より存在していた可能せはもちろんある)

しかし、『無料からマネタイズ化する戦略』が花開いたのはインターネットの発展が起きた2000年代からです。インターネットの進化によって多くの業界に訪れた破壊的イノベーションによって、私たちは『無料にするコストがかからないコンテンツ』という新たな武器を手に入れました。

※執筆にあたり、久々にフリーを読みましたが、今読んでも面白い内容です。「Web2.0」に至るまでの経緯や時代背景を知る上でも面白いので、歴史書としても楽しめます。今では常識となっている概念を深く知る目的でもオススメです。

なぜ「無料」でビジネスが成り立つのか

フリーミアムがビジネスとして成功する要因として『5%ルール』があげられます。

これは「全体の5%の人が有料サービスを利用すれば利益が出る」というものです。

※ちなみに、この数値はあくまで目安なので、業種やサービスによって異なります。ご注意ください。

Webサービスは複製可能な特性があることから、理論上1つのソフトウェアで無制限の集客を行えます。

フリーであることは利用の壁を大きく下げることができるため、初期段階から認知を獲得しやすく、フィードバックを早期から受けることができます。

それによりユーザーが求める『ニーズ』を集め、サービスに求める機能や性能を知ることができるため、細かな修正に加えて、ユーザーニーズを満たすアップグレードをしやすくなる特徴があります。

結果としてユーザーの満足度を高めることができます。

そして、ニーズをもとに『機能の制限の線引き』『有料会員のみのメリット』の精度を高め、特定の層に向けて『極限まで品質を高めたサービス』を提供することで、収益を得ることができます。

また、フリーミアムの収益モデルは『課金』だけではありません。

無料利用によってユーザーを集めることで『広告枠としての価値』を持たせることができます。

広告枠を提供することで「広告収入」を確保し、無料でも運営費を集めることが可能になります。

『課金モデル』『広告モデル』を両方とも採用すれば、95%のユーザーからは「広告収入」を得て、5%のユーザーからは継続的に入る「課金収入」を得ることができるため、無料でもサービスを提供することができるのです。


フリーミアムモデルを成功させる3つのポイント

フリーミアムはインターネットビジネスにおける素晴らしいビジネスモデルですが、必ず成功するビジネスモデルではありません。

有料サービスに移行する際に求められる付加価値の提供に失敗すると無料利用しかされず、収益を上げることができません。

また、有料サービスに機能を寄せすぎると、無料利用するユーザーが減り、同じように収益を上げることは難しくなってしまいます。

重要なのは『無料と有料の線引き』を絶妙なラインにすることです。

フリーミアムを成功させるために以下3つのポイントを意識してプロダクトを制作しましょう。

・プロダクトの品質を上げ続ける
成功のために最も注力すべきポイントはプロダクトの品質です。高品質でなければサービスを利用しようと思ってもらえません。

ここで最も重要なのは『ユーザーが離れないこと』です。

常に課題を解決し続け、最新のコンテンツを配信し続けることがサービスに寿命を伸ばし、収益を最大化するポイントです。

・フリープランを扱う層へのマーケティング
フリーミアムの失敗例の多くは『フリープランの利用者を集めることに注力しなかった』ことが上げられます。

有料会員を増やすことにマーケティング予算を回し続けたことで、利用者そのものが減ってしまい、サービスとして維持できなくなってしまったという事例は後を絶たないほど毎年現れます。

『無料のユーザーに満足してもらう』ということを忘れてはいけません。

・無料でできる制限を絶妙なラインの設計
失敗事例として『無料と有料の差別化を失敗した』という例も数多くあります。

有料課金しなくとも、ニーズを十分に満たせるのであれば、わざわざ有料課金する必要ありません。だからといって、今まで無料だったものを有料に変更すると反感を買い「ユーザー離れ」を引き起こしてしまいます。

そのため最初から『無料と有料の絶妙なライン』を設計することが大切です。

絶妙なラインを決める時は以下の要素から考えてみることをオススメします。

・利用できる機能数の制限
・利用できる時間の制限
・利用できる回数の制限
・無料利用できるデバイスの制限
・サービス利用とは別の付加価値のみ有料にする


マーケティングにおける「フリー」がもたらす大きな効果

フリーミアムにおいても成功するためには『マーケティング』が必要不可欠です。

収益モデルの設計から、ニーズの調査、適切なチャネルへのプロモーション、利用データの活用、継続的なコンテンツの発信、カスタマーサクセス…などプロダクトを開発するだけでなく、選ばれるための仕組みを作らなければいけません。

そのため、フリーミアムをビジネスに採用する時はマーケターをチームに加えることをオススメします。


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【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
   Webライター、Webマーケティングスクール講師
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽
   ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い

【連絡先】
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Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツール
のベンダー企業にカスタマーサクセスを提供するコンサルタントを経て、現在フリーランスとして活動中。

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