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左利きの日と対掌性

8月13日は左利きの日らしく、ツイッターを見ていると左利きあるあるが流れてきます。一番わかる〜となるのは駅の改札ですよね。いつもはだいたい左手に持っているICカードを右手に持ち替えて右手側にある自動改札機に通すんですけど、右手でキャリーケースを引いてるときなんかはがっちゃがちゃになります。

村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

なんか前にも気になって調べたことがあるんだけど、左利きが生まれる理由って今ひとつはっきりしていないみたいですね。いろんな説があるけどどれも信憑性が微妙なのが面白い。わたしが特に好きなのは双子説です。

一卵性双生児は片方が左利きになることが多いらしいんですよね。
そこから、もともと双子として生まれてくるはずだったのに何らかの原因で右利きの子供が消滅してしまった末に、左利きの子供だけが生まれてきたんじゃないのか、とする説があるそうです。もしかしたらわたしにも、消滅した右利きの片割れがいたのかもしれません。

わたしは化学の分野にまったく明るくないんだけど、昔『生命世界の非対称性』という本を読んだのを思い出します。

その中にはキラリティや鏡像異性体の話が出てくるんですよね。鏡像異性体っていうのは同じ種類の原子を持つけれど、分子構造が異なるふたつの物質のことを指します。原子の数や種類は同じなんだけど、配列が鏡合わせみたいなもの……右手に左手を重ねたときみたいに、決してぴったりと重ならないものをキラル(鏡像)の関係にあるといいます。

「右手型」(右旋性)と「左手型」(左旋性)は材料はまったく同じなのに性質が違って、例えばレモンなどに含まれる芳香物質リモネンなんかは、右手型がシトラスの香りがする一方で左手型はテレピン油みたいな香りがします。
わからんな……って方は鏡像異性体かエナンチオマーで画像検索したら多分すぐわかると思う。

で、鏡像異性体のうち右手型があれば左手型も存在するはずなんだけど、自然界にはなぜか右手型しかないものや左手型しかないものがあるんですよね。
例えばわたしたちの体をつくるタンパク質のもととなるアミノ酸は、右手型のものしか天然に存在せず、わたしたちの脳の栄養となるグルコースは左手型しか存在しないそうです。こういう鏡像異性体が偏ったものをホモキラリティと呼びますが、ホモキラリティの起源は未解決のままであると本に書いてありました。

めちゃくちゃ長くなりましたが、左利きの双子説を聞くたびに、わたしは鏡像異性体のこととアミノ酸とグルコースのことを思い浮かべてしまうんですよね。
どこかにいたかもしれない右利きの誰かのことと、自然界に存在しないもう片方の鏡像異性体のことを考えています。

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