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#34私が思うこれからのチーム専属フィジカル担当コーチに求められる重要度が高い仕事

こんにちは。

まずは2021シーズン応援いただきありがとうございました。
結果は5位と過去最高順位で終えられましたが、課題もたくさん出たシーズンとなりました。

良かった部分、改善が必要な部分を客観的に分析し、各自新たなシーズンに活かしていければと思います。


さて、話は変わりますが、先日noteの今年の振り返りのデータを見たら、今年アップした記事がたったの2件…

言い訳にはなりませんが、現在JACAという協会HPにて月に1度、私が日頃から選手に対して行っているトレーニングについてまとめた動画をあげさせていただいております。

不慣れな作業ゆえ、お見苦しい点も多々あると思いますがご覧になられた方のお力に少しでもなれたらと思っています💪

普段からオンラインセミナーなど私もいくつか参加させていただいていますが、オンラインはオフラインよりも入念な準備が必要なので、以前noteの記事でも触れましたが、このオンラインとオフラインでの活動が双方に活きて来るはずなので、これからもさらにレベルアップできるよう精進して参ります。


今回は今年のまとめも兼ねて私が自分の仕事として、より必要性が高くなってきているな〜と感じている事について触れていきたいと思っています。

本題にはチーム専属フィジカル担当コーチと書いておりますが、そのコーチがすべき仕事をチーム事情によっては監督やコーチ、トレーナーなどが兼任していることも多々あるかと思います。

ただ、兼任の形では最低限必要な業務しか実施できないのが現実です。

最低限必要な業務としては、

・選手のコンディションの把握(疲労度や筋タイトネスなど)
・W-upやC-down
・フィットネス向上目的のトレーニング
・GPSでのトラッキングデータの活用

などが挙げられるかと思います。

しかし、チーム全体のフィジカルフィットネスを向上させるために必要なことは、それ以外にも沢山あるのです。

そのうちの1つとして今回取り上げたいのが、


「選手が取り組んでいるTRをどうやって実際の競技力向上に繋げられるか」です



コロナ禍における選手のトレーニング環境の変化


このコロナ禍において、チームとしての活動ができない時間が多くありました。

そのような状況でも、選手たちは自己研磨を怠ることなく、自分で調べたり個別でトレーニングを指導してくれるトレーナーやコーチの方とオフライン、オンラインなどでトレーニングしたり、本当に一生懸命取り組んできました。

特にコロナ禍前と比べて、選手個人がオンラインでのトレーニング指導を受ける機会が多くなっているように感じます。

先述した私の作成した動画を観てくださっている方もそうですね。

本当に真面目な選手が多いなと感心しています。

ただ、そこで選手には自分自身に問いかけてほしいことがあります。



「そのトレーニング、今の自分に本当に必要なことですか?」



手段が目的化していないか?


トレーニングというのは手段です。

チームの勝利やパフォーマンス向上、傷害予防などが目的として挙げられるかと思います。

そのトレーニングという手段が目的化していないかをもう一度考えてみて欲しいのです。


私の個人的な印象ですが、スポーツ選手に個人でトレーニング指導されている方というのは、本当に自己研磨を怠らない方で、コネなど無い世界でもプロ選手が求めるような重要度の高いトレーニングを提供できる素晴らしい方々だと思っています。

そのような方が指導される内容は私自身大変勉強になり、改めて考えさせられるようなことも多く、刺激をいただいています。

しかしながら、exercise is medicineという有名な言葉もある通り、そのトレーニング自体が素晴らしいものであっても、用法用量(負荷設定)が合っていないと効果も出づらいということになります。

この負荷の設定というのはとても難しいものですが、トレーニング指導者としての腕の見せ所でもあります。

実は私もオンラインでのトレーニング指導をいくつか実施していたのですが、この負荷設定がとても難しく感じていました。


どうやって競技力向上へ繋げるか


フィットネスは、トレーニングをやりすぎても、やらなさすぎても高まりません。(フィットネス疲労理論参照)

選手が個別で実施しているTRを最大限プレーに活かすためにも、どうやってプログラミングしていくかが大事ですが、ここでチーム専属フィジカル担当コーチの力が必要になってくると思っています。

やり方はいろいろあると思いますが、私はまずどのようなTRを実施しているかの把握から入ります。

ここで重要なのが、そのトレーニングに対して否定的な話をしないということです。

万能なトレーニングはそもそも存在しませんし、選手が自主的に取り組んでいるものですから、まずはその姿勢を否定してはいけませんよね。


その上で、自分自身の頭の中では、そのトレーニングが


1.どういった意図で実施されているのか

2.逆にフィットネス低下につながってしまっていないか

3.今の選手のコンディションを把握した上で本当に優先されるべきものなのか


以上3点を主に考えています。


1に関しては時にはその指導者と直接コミュニケーションをとる場合もありますが、基本的には選手自身がどこまで理解しているかをみています。
トレーニングが目的になっていないかもここで確認します。

2は特に傷害を抱えている選手にとっては大きな問題へ発展してしまうケースもあるので、慎重に判断していきます。
また、そのトレーニングを実施するにあたっての前提条件が整っているか?といった視点も必要になるかと思います。

3に関しては、選手生命というのは本当に限られたものなので、目的に対してどう優先順位をつけて行くかが、選手としてどこまで伸びていけるかに関わってきます。

時には試行錯誤をして遠回りをすることが結果的に近道だった。なんてこともよくありますが、基本的なスタンスとしては限られた時の中でどれだけ優先順位をつけられるか(何かの歌詞みたいですね😅)に重きを置いておきたいものです。


以上のことを中心に選手とコミュニケーションをとって行くのですが、その中で特に私が意識していることが、


とにかく聞くこと


です。

本当にとんでもない状況を除いて、その実施しているトレーニングを否定したり、制限したりするのことはほぼありません。

そのようなコミュニケーションを取ることによって、選手自身に深く考えてもらいたいんです。

その機会を設けることによって、次第に選手自身のトレーニングに対するリテラシーが高まり、後々その選手が自分の管理下から羽ばたいて行く時に、環境に左右されず自分自身と向き合って必要なものを取捨選択していけるようになると信じています。


以上、抽象的であまり有益な情報では無かったと思いますが、要するに


チーム専属フィジカル担当コーチは、選手を取り巻く環境のマネジメントも意識して行っていく必要があるよね!

そのためには、現場での仕事量の多さを理由にアップデート出来ないなんて言い訳していてはいけないよね!

だからこそ選手のみならず自分自身が取り組むことの優先順位をつけることは大事だよね!


ということになります。


誤解しないで欲しいのですが、今自分が出来ることの精度を高めて行くこともアップデートなので、あれもこれも新しい情報を取りにいかなきゃいけない!!なんてことはありません。

必死になりすぎて、自分の身体を壊してしまっては元も子もないですからね。



目的地を目指すためには地図を広げ、コンパスを頼りに目的地へ向かって行く。
自分はそのコンパスになれているか?



チーム専属フィジカル担当コーチとしてもっと考えていかないとな。と思うのと同時に、この記事を書いていて、自分自身も選手に要求していることが出来ているのか?と、改めて考えさせられる機会になりました。


みなさん1年間本当にお疲れ様でした。
それでは良いお年を!!

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