見出し画像

オリジナルダンスのブランド化の潮流

アウト、セーフ、ヨヨイノヨイ!」の掛け声でおなじみ「野球拳」と言えば、、、いろいろ想像した人もいるかもしれませんが、今回は「野球拳おどり」という商標登録が認められたニュースを紹介します。

松山市が発祥のお座敷芸「野球拳」をもとにした「野球拳おどり」について、松山市と松山商工会議所が出願した商標の登録を特許庁が認めたことが分かりました。
・・・
自治体や地元の団体が農産物などの特産品を商標登録するケースは全国で広がっていますが、専門家によりますと自治体が踊りの名称を商標登録するのは珍しいということです。

<引用:『松山市発祥の「野球拳おどり」 商標登録認める 特許庁』 2021/9/6 NHK>

登録商標「野球拳おどり」の指定役務は「祭りの企画・運営又は開催」です。商標権者である松山市と松山商工会議所の許諾を受けていない場合、例えば祭り会場で「野球拳おどり」と書いた横断幕を付ける行為は、商標権の侵害に該当するおそれがあります。


おどりやダンスの振り付けやその名称の保護

昔から、オリジナルのおどりやダンスの振り付けは、著作権の保護対象です。例えば、有名ダンサーが振付師としてあみだしたダンスの振り付けを勝手に真似したら、著作権侵害に該当するおそれがあります。

ただその振り付けが著作権として成立するかどうかは別の話です。つまり、著作権として成立するにはオリジナリティが必須であり、過去に同じような振り付けがないことを証明しなければなりません。

一方、オリジナルのおどりやダンスの振り付けの名称は、商標登録の対象です。振り付けそのものが著作権で守れないとしても、その名称を商標登録して守れれば、振り付けのブランド保護に役立つはずです。


ダンスは世界的にコミュニケーションツール

ダンスは、2012年から中学校では必修となり、小学校の指導要領にも組み込まれているようです。また、2024年のパリオリンピックではブレイクダンスが競技に追加されました。

個人的にも、ダンスは言語いらずで国境を超えられるコミュニケーションツールの一つと感じています。身体の発達にも脳の発達にも役立つのではないでしょうか。教育科目への採用は大賛成です。


ブランド化を狙った商標登録も多数あり

自治体や地元の団体のみならず、民間や個人でもおどりやダンスのブランド化に伴う名称の商標登録のニーズは今後もあると思います。商標登録は早い者勝ちなので注意したいところです。

おなじみ特許庁の公開データベースJ-PlatPatで「〇〇おどり」「〇〇踊り」「〇〇ダンス」という名称の商標登録がどれくらいあるか調べたところ、現時点で288件ヒットしました(おどりやダンスに無関係の商標も含む)。

画像1

画像2