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指人形、はじめましたの行為と記録 Vol.124「たぬきケーキ制作中」

ゆびにん制作日記(2024.01.29 - 02.04)
だらだらした1週間でした。シャキっと制作していかないとなー
1/29 (月) - 30 (火)
 制作休み。
1/31 (水) - 2/2 (金) 2月のプロフィール画像用のたぬきケーキうさぎ制作。
2/3 (土) たぬきケーキうさぎ完成。

うさぎ要素ゼロなんですが
いつもはうさぎの指人形が扮しているということで「たぬきケーキうさぎ」
上から見るとわかりやすい
せなか。
はめるとこんな感じ

2/4 (日) 販売用たぬきケーキ指人形制作開始。

今週観た映画
・陽炎座(2018年に観た時の感想) ☜ めちゃくちゃ好き
・エル・スール(感想) ☜ 好き

今週読んだ本・今読んでいる本

信仰/村田沙耶香(文藝春秋)
読了。
本と雑談ラジオで一昨年に課題図書になっていて、図書館に予約して1年くらいかかって順番が回ってきました。ラジオ内の会話に出てきた「鼻の穴のホワイトニング」という単語が妙に頭に残っていたのですが、表題作の『信仰』にこれがめちゃくちゃ自然な形で登場して、村田さんは絶妙にありそうな嘘をつくのが上手いなと思いました。

本作はフィクション6本とエッセイ2本からなる短編集でして、SFが多めだからかエッセイですらSFの味わいがありました。私は『信仰』と『最後の展覧会』がとりわけ好きでした。
『信仰』は主人公が原価を計算することが大好きで異様に「現実」に固執していて、それを人にも押し付けるのですが、この世界にまともな人なんて一人もいないと思わされる作品でしたね。主人公と妹とのやり取りなんかまさにそれ…

「お姉ちゃんの『現実』って、ほとんどカルトだよね」
私は妹の意味不明な言葉に首をかしげた。
「え、何言ってるの?カルトの手口に陥りかけてるのはあんたじゃない。私はこんなに!こんなに!私、あんたのためを思って言ってるのに!

「信仰」P.033

主人公が母親に言われる言葉なんか、実際言われたらグサッと来るだろうなーと思いました。

あの子ね、『お姉ちゃんといると、人生の喜びの全てを奪われる』って言ってたのよ。

「信仰」P.034

こんなん言われたらそりゃ主人公も極端な方向にも走るわ…w

『最後の展覧会』はSFではあるんですけど、ちょっと吉田篤弘っぽくもある世界観だなあと思いました。優しくて良いお話。NHKで星新一とか藤子・F・不二雄のSFショートドラマやってますけど、『最後の展覧会』を読んで村田さんの作品も出来そうだなあと思いました。いつか観てみたい。
あと、ギョッとしたけど面白かったのは『書かなかった小説』。
本当に長編を想定していて書かなかったのか、あえて断片だけ見せる作品として書いているのかわからない点も面白い。
エッセイ『気持ちよさという罪』は、村田さんは優しいなあ…と思いました。「クレージーさやか」というキャッチコピーをテレビ番組出演時にも使われるようになった際に、読者から届いた手紙の内容が記されていたのですが

「村田さんと自分は似ていると感じるからかもしれませんが、自分が言われているような気持ちになります」

「気持ちよさという罪」P.116

こんなこと言われても私だったら、知らんがなと思っちゃう…
人はみんなそれぞれ違う人間なんだからそんなに重ね合わされても…とか。
でも、村田さんは読者の声をスルーせずに「クレージー」というラベリングを多様性と勘違いして広めてしまった、と思い、そのことを恥じて一生背負っていく罪だと捉えるんですよね。すごく真摯に向き合っているし、優しすぎる…そういう方だからこそファンがたくさんいるんでしょうけど、ファンはもうちょっと言葉を選びなさいよとも思いました。


夢分けの船/津原泰水(河出書房新社)

読んでいる最中。
こちらは本と雑談ラジオで課題図書にはなってはいないものの、話題に上っていたので借りてみました。難読漢字が多く、最初に登場した時はルビが振ってあるものの、2回目以降は振ってなかったりするので「あれ…これなんだっけ…」となり、物理的にめちゃくちゃ読みづらい作品です。いくつか上げると「台風」をあえて「颱風」、「俺」を「己」といった調子。「軈て」とか読めないよ…(正解は「やがて」)
単純な青春小説になるのを避けるために常用漢字を避けてるのかなあ…確かに年代を曖昧にするのに一躍買ってはいるし、ファンタジーな感じも出てはいるのですがすこぶる読みづらい… 今のところ、ストーリーは好みです。

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