歴史のススメ?-愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ-

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダーシップコース クリエイティブリーダーシップ特論 第12回 ゲストスピーカー佐伯 基憲さん(元三井物産役員)の授業をまとめています。

元三井物産役員・佐伯 基憲とは?

三井物産にて、二度にわたるロンドン勤務を含め、運輸・物流部門と1999年10月新設のIT推進部に勤務。その後、日本ユニシスに赴任し、人事制度の大改革を手掛ける。三井物産帰任後は、多岐に渡る部門での役員職を歴任。

会社にいれば、商品も会社も簡単につくれる

定年退職後に実感したことは「実現するすべがない」ことだという。アイデアが思いついても、商品も会社も作れない。会社にいた頃は、それが簡単にできたという訳だ。
実際に社内のIT推進部時代には、3つの会社を立ち上げ3つの会社を倒産させているという。コンテンツ、ソフトに弱い三井物産でいかにチャンレンジできる風土を作れるか。失敗したことを責められたら誰もチャレンジしなくなると考え、稟議には撤退する指標は明確にするが、犯人探しはしないことを明記したという。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は本当か?

リーダとして大事なことは、人生観を持ち、高めることだという。そうでなければ、管理は出来てもリードは出来ないのだそう。リーダーは、人間を磨くことが大事ということであろうか。
ところで、自分自身を高めるためには、先人の暮らしを振り返ることが大切だそうだ。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ 」という言葉にあるように、歴史や書籍から知識を吸収せよということであるが、私はここに僅かばかりの疑問を抱いた。
本当に「経験<知識」なのだろうか?情報があふれる現代において、知識に触れることは容易くなっている。更には、AIの登場により、人間よりも「知識」を蓄えるのに得意な存在が出現している。そんな現代(あるいは未来)においても、「経験<知識」とその重要性を天秤にかけられるだろうか?私にはそうは思えない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?