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不登校家庭への経済的支援について考える

不登校になった先には、2種類の不安がある


 子どもが不登校になったときの不安には、「仕事を減らさないといけない不安」(就労)や、「子どもの行きたいところ・やりたいこと・やらせてあげたいこと・学びにつながるような体験や教材への金銭的不安」(学び)がある。それは直接、家庭で子供と過ごす時間の多い保護者(特に母親)の精神的負担につながる。 

 2年前の一斉休校中、学校は教育機関というより託児機関の側面が大きいのでは?という言説があったのを思い出した。
就労の不安に関しては、不登校支援としてファミリーサポートやシッターサービス利用を助成できれば、「不登校家庭の親が働けない問題」や「経済的不安」の一部は解決するのではないだろうか。

学びの不安に関してはどうだろう。
昨年の夏に実施した「ホームスクール&ホームエデュケーション家庭全国アンケート」では、家庭での学びへの支出(問12-2)は15000円で二分される結果がでたことを考えると、それくらいを各家庭に支援できれば、ある程度は学びの助けになるのではないか。

経済的支援だけでは足りない


 もちろんそれだけでは足りない。保護者の精神的負担には、不登校家庭と共に伴走してくれる支援者とのつながりやピアサポートなど、ソフト面の支援も必要だ。学校のルールがもうすこし緩んだり、少人数学級になるだけでも通えるお子さんはいる。学校と学校外、両方の変化が必要だ。

経済的支援だけで、「親の働けない問題」と「学びの問題」を解决するのは難しい。そう思い始めたのは、「教育格差」を読んでからだった。

・子どもたちに肯定的なフィードバック。
・できる限り親や教師以外の大人との関わり(ロールモデルとの出会い)。
・使える制度は使って、お金をかけなくても多様な体験を得る。

「凡庸な教育格差社会」日本でホームスクール/ホームエデュケーション。大事にしたい3つのこと

上記を不登校・ホームスクールで実現するには、金銭的な支援だけでは足りないのは明らかだ。学びへの支援も抱き合わせで考えないといけない。

2022年11月29日の不登校新聞のnoteにとてもよくまとまっているので引用する。

 「フリースクール全国ネットワーク」(江川和弥・中村尊共同代表)は、文科省による調査で不登校数が前年比24・9%増加という現状をふまえ▼教育機会確保法の周知▼学校外で学ぶ子どもたちの場づくりのための予算化および支援人材の育成▼不登校特例校を新設する際のフリースクールとの連携などを訴えた。
 「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」(中村みちよ共同代表)は、91・5%の子どもが自宅ですごしており子どもの学ぶ場の確保にはほど遠い現状であることなど、不登校の子を持つ親638人に行なった調査結果を報告。そのうえで、議員連盟に対し、①不登校の親への経済的支援の実状、②親の会情報の周知の実状、③親の会が行政と連携して不登校支援などを行なっている事例、の3点について質問書を提出した。

【速報】「超党派多様な学びを創る議員連盟」発足 学校外の学びの支援拡充へ

親の会が各地で立ち上がり、行政が無視できなくなる程度に公的な支援の枠の中に入り込んできている。不登校当事者家庭への経済的・精神的・物理的支援を訴えていく土壌が、出来上がりつつあると感じている。



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