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本を巡る旅 (2)ブックカフェ:フルハウス


ブックカフェ フルハウスは、小高駅近くにある。

自宅から50キロあり結構な距離なのだけれど、ドライブで辿り着き、好きな本を探り出し、読書と言う異次元世界に入り込むのは、なかなか良い旅になる。

小高駅付近も一時は避難区域となり、避難解除となった後も、帰還する人は少ない。
それでも、通りの車は昨年より増えて、人が戻ったと思われる家も増えたようだ。


フルハウス前の通り


ブックカフェ フルハウスは、作家の柳美里さんのお店だ。
柳美里さんは、震災後、小高町に家を移した。


店内からの景色

平日で訪れる人は少ないので、ゆっくり寛げる。

面白そうな本があるとその場で屈んで読み始める癖があり、その度に、
「椅子どうぞ。」
と、店員さんが椅子を勧めてくれて、何度それを繰り返したか…。
その度に、
「あっ。」
と、思うのだけれど、何度もやってしまう。


何だか雨宿りしたくなる看板


本も面白そうなものが沢山あって、つい沢山買い過ぎてしまう。
ミヒャエル エンデや、サン テクジュペリの本も、毎回探してしまう。


まずは腹ごしらえ。


サラダランチ
魚介が沢山で美味しかった
バスクケーキ


バスクケーキを一口食べて、
香りと味…以前、どこかで?…と、思ったら、モン・サン・ミシェルの塩キャラメルのバターの香りだ。

それだけで、とても嬉しくなる。
これから先、モン・サン・ミシェルに行くことなどないだろうと思うけれど、ここに来て、あのバターの香りを思い出せると思ったら嬉しくなった。



サン テグジュペリの書いた
ラブレター。
バラをどれだけ愛していたのかがわかる気がする。
この本は私の宝物だ。
一緒にいるだけで幸せな気分になる。


星の王子さまは、一体何冊買ったのか分からない。
翻訳家が違うと買ってしまう。
今回は、内藤さん翻訳の本をすでに持っているのに、ハードカバーだったので買ってしまった。
以前は、倉橋由美子さんの翻訳が好きだったけれど、内藤さんの翻訳が今は好きな気がする。


大好きなアーティスト 横尾忠則さんの
インド旅行記。
やはりインドに呼ばれないと、インドには行けないらしい。
残念ながら、私はインドに呼ばれないようで行けていない。この先、私がインドに呼ばれる事はあるのだろうか。
まだ、読み終わってはいないが、インドは日本の空気とはかなり違い雄大な気がする。



これは、現在私の中の大きな疑問だ。
なので、私が今読むべき本の一冊。
でもまだ読んではいないが一つだけ分かった事があり、現在の仕事のシステムが、儲けのためのシステムで、人のためのシステムではないのだと思う。
それを念頭に、だれのための仕事かを考えたいと思った一冊。



こちらもまだ未読。
大好きな米原万里さんのエッセイ。
「偉くない私が一番自由」なんて、タイトルもイカしてる。


早く全部読みたいのだけれど、最近、集中力がないので、中々進まない。


毎回、フルハウスに行く度、ネバーエンディングストーリーを買おうと思っているのだけれど、あの厚さに「次にしよう」と思ってしまう。
兎に角、集中力がない…。


フルハウスは、柳美里さんのお店なのだけれど、柳美里さんの本を買っていない。
痛いものが苦手で読めない。
柳美里さんや、太宰治さんは、読むととても痛いの。
現実として突き刺さると言うか。
そう言う素晴らしさを持つと言えるのでしょうが。
三島由紀夫さんはリアルで痛いのだけれど、美しくて、その美しさがこれは現実ではありませんよ…と、奥の方で感じさせる。例えば、バレエを見てリアルな物語だとしても、隅々まで美しくてやはり「これは現実ではありませんよ」と思える感じに似ている気がする。


フルハウスで、本を読みながら、ふと思い出した事がある。
それはnoteで、「私の本棚」と言うお題があって、あるnoterさんの本棚に森絵都さんの本があった。
そのnoterさんが、私の読書感想文を読んでその本を購入し、「とても良かった」と言っていたのを思い出した。
スキを押してくれても、誰かに変化を起こさせるなんて考えたこともなかったから、本を読んでいる間だけ、同じ時空に一緒にいれたようでほわほわとして嬉しかった。
そんな、繋がりもあるのかと思うと、人生は宝探しのようでもある。



きっとまた来年、本を巡る旅をすると思う。
来年は、また新しい課題や疑問を持っていて、その答えを探しに行くのだと思う。






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