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登板後のケアについて

本日の現場からは【登板後のケアについて】と題してお話します。

本日は、ピッチャーの登板後のケアについてなので、野球現場での話となりますが、その他のスポーツにも転用できる内容でもあるかと思います。

さて、
皆さんのチームや現場では、登板後のピッチャーにどんな対応をしていますか?

アイシング?
ストレッチ?
徒手抵抗?
チューブエクササイズ?
電気治療?
マッサージ?

登板後の対応は、担当するトレーナーやチームによって特徴が出る部分の一つではないかと思います。
何より、登板後の対応は、トレーニングやウォーミングアップと肩を並べるほど、コンディションを整える上で大切なことだと思います。

しかし未だに、登板後何もせず直ぐに、アイシングで肩肘を冷やし固めてしまう選手やトレーナーがいるのも事実です。

私が以前所属していたチームでは、若手の投手は強制的に徒手抵抗を行うことにしていました。
目的は、筋出力やマルアライメントのチェック、筋のテンション・マルアライメントの是正です。

登板を続け、シーズン後半になると内旋筋力が増加していきます。
そして、投げると肩は内旋し、肩甲骨は外転していくのも、経験的に実感している人がほとんどだと思います。

投手において、肩関節内旋/肩甲骨外転は定番のマルアライメントです。
その崩れたアライメントを整える為に必要なことは、行った運動の反対の動きをすることです。

つまり、肩は外旋し、肩甲骨は内転します。

登板後には、棘下筋をはじめとした外旋筋群の張りを自覚する選手が多く、それ自体をほぐそうと(緩めようと)してします。
その気持ちはとてもよくわかります。
しかし、専門家であるトレーナーも同じような感覚で、それに同調しマッサージやストレッチなどの補助をしてはいけません。
正しい知識を持って、正しい方法を提案する義務があります。

投球時は、強烈な内旋運動が行われます。
その内旋運動を制御し、ブレーキを踏んでいるのが外旋筋です。
その為、外旋筋には常に遠心性収縮の強烈な負荷がかかっています。
外旋筋群は投球による伸張固定を呈しているだけで、伸張固定された外旋筋群を緩めてしまうと、さらにマルアライメントを加速させてしまいます。
(この辺の話は、当たり前すぎて見落とされることも多いのかなぁと思っています)


ここで一つの疑問が浮上します。

投球とはいえ、筋への負荷と考えると、内旋筋同様に投げるにつれて外旋筋力がアップしてもおかしくないですよね?
では、なぜ遠心性収縮という強烈な負荷がかかっている外旋筋は強くなっていかないのでしょうか?
むしろシーズン後半になってくると外旋筋はへたってくることが往々にしてあります。

これはなぜだと思いますか?


その答えは、
オーバートレーニングです。

ウェイトトレーニングでも、回復よりも負荷が大きく上回ってしまうと、疲労が蓄積し、パフォーマンスが低下したり、筋が委縮したりします。

外旋筋でも投球によって、それと同じことが起こっています。
外旋筋は疲弊し、伸ばされ、収縮することが出来ず、伸ばされた長さで固まってしまいます。これが、伸張固定で、選手自身は張りとして自覚します。
自覚する張りは、短縮固定による張りなのか、伸張固定による張りなのか判断することが出来ず、張りとして自覚するため緩めようとしてしまします。


ここまで話せばお気づきかと思いますが、

専門家のトレーナーがやるべきことは、2つです。

伸張固定された外旋筋に収縮をかけて短縮させ、表裏の(筋の)長さ(テンション)を整えることです。
肩甲骨の外転も同じで、内転方向に収縮をかけることで、長さ(テンション)を整えます。

その事実をわかりやすく且つ、効果が実感できるように、選手に提案/提供することです。


登板後に何もせず、アイシングで冷やし固めてしまうなんて論外です。

また、固いところや、張っているところをむやみやたらに緩める行為はやめましょう。
その張りの正体は何なのか?
一度立ち止まり、その原因を考える。そんな時間を楽しんで下さい。

というわけで、
【登板後のケアについて】と題してお話させて頂きました。
本日も、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
気づきのキッカケになった方は、いいねやフォロー、シェアなどを宜しくお願いします。

それでは、この後も心身ともに充実した時間をお過ごしください。


以上、現場の竹田祐平からでした


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