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セロリストが作る、イワシ団子のクスクス

ククー!俺の名前、みんな知ってる?本名ミルじょりってんだ🐶

挨拶がてら一句。
「本日も 快食快KK ごはんがうまい」

今日はうちのかーちゃんがちょっとアレなので、俺っちが代理でお届けする俺の家の話だ。

それにしてもさっきからかーちゃん、怖いお面を付けたヤクザみたいなおじちゃんたちが舞台で舞ってたり、はたまたリングでエンターテイメントしていたり。あと何言ってるかよくわかんない消臭力みたいな名前のおじちゃんが出てくるドラマの最終回を観ながら「ま?」を連発したり、泣いたり、笑ったり、実に忙しそうだ。

ちなみに「ま?」ってのは「まじ?」の略で、かーちゃんの若い方のピチピチな妹、つまり俺の叔母ちゃんがよくLINEとかで使ってる、俗にいう若者言葉ってやつみたいだ。「了解」が「りょ」になるのと一緒の原理だな。俺っち、若見えするけど犬的にはシジュウ男だからなー、流行についていくのはタイヘンだよ。


さて、今日は金曜日。一応カトリック教徒の多いフランスではお魚を食べる日だよ。

お昼前に俺っちは、例のごとくかーちゃんと一緒にマルシェに行ったんだ。お友達にたくさんお目もじできるから俺ハッピー。ま、俺の愛情表現は激しめだから、大体振られるんだけどね。

かーちゃん、「やすっ!」って言って、お魚屋さんで何やら小さめなお魚を買ってた。ずんのやすじゃないよ?!って忠告入りました。


チャーチャー・チャチャチャチャチャーラー♪未知との遭遇。

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危うくお魚くわえたドラ犬になるとこだったぜ。

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かーちゃんが買ってたお魚、イワシっていうんだって。新鮮そうなうえ、キロ4ユーロしないから、とりあえず1キロ買ったったって言ってたよ。何にするかも全く考えていないのに、まあいつものことだよね。あるある。

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PATAさんの鯛のお刺身のパスタを見てからというもの、「生魚食べたい」ってまるで呪文のようにつぶやいていたかーちゃん。

欲望を抑えきれないかーちゃんは、いわしの入ったバットに氷を入れながら、「ちょっとランチに食べちゃお」って、うろこの付いてる新鮮そうなイワシくんを取り出しては頭をざくっと切り離してごそごそやっていたよ。おおこわこわ。

小骨とりきるのが面倒だから、たたいて細かくして、おろし生姜をちらすよ。ほんのちょっとごま油を垂らして、わさびと青紫蘇ペーストを添えたら最後にいつものお月様をのっけます。

お醤油をまわしかけたら、お月見イワシ丼の完成!俺みたく、秒で食べ終わってたよ、かーちゃん。

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かーちゃんのすごいところは、食べたい欲と食あたりリスクのギリギリの間で生きてるとこだよね。ギリギリでいつも生きていたいからー、はっはー♪ってか。


さて、残りのイワシくん、綺麗にさばけたのは冷凍して、残りは夜に。

俺っちのとーちゃんがどうしたら白身魚のフライ以外の魚を食べるのかを真剣に考えていたかーちゃん。とーちゃんは、とっても美味しくできたアジの南蛮漬けも、メバルのアクアパッツァも全然食べなかったんだよね。お魚さんの姿かたちが残っているのが嫌なんじゃないかというのはかーちゃんの推理だ。

「海のお仲間を調理をするときは、決して背後よりOtto氏に見られてはならぬ」と、よく言ってるね。

イワシなんてただでさえ身がちっこいのに。こんなときは、一択。ミンチするしかないとかーちゃんは腹を決めた。

ふと思い出したのが、アイシャたんという猫氏の父上、俺が前に住んでたトーキョーのパリにいらっしゃるムッシュ・ケイチェルのこの一皿だって。

エビとかイカは冷凍庫に眠っているけれど、他の海鮮物をいれると警戒心を抱かれそうだし、かーちゃんはイワシ団子&うちにある野菜を使ったクスクスにすることにしたんだ。

抜けてるのもいっぱいあるけど、大体の材料だよ。今日こそはひよこ豆ちゃんと入れる!って決意してた。いつも入れ忘れるんだって。

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まずはね、イワシのお団子をつくるよ。

イワシ、にんにく、パプリカパウダー、クミンパウダー、カイエンペッパー、バゲットをフープロしたパン粉、卵白、松の実、アリッサペースト、塩胡椒。ミントはもう少し暑くなってきたら入れてみようってかーちゃん言ってた。

ん?なんか焦点がずれてるぞ?

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ゆるくなっちゃったらパン粉で調整して、お団子を作るよ。

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片栗粉か小麦粉をふりかけて、和紙をつくる時みたいな感じでバットの両端を持ってころころ、ころころするよ。スノーボールっていうクッキーみたい。

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ここまでできたら、野菜を大体同じ大きさになるように切って、いよいよ本番はじまるよ。

まずは、煮込む用のストウブのお鍋にたっぷりめにオリーブオイルをひいて、そこにイワシのお団子を入れて、これも絶えずお鍋を両側からゆすりながらまんべんなく全面に焼き色をつけていくよ。

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コロコロ、コロコロ。

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こんがり焼けたら、一度バットに戻そう。
ここでとーちゃんが帰ってきてキッチンを覗きにきたけど、かーちゃんに、「今日はboulette(ブレット:お団子状のもの)のクスクス」って言われて色めきだっていたよ。肉か魚かも知らずにね、ククク。


次に、野菜を炒めよう。たまねぎ、ズッキーニ、にんじんはいつも入れるやつだけど、かーちゃんは自称セロリが好きすぎるセロリスト。口寂しいときはセロリをかじるくらい、本当に好きらしいよ。「ま」だよ。

そんな事情もあって、いつもセロリがあるから、今日はセロリを入れてみるよ。イカにもタコにもセロリは抜群だし、魚介系には絶対合うと思うんだよねーって。

セロリは結構大きめに切って、茎2本分を入れてたよ。

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お水いれて、トマトペーストと、皮を剥いた生トマトは手でにぎりつぶして入れてたよ。ストレス解消YEAH!って変なテンションだった。ダイジョブかな。

クミンとかスパイスを適当にいれて、イワシボールも入れたら蓋をして20分くらい煮込みます。

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20分後、蓋をあけたらば、イワシくんがプックプクー。ふっくらしてるぅ!

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ここで味見しつつ、かーちゃんってば、おっちょこのちょいの助。もう少しクミンいれよっと思ったら、うおおおおお!まさかのウコンとクミンの瓶をまちがえてウコンいれてしもた!って。肝機能向上するかなテヘヘって言ってたから気にしてないっぽい。

あとはもう一味ほしいなってことで、鰯のおだしパウダーもふりふりしてたよ。

おっとやばやば、今日も忘れるところだったひよこ豆を入れて、もう少し煮込んだら、完成でーす。

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今日のクスクスは、今までの普通サイズから、より細かくてサラサラしてそうなものを使ったよ。

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HEY!いっちょあがりぃ♪
緑のはっぱはセロリ葉をこまかーく刻んだもので、箸休めもセロリで徹底してるセロリストだよ。

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これはっ!美味しーいーーー!!ってかーちゃんシャウト。
イワシボールもさることながら、セロリがいい。
生でも炒めても煮込んでもいけるセロリサイコー!!ともシャウトしてたよ。

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唯一の懸念ポイントだったとーちゃんも、なんと!完食!!

やっぱり姿かたち見えなければそこそこ魚もイケるんじゃん?ってかーちゃんはうれしそうだった。よかったね。


これが弥生の最後の金曜の、俺の家の話だ。


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俺、本宅で寝起きドッキリ😪😠





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