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【投稿企画】ファーストデートの思い出

学生時代、彼ほど愛情表現をストレートにしてくれた人はいなかった。
私の心を引きつけるのが本当に上手だった彼。
後にも先にも一目惚れで始まった恋は、その1回きりだと思う。

中学2年生。
部活の県大会に向かうバスの中で、
手紙をもらったのがきっかけで、急接近して付き合うことになった彼。
中学に入学した時点で、すでに彼に一目惚れしていたし、
ずば抜けたルックスと、運動神経の良さで目立っていたことで、
いつも本人の前に立つと、ドギマギして顔が真っ赤になっていた。

すっぴんで顔が真っ赤になってるなんて、
今思えば恥ずかしすぎて逃げ出したくなる姿だけど、
可愛い!とほっぺを触りながらよく言ってくれていた。

それまでの恋愛は、付き合った途端にぎこちなくなる不器用な男が多く、全く自信が持てなかった。
そんな中、廊下から手を振ってくれたり、堂々と一緒に帰ったり、人目を気にせず愛情表現してくれる彼には、私も信頼を置いて素直になることができた。

ファーストデートはたしか、私の誕生日が近づいた冬休み中。
仲のいい同級生カップルとダブルデートだったような・・・・・笑
ぎこちなくランチを食べて、そこらへんの雑貨屋を緊張しながら見て回って。
北国の冬はとても寒く、手を繋いでいるとこだけが、バカみたいに熱を持っていた。

そして、当時流行っていたプリクラ。
車もお金も持っていない中学生にとって、
たった400円で、誰にも邪魔されずに2人きりになれる特別な空間。

自信満々に「俺の女」扱いされるのがただただ嬉しくて。
落書きコーナーに行ってからも、画面そっちのけで落書きの制限時間ギリギリまでキスを浴びて身体中がクタクタ。頭の中も真っ白でほとんどのことが頭からすっ飛んで行った。笑


初めての手紙も、
初めて男の人に真正面から可愛いとか言われたのも、
初めてのプレゼントも、
ファーストキスもファーストデートも、
ほとんどの初めてを捧げた彼に学校以外の場所で愛されて、
その日は熱に浮かされたように、
自分のことを世界一幸せでラッキーな女の子だと本気で思えた日だった。

またサプライズ好きな彼は、いつのまに用意したのか、帰り際に
メッセージ付きのプーさんのぬいぐるみを誕生日プレゼントにくれた。嬉しすぎて、彼の苗字に自分の名前をくっつけて名前をなんども書いたりして、結婚した気分まで味わっていた。笑

そんな甘い時間を吸い込んだプーさんのぬいぐるみは、未だに実家にあり、母親が風水とかで縁起のいい方角に置いている<黄色いアイテム>として。笑

母親によって毎年置く方角が変えられているプーさんのぬいぐるみを帰省したときに見ると、かすかな記憶が蘇ることがある。
初々しくも2人だけの世界に酔っていたファーストデートを。

〜Fin〜


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