デザイナーが成長するための、最大の近道とは?
はじめに
こんにちは、アドウェイズの遠藤です。
チームのマネジメントを行なっている立場上、若手社員から、よくこのような質問をもらいます。
一般的にデザイナーとしてレベルアップをしていくためには、たくさんの段階を経て、経験を積んでいく必要があると思います。
それは例えば、配色やレイアウトなどのデザインの基礎を学ぶこと、ツールをうまく利用するためのスキルを磨くこと。また、自分の得意なデザインの引き出しを増やしていくこと。そして、ビジネスの本質を理解し、広義のデザインを行うこと……。
誰しも時間をかけながら、コツコツと自分ができることを増やしていき、個人のレベルに合わせて成長をしていくのではないでしょうか。
ただ、私は、デザイナーとして本質的に成長するための一番の近道は「フィードバックを受ける」ことが、圧倒的成長スピードを早める一番の近道だと思っています。
どのようなフィードバックが大切なのか
自身の成長のためにはもちろん、信頼関係の構築や、チームで目標達成を行うための手段の一つとしても、周囲から仕事に対してのフィードバックを受けることは、社会人にとって大切なことの一つです。
デザイナーとして仕事に向き合っていた以前の私も、自身が作成したクリエイティブに対し、先輩や同僚からたくさんのフィードバックをもらって経験を積んでいました。
しかし、デザイナー間の"1対1"のフィードバックはどうしても、個人の趣味嗜好や感覚に寄ってしまうこともあるため、フィードバックを行う側も、論理的に説明を行う技術を持つ必要があるでしょう。
また、周囲の人間からのフィードバックと同じくらい、大切な意見も存在します。それは、広告クリエイティブやサービスを直接届けるべき存在である「ユーザー」からの評価です。
ユーザーは、直接的に、そして正直に反応を示してくれます。時には、自信を持って作ったクリエイティブが、全く受け入れられないこともあり、反対に、自信のなかったクリエイティブが、好評価を得ることもあります。そして、自分にとって耳の痛いフィードバックは、やっぱり落ち込むこともあるかもしれませんし、受け入れがたいこともあると思います。
しかし、ユーザーからのフィードバックは、私たちがクリエイティブを届けるべきお客様からの、直接の“メッセージ”です。
そのような“メッセージ”=評価を成長のチャンスと捉え、次の行動につなげることができれば、さらに成長した自分に出会うことができるのではないでしょうか。
そして、インターネット広告の場合、ユーザーからの反響を、簡単に検証することが可能です。
ネット広告のデザイナーが持つ、大きな利点とは
インターネット広告は、毎日がフィードバックの嵐です。自分が作った広告が、どれほどの人数に見てもらったのか、何人にクリックをされてエンゲージメントに至ったのかなどの結果が、広告を配信後、一目瞭然となります。
作成するクリエイティブの数が多い分、どんなに優秀なデザイナーでも、ユーザーに受け入れてもらえないこともあります。とはいえ、狙いが外れることもあるからこそ、面白い。それがインターネット広告をデザインする醍醐味です。
また、インターネット広告の場合、配信クリエイティブのチューニングを行うことは容易です。いくつかのパターンのクリエイティブを組み合わせて配信をすることが可能なため、テストを行いながら、回答を見つけ出すことができます。
そして、このような経験を積むことで、自分が作成したデザインに対する裏付けを、定量的に持つことができるようになるでしょう。
デザイナーにとって、自分の作ったデザインを提案する際の「言語化力」は、とても重要なスキルです。デザインを言語化する際、“数字の説得力”を加えることができれば、より一層伝わりやすくなることでしょうし、クライアントや上司に提案を行う際も、これらの経験を生かすことができれば、自分の考えを簡単に伝えることができるようになると思います。
それでは、最初の質問に戻ります。
私なりの回答は、まずは、自分の作ったものを、世の中に送り出すこと。そして、ユーザーからのフィードバックをもらいながら、経験を積んでいく。それが、一人前のデザイナーになる一番の“近道”だと考えています。
昨今は、SNSにアップロードすることや、デザインコンテストに応募する機会も多く、自分の作品を知ってもらう機会は探せばたくさんあります。
仮に、自分の作品に自信がなかったり、デザイナーとしてキャリアをスタートしたばかりでも、問題はありません。さまざまな方法を試してみて、できるだけ多くの人に作品を見てもらい、反応をもらった上で、経験を積んでいくことが大切だと思います。
また記事内では、ユーザーからフィードバックをもらうことが、デザイナーの成長につながるとお伝えしましたが、とりわけその対象が同業者ではない友人や家族であっても、全く構わないと考えています。
広告を届ける対象のユーザーであることは変わりありませんし、自分のことを知っている人に、“忌憚されない意見”をもらうことは、重要なフィードバックのひとつです。ちょっと恥ずかしさを感じるかもしれません(私だってそうです)が……。
ちなみに、もし、デザイナーになりたての過去の自分に、何かひとつアドバイスをすることができるとすれば、今回の内容を真っ先に伝えると思います。
「参考書を今すぐ閉じて、誰かに作品を見てもらいなさい」と。
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