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M-1グランプリ2017の優勝は和牛〜世紀の大誤審はなぜ起きたのか?〜

笑い飯が初代なら2代目ミスターM-1と言っていい和牛。
2016、2017、2018のM-1で3年連続の準優勝。
そして、2019年は敗者復活から勝ち上がり、4位となった。

そして、M-1への参加は2019年で最後だと現時点では発表している。

復活してからのM-1グランプリは和牛なしでは語れないほどに、2人は優勝争いに食い込みながら、大会そのものを盛り上げてきてくれた功労者でもある。
卓越された技術と構成力、とにかく感心させられるほどに漫才が上手い!細部まで行き届く、きめの細かさと完成度の高さ。
誰もが息を飲む超絶的な漫才テクニックは若手とは思えないほどのクオリティだ。

2019年は準決勝で1度敗退し、まさかの波乱が起きたと話題になった。
これは準決勝を観た人なら分かると思うが、和牛は落ちて当然の出来だった。

長いM-1人生、そんなこともあるだろう。
ハードルも上がっているなか、毎回毎回突き抜けて爆笑を取り続けられるほど甘い世界ではない。

しかし、和牛は2度失敗はしなかった。敗者復活ではダントツの票差をつけて決勝へと返り咲き、安定のネタを披露して高得点を叩き出した。

だが、ここで言及したいのは、少し話題になった決勝での和牛の熱量問題である。
プロ素人問わず、いろんな人がいろんな考察をし、様々な意見を様々な場所で言っていた。

ハッキリ言って、そんなものに正解なんてない。そう感じればそうだし、そう感じなければそうなのだ。それ以上でもそれ以下でもない。

だが、ある人がラジオで
「キャラでそう見えるだけ」
「和牛がどれだけ頑張っているか」など擁護をしていたが…
ごめんなさい。その角度はちょっとズレております。

明確な正解はなくとも、そんな表面的な話で語れることではない。
本人のキャラクターとかネタの内容ではなく、もっともっと奥のほうに存在している、M-1と和牛にまつわる深い部分の話だと思われる。

そもそも「和牛がどれだけ頑張っているか」的な仲間のフォローは、大手事務所ならではの"お友達感"が浮き彫りになるので、やめたほうがよさそうだ。
言わなくても、漫才師は全員頑張ってますから。

では、持論として思うことを私なりに言っておくと…
これは現場的な体感と構成作家としての経験を踏まえた上での考察であり、何度も言うように正解ではない。
あくまで持論として読んでいただきたい。

私は当日M-1グランプリ生放送の現場にいたが、ステージ上にいる和牛に対し、なんとなく感じたことが1つある。

それは…

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