サキナミスカ

バレーボールの指導者をしています。選手時代は漠然とプレーをしていましたが、科学的なスポ…

サキナミスカ

バレーボールの指導者をしています。選手時代は漠然とプレーをしていましたが、科学的なスポーツの奥深さを知りのめり込みました。アメリカの大学でコーチングについて学び、その後日本のコーチ資格を取得。

最近の記事

バレーボール:アンダーハンドパス新論

 アンダーハンドパス(以下アンダー)を狙ったところへ返せるように、毎日練習しているかと思います。それでも、「腕を振ってしまう」「強打レシーブで弾かれてしまう」と悩む人も多いですよね。それらの、アンダーでよく見られるエラーをほとんど一斉に解決するポイントをご紹介します。  私自身アンダーの指導をする際、肘を伸ばすだとか肩を入れるだとか色々な表現をしていましたが、感覚的な表現では伝わりづらく苦難しておりました。しかしこれに気付いてからは具体的な身体操作がはっきりし、誰でも数分の内

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    • 筋肉とケガ予防

       人間の体の筋肉(骨格筋)は600を越え、複数の骨を接続して関節を作っています。当然、バレーボールの動作にも様々な筋肉を使っています。筋肉について知ることは、プレーの上達だけでなく、ケガの予防にもつながります。 筋肉の性質 筋肉は伸びたり(伸展)縮んだり(収縮)する性質があり、縮む方向にのみ力を発揮します。収縮して力を発揮している筋肉を主動作筋、伸展している筋肉を拮抗筋といいます。  例えば、膝を伸ばすときには腿の前側の筋肉(大腿四頭筋)が収縮して膝関節を伸ばすように引っ張

      • ケガをしないためのスパイクフォーム

         皆さんは自分のスパイクフォームを認識しているでしょうか。スパイクフォームはしばしば、アリー・セリンジャー氏の著書である「セリンジャーのパワーバレーボール」を元に、「ストレートアームスイング」「ボウアンドアローアームスイング」「サーキュラーアームスイング」の三つに大別されます。  フォームは人それぞれ、打ちやすいフォームで、というのは半ば当たり前でしたが、様々な分野で研究が進んできた現代バレーでは、それぞれのフォームの問題点が指摘されています。  まず、ストレートアームス

        • 「ボールを見る」ではなく

           練習で「ちゃんとボール見ろ」と言われたことがある人は多いと思います。「いや見てるよ」と思うこともあるでしょうが、単に「ボールを見る」だけでは十分ではないと考えています。  バレーボールの直径は4号球で20cm、5号球で21cmで、平面的に見たときの面積は330平方cm前後です。これは、A5用紙の面積(310平方cm、コロコロコミックなどの雑誌サイズ)よりも大きいことになります。更にボールは球体ですから、インパクトはほとんど点で行われます。A5サイズの紙の指定された一点を触

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          ジャンプの腕を考える

           スパイクジャンプでは腕を振り上げますが、そのタイミングは意識していますか?なんとなくジャンプと同時くらいに考えていませんか?ちょっと物理っぽい視点でタイミングについて考えていきます。  腕を振るのはその遠心力をジャンプに利用するためですが、遠心力の方向は腕の動いている方向とは別です。踏み切りの瞬間に腕が真上へ動いていると、遠心力は前へ向いており、ジャンプの高さにはほとんど寄与しません。  上の画像とその横のグラフを見てください。腕の位置とその運動を表したものです。反時計

          ジャンプの腕を考える

          ジャンプの筋肉

           ジャンプに使う主な筋肉は脚周りですが、跳び方には大きく分けて2種類があります。ももの前側の大腿四頭筋をメインに使う跳び方と、ももの裏側のハムストリングス+お尻の大臀筋をメインに使う跳び方です。多いのは前者の方かと思います。大腿四頭筋は膝を伸ばす時、ハムストリングスは膝を曲げる時、大臀筋は脚を後ろに出す時に使われる筋肉です。  ジャンプの時には膝を曲げて伸ばしますから前者の方が効率が良さそうに思えますが、その前の動きに注目してください。高く跳ぶ人のジャンプは膝を曲げた状態で

          ジャンプの筋肉