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綺麗ってなんだろう。

私は面長な顔が好きじゃなかった。

だからメガネをしていたし
前髪はずっとぱっつん。

感染症が蔓延してからというもの
マスク生活が当たり前になったけれど

コンプレックスを抱える私にとって
この生活はとても好都合だった。

それに面長な顔は好きじゃないけれど
丸くてくっきり二重な目だけは
自信を持てるところだったから。


これは完全なる自慢だけれど

高校生の頃に風邪でマスクをしていたら
通りすがりの女子たちに
「あの子可愛いよね?」
と言ってもらえたことがあった。

ちょっと嬉しかった。

嬉しかったけれどそうじゃないような
どこかで腑に落ちない私がいた。


そしてつい先日もこんなことがあった。

わたしの働く写真スタジオに来た
七五三を迎える5歳の男の子に
出会い頭にこう言われた。

「お姉さん、あつこお姉さんに似てるね!
めっちゃ似てる!好きっ!」

ちなみにこの時もマスクをしてる。

そして、あつこお姉さんとは
”おかあさんといっしょ”の
歌のお姉さんだった方のこと。

これまた嬉しかった。

嬉しかったけれどそうじゃない。


そして私は以前の記事でも書いたように
セルフポートレートというものを撮っている。

これは自分の容姿を受け入れて
好きになるために始めたもの。

そこでも私は自信を持てる目元だけを強調し
自分の鼻から下を隠した状態で作品作りをした。

それをSNSに載せると
いいねを頂けたり「綺麗だ」と言ってもらえる。

嬉しいけどそうじゃない。


私の心の中にあるこのモヤモヤとした思いは
恐らく自分のコンプレックスに蓋をして
優越感を得るだけの惨めな感情だと
知っているから。


マスク生活が始まって
メガネからコンタクトに変えて

今度はマスクレスな生活が始まり
顔を覆うものがなくなった。

そして面長な顔を露わにする事になって
やっと気づいた。


このままじゃダメなんだと。


そんな自分を変えたくてこの数年間で
スキンケアも頑張った。

自分に似合うメイクや髪型も学んだ。

それでも自分のこの面長な顔を
心から好きになれることはなかった。


正直な話をすると整形も頭をよぎったことがある。


それでも私がそちらを選ばなかった理由は2つ。


親からもらった大切な身体に
メスを入れることをしたくなかった。

何より生まれ持ったこの容姿を
愛してあげたいと思っていたから。


でもそんな愛し方なんてわからなかった。


そもそも一般的に綺麗ってなんだろう。


痩せていてスタイルがいいこと?

でもぽっちゃりさんでも綺麗って思う人はいる。

目鼻立ちがはっきりしていること?

目がキリッと細くても綺麗な人はいる。

お顔が小さいこと?

確かに頭身がスタイリッシュに見えるけど
そこだけじゃないはず。

綺麗に着飾ること?

でもお洋服の好みは人それぞれ。


そう、好みは人それぞれなんだ。


わたしはここまで考えて
最終的にとてもシンプルな答えに辿り着いた。


綺麗とは自分らしさであり生き様なのだろう


自分の弱さを知っている人は
それを受け止めることで
自分らしさを知ることができる。

自分の強みを知っている人は
自分の輝かせ方を知っている。

それが素敵な生き様になっていく。

顔を変えることはできなくても
顔つきを変えることはできる。

自分の容姿に驕って生きる人よりも
自分の短所を愛そうと努力して生きる人の方が
よっぽど綺麗だと私は思う。

もちろん前者を否定しているわけではない。
自分をちゃんと愛せているということだし。

むしろ羨ましい・・・ボソッ

あくまで私の生きる道は
そちらの方が似合っているだろうというお話。


そして私はもう一つ思っていることがある。


”綺麗じゃない”を理由にしてはいけない


自分を可愛いと思えなくても良い。

自分を綺麗だと思えなくても良い。

でもそれを理由に
何かを諦めることをしてはいけない。

これまでの私は
自分の容姿を否定して悲観的でいることって
それが実は諦めるための口実だったり
自分に言い聞かせて
納得させるためのものだったりした。


”自分が綺麗だったら”できたのに。


そんなふうに思うことって
きっとたくさんあると思う。

もしもこれを読んでくださっている方で
思い当たることあれば一度考えてみてほしい。

本当はそれがとてもやりたいことで
でも勇気が出ないから
諦める理由にしていないかと。


答えはきっとある。

自分の中にきっとある。

”綺麗とはなにか”
それもきっと自分の中だけにある。


花崎 由佳

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