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いちご農家のおじちゃんと、焼き鳥屋のおばちゃんはいつもオマケをくれた。

小さい頃
冷凍みかんと冷凍ヨーグルトに
ハマった時期がありました。

特に冷凍みかんは小学校の給食で好きになり
それを真似して家でも作ってみたのが
きっかけでした。

みなさんもご経験ありますでしょうか?

みかんを冷凍庫に放り込むだけで出来るので
母が箱で買ってくるみかんを
2つ3つ適当に入れてよく作っていました。

でもあれってみかんによっては
皮が上手く剥けないものがあるんです。

なんなら大雑把で待つことを知らない
せっかちガールだった私は
凍ったみかんが少し溶けるのを待っているのが
退屈で仕方ありませんでした。

結果、無理やり剥いて白い繊維だけが残るという。
指がキンキンに冷えるし
テーブル一面にボロボロの皮が散らばります。

みなさんの中で共感してくださる方が
果たしていますでしょうか?

みなさんが冷凍みかんを作ったことがある
という程で一方的に話してます。

文章の時点で一方的なのですが・・・


その頃からだったか定かではありませんが
我が家にミキサーが登場したのです。

買ったばかりの頃は
空前のミックスジュースブームが到来し
いろんな果物を冷凍しては
作っていた気がします。

ちなみに
これまでみかんとヨーグルトを凍らせてきた私は
「凍らせ玄人の私にお任せなさい」
と鼻高々に私が果物凍らせ担当を担っていました。

出来上がったミックスジュースは
どれも美味しく仕上がったのですが

特に顔見知りのいちご農家さんの
いちごとお砂糖と牛乳を一緒に入れて作る
いちご牛乳はとても美味しかった記憶があります。

ちなみに我が家は
お歳暮の時期になると苺を大量に頼んで
お歳暮として配り歩きます。

そのいちご農家のおじちゃんがとてもお優しい人で
頼んでいたいちごを受け取りに行くたびに
おじちゃんがオマケで
小さな不揃いいちごを一パック分くれるのです。

いちごを車に運ぶためのお手伝い要員で
母について行っていましたが
実はその不揃いいちご欲しさに
行っていたような気がします。

大人って凄いですよね。
そうやって子供たちのお手伝い魂に
火を付けるのですから。

田舎ならではのそういった助け合い精神が
あるのかもしれませんが。


家のそばにあった焼き鳥屋さんの
おばちゃんもとても優しい人でした。

家のすぐそばで小学校の通学路にあるので
いつも帰り道に赤提灯の出店の前を通ると
焼き鳥の良い匂いがするのです。

たまにおばちゃんの気まぐれで
帰り道の私たちに声をかけてくれて
「お母ちゃんには内緒だからね!」
と一本だけくれることもあったっけ。

ご近所さんなので
我が家の夕飯にも度々登場していました。

自家製の辛いタレ味がとっても美味しいのですが
お子ちゃまには少し辛いので
おばちゃんの計らいで塩味も用意してくれて
いつもそれぞれ何本いるかを母に聞いてから
焼き鳥屋さんに向かいます。

私がお遣いに行く理由はただ一つ。
もうお分かりですよね?
やっぱりその時もおばちゃんは
オマケをくれるのです。

「お手伝いして偉いね
出来上がるまでそこで食べて行きな」

6人家族が食べる量だから
いつも少し時間が掛かるので
そうやって待たせてもらっていました。


そういったオマケ文化?とでも言いましょうか。

私が大人になってから
商店街や出店のあるような場所に
住んだことがないのでわからないのですが
今でもあるのでしょうか?


昔ならではのそういった優しい風潮が
私はとても好きです。


過酷なコロナ禍を経験した今

人と人との距離も

なんなら心の距離も

自ずと離れていってしまったところも
あるかもしれません。

それでもこの温かさが
無くなってほしくないです。

大人がそうやって見守ってくれるからこそ
子供たちがのびのびと街で暮らせるのですから。

私もいつかそんな風に子供たちに
優しい手を差し伸べられる存在でありたいものです。



そういえば焼き鳥屋のおばちゃん元気かな?

お酒を飲めるようになったら
あの自家製タレの焼き鳥で
一杯やりたかったんです。

大人になったけど
またオマケつけてくれるかな・・・


由佳

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