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まだまだ暑い今こそ、スープジャーをオススメする理由

もう皆さんも言い飽きたし聞き飽きたと思いますが、今年は暑さが厳しいです。
夏休みを終えて新学期になったというのに、9月に入ったというのに、30度超えがまだ続く気配。外気温と室内の温度変化も激しく、食欲も落ちてきたりして「こんなに暑くなってしまったら、一体お弁当になにをもっていったらいいんだろう」にも書きましたが、悩みますよね。
お弁当で怖いのはいつだって、傷んでしまうこと。まだまだその心配が続きそう。さまざまな傷み予防のアイディアが特集されたりしていますが、作った後に小手先であれこれするよりも、まずは基本の3大原則を意識した方がずっとリスクを下げられる、と思っています。

改めて食中毒の基本を確認

食中毒予防の基本3原則は、原因菌を「つけない・増やさない・やっつける」。

<菌をつけない>
手指や調理器具、そして調理環境(シンクなど)の洗浄や消毒はもちろん、食品の購入時にも生鮮食品は肉汁や魚などの水分がもれないようポリ袋などで包んで持ち帰り、寄り道せずに帰宅してすぐに冷蔵庫や冷凍庫に。
ネットスーパーを活用するのも大いにアリです。

<菌を増やさない>
細菌は通常、10℃以下の環境においては繁殖しづらくなると言われます。加熱した食品でも室温に長時間放置せず冷蔵庫に保管し、お弁当を持ち運ぶとも保冷剤などを活用して温度を下げておきたいです。
ここで気をつけたいのはあくまで、10℃以下では増殖が遅くなり-15℃以下になると増殖が止まるといわれますが、細菌が死ぬわけではない、ということです。だからこそ、「つけない」「やっつける」が大切なんですね。

<菌をやっつける>
食中毒菌は熱に弱いものが多く、加熱すれば死んでしまうため、よく「食品の加熱調理は、75度で1分以上加熱すること」と言われています。ただ、加熱が不十分で菌が生き残っていて食中毒が発生したりことはよくあるので、過信できません。
食中毒菌の種類や予防については
食中毒予防(花王)
https://www.kao.co.jp/pro/food_poisoning/
家庭でできる食中毒予防の6つのポイント(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/0903/h0331-1.html
あたりの情報がおすすめです。

スープジャーの「保温保冷性」を試してみる

スープジャーはその保温性の高さから冬に注目されがちですが「熱々もいけるけど、冷え冷えもいける」、これが最大の魅力です。
前述のように、食中毒を起こす菌は熱に弱いものが多く、そして10℃以下の環境においては繁殖しづらいです。スープジャーは魔法瓶と同じ真空構造なので、他の素材のお弁当箱に比べて外気温の変化に強く、容器内で菌が増えづらい環境を保ってくれるわけです。そこで、実際にどれぐらいの温度になるかを、35℃の猛暑日、25℃設定のクーラーつきの室内で測ってみました。

実験① 保温効力

野上調べ

これは、なめこの味噌汁をスープジャー(300ml)に入れて温度を測った様子。スープジャーは味噌汁を入れる前に熱湯を注いで3分予熱し、その後お湯を捨てて味噌汁を入れました。保温バッグには入れずに、そのまま室温に置きました。
これを見ると、85℃は一般的に熱に弱い食中毒菌を死滅させるのに十分な温度で、5時間経っても66℃以上を保っていました。

・保温効力が高い=余熱調理ができる
煮込みやスープ類などは、ぐつぐつぐつと沸騰させて食品全部に火を通したら、あとはスープジャーに移し替え放置すればOK。スープジャーがトロ火調理を勝手にしてくれるので、調理時間をものすごく短縮できます。

スープジャーで楽するおべんとう生活」より。スープジャーに熱々ラーメンスープを入れてつけ麺風に

実験② 保冷効力

これは、アボカドと豆乳の冷製スープをスープジャー(300ml)に入れて温度を測った様子です。スープジャーには、スープの他に氷を3個入れました。保冷材を入れた保冷バッグに入れて、室温に置いた結果です。


野上調べ

つくりたての時は16℃程度ですが、時間が経つにつれ氷が容器内のスープも冷やしてくれて、結果的には5℃まで下がっています。冷蔵庫と同じ程度の、増殖が遅くなる冷たい温度を保っていることがわかりました。

※プラスティックやステンレス、アルマイト、ホウロウなどに比べると、外気温からの影響がずっと受けにくいスープジャーですが、ゼロではありません。保温のものは保温バッグ、保冷の場合は保冷材付きで保冷バッグにいれておけば、そのまま持ち運ぶよりも効力が高まります。

スープジャーに冷え冷え豚しゃぶつゆを入れて、ざるうどん弁当

スープジャーでの注意事項

保温保冷効力の高いスープジャーですが、基本的な使い方を間違えると逆効果になります。ポイントは通常のお弁当と基本的に変わりません。容器はパッキン部分も含めて清潔に、生鮮食品は完全に火を通す、そして調理してから6時間以内に食べきること。スープジャーの特性を十分に活かすコツや主な注意事項を書き出しておきます。

  • スープジャーは清潔な状態で使用すること。パッキンなども外してよく洗う。

  • 容器内の予熱は、沸騰してグラグラしたお湯を入れる。

  • 保温調理を過信しないで。生鮮食品は必ず完全に火を通す。 ベーコンやウインナー、練り物なども同じように加熱してから容器の中に入れる。

  • 加熱調理したら沸騰した状態ですぐに入れ、そしてすぐにフタをする。

  • スープジャーの中身が少ないまたは液体が少ないと、温度が下がりやすい。

  • 片栗粉でとろみをつけたものや油分のあるものは、さらっとした汁物(味噌汁やお吸い物など)に比べて表面に膜ができて熱が逃げにくくなるので、温度を保ちやすい。

  • 具材が大きいものはまわりの液体が沸騰していても具材の中心まで温まっていないことが多いので、加熱時間を増やすか、具を小さめにする。

気候に合わせて、お弁当は、無理せずシンプルに

まだまだ暑いこの時期、新学期も始まりなにかと気をはって疲れることも多いです。特に今年の夏は長い。こんなときは、無理をせずにできるだけシンプルなお弁当がいいです。
作り置きを詰めて、傷まないかな大丈夫かな、と心配するのもナンセンス。それよりも簡単にその朝の作りたてを1品だけ、と割り切るのも手です。味噌汁やスープがあれば、あとはコンビニでおにぎりやパンでも買えば、十分お昼にお腹が満たされ、スープジャーならではの熱々や冷え冷えが、作りたて感も感じさせてくれる。

スープジャーにキンキンに冷えたガスパチョを入れ、つけ麺風冷製パスタ。これがおいしい!

暑い時こそスープジャー。ぜひ心に留めておいていただけると、お弁当作りがきっと楽になります。

使用済みステンレス製魔法びんの回収が全国的に

耐久性に優れ、長く愛用できるのはステンレス製品の良さ。使い捨てでなく何度も使えて、日常のゴミを減らせるアイテムとしてもとても心強いスープジャーですが、劣化や破損などで処分する日もやってきます。
でもこれまで「不燃ごみ」としてしか処分できませんでした。せっかくなら、使っている間だけでなく、使い終わって手放すときまで未来に優しい道具であってほしいなあと思っていたら、ついにその日が。

2021年7月に、タイガー魔法瓶株式会社が使用済みステンレス製ボトルを回収・再資源化する取り組みを京都府亀岡市と開始することを発表した。

この動きは全国に広がり「使用済みステンレス製ボトル 回収ボックス」設置場所は、一年間で200ヵ所以上が加わり全国361ヵ所へ。モノを消費・使い捨てにするのではなく、再資源化することで、環境負荷低減と持続可能な経済成長を両立させるサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現を目指し、メーカーを問わず不要となったステンレス製ボトルを回収するボックスの設置を進めているそうです。

また、サーモス社は2023年5月から、自社直営店3店舗にて使用済みステンレス製魔法びん回収サービスを開始。

対象製品はステンレス製魔法びん構造のボトル、タンブラー、ス ープジャーで、メーカーの指定はなく、使用済み製品を持ち込んだ際に「サーモス スタイリングストア」関東 3 店舗でステンレス製魔法びんの購入時に利用できる「5%OFF 下取りクーポン」を配布。回収サービスの拠点は、順次拡大予定とのこと。

もし家のどこかに眠っているスープジャーがあったら、手に取ってみてください。そのスープジャーは、明日のお弁当をすごく楽にしてくれるかもしれないし、次に生まれるステンレス製品の新しい素材になるかもしれない。


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