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スマホ依存がもたらす子育てへの影響 斜視やストレス耐性低下など、その深刻な実態とは?

もし、私が子育てをしていた時代にスマホがあったら、今のママたちと同じように、子どもといる時にもスマホばかり見ているだろうか。
今のママ達は、スマホが当たり前の時代に子育てをしているから、自制心がないと、一日中スマホだらけになっちゃうよね。ある意味同情する。

今の時代、デジタル機器を触らない時間を作るために、そういうカリキュラムの断食道場のようなものがあったり、ニュースを見ないようにするニュースダイエットもあったり、本当にもう、スマホから離れるのに修行レベルの自制心が必要で、いくら、子供と一緒にいる時に、親はスマホを見ない方が良いと言っても、「そうは言っても」という状態になってしまうほど、スマホはじわじわと私たちの脳を浸食しました。

最初に、私がスマホの子供への悪影響を考えたのは、数年前で、今までだったら、電車の中や買い物中に子供がぐずった時は、コミュニケーションが必要だったのを、これを見ていると静かでいいのよということで、赤ちゃんにスマホを渡している状態が気になったんです。

その後、斜視の問題が浮かび上がってきました。子供が、乳幼児の頃からスマホを見ることで、急性斜視が多数発見され、失明にまで至る可能性があるらしいんです。せめてスマホと目の距離を広げようと、友人がチームでクッションを開発して、そのクラウドファンディングをお手伝いすることになったので、その話はまた別にいつか。

Web 上でも数々の実験結果が上がってきています。特にコミュニケーション消失に関しては深刻です。本来、子供がぐずった時には、親がなんとか解消しようとするプロセスに、双方に良い事がありました。それが間にスマホが入ることで、大切なコミュニケーション力の生成に大きな障害になり、後の人生にも響くというのです。

マウスによる実験ですが、母親がどれだけ子育てをするかによって、子供のストレス耐性が変わるという、恐ろしい結果も出ています。確かにこれは極端な例です。でも、私たちは簡単に想像がつきます。育児をする母親の子どもと、育児放棄をする母親の子どもでは、反対の結果になると。
育児放棄をしたマウスの子供は、生涯にわたってストレスを感じやすくなるそうです。ストレス耐性が低いんです。これは後天的なものなので、遺伝子そのものには影響をしません。ただ遺伝子の発現に影響を与えるのだそうです。つまり、この変化はその後何代にもわたって子孫に受け継がれるという恐ろしい結果になっています。詳しくはこちら。

育児放棄という言葉は、とても慎重に扱わなければいけません。特に「これも育児放棄なの?」という微妙なラインもたくさんあり、該当者が増えます。

保護者による児童(0~17歳)に対する保護・養育責任と義務の怠慢,拒否をさす。ネグレクトともいう。2000年11月施行の児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)に定義される児童虐待の一形態として,身体的虐待,性的虐待,心理的虐待とともに大きな割合を占める。育児放棄はさらに,身体的(食事をさせないなど),教育的(学校に行かせないなど),情緒的(児童の薬物やアルコールの乱用を放置するなど)に分類される。原因として,産後うつ病,核家族化によって孤立した母親の育児不安や育児ストレス,しつけと虐待の区別ができない親の増加,女性が妊娠したためやむをえず結婚した「できちゃった結婚」などによる親の低年齢化,経済的困窮などが考えられる。親自身が被放棄経験をもつ場合も少なくない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典

「さすがに私はそこまでじゃないよ」という人も、安心してはいけなくて、特に、子供の前でスマホを見ている人は「めちゃめちゃ軽い育児放棄」をしていると、自覚した方がいいかもしれません。
子供は、大人との関わりの中で、様々なコミュニケーション力を発達させていきます。その時に、親が、自分ではなくスマホに夢中になっていたり、またはもっと刺激の強いスマホ自体が、自分と親との間に入ることにより、損なわれるものが非常に大きいのです。そのことがわかる動画はこちら。

もちろん母親だけに努力を要求するわけにはいきません。子育てが済んだ母親の一人として、また一人の社会人として、例えば電車の中でスマホを子守代わりに見させられている小さな子に対し、何か(大きなお世話にならない程度の)おせっかいができないか、模索中です。

私たち(50代)の子育ては、病院の待合室や電車内で、静かにしてほしい時などには、絵本を読み聞かせたり、折り紙を折ったり、歌を歌ったりしていました。そういうことを毎日毎日、十分に親子のコミュニケーションができていました。ところが、今は光る物体、スマホによって、親子のコミュニケーションが奪い取られています。この子達がマウスの実験結果のように、もし、将来ストレスに対する耐性が低くなるとしたら、大変なこと。そしてその新しい遺伝子情報はその子孫にも受け継がれるというのだから、これは社会全体で解決していかなければいけない問題なのではないでしょうか。

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