見出し画像

学校と地域が本気にならないと子供たちを救えない

学校と地域住民とのかかわり

今年度、地元の学校で、文科省の事業、地域未来塾のコーディネーターの仕事を頼まれた。最近、地域と学校の連携が強化されている。近年、学校の業務がパンパンになり、課題も増え、ちょっと待て、子育てって学校の仕事だっけ?となり、地域と連携するようになった流れだと感じている。特に東京では、私が住んでいるちょっと田舎な東京でも、学校は独立していた。それが、20年前からくらいかな、地域の人に関わってもらおうという動きになってきた。

地域の人が出入りしている学校に不審者は来にくい

私が息子の小学校で読み聞かせのボランティアをしたのが、すでに20年前。そのころからそういう波は起きていた。その時は「地域に開かれた学校」とうたっていて、まだ学校側が主導権を握っていた。地域の人は、学校が依頼したことだけやって、それを「連携」と呼んでいい、みたいなところもあった。具体的には、私も、下校時の見守り、保護者会の間の子守り?みたいなこともしていた。学校としては、形として「地域の人も使っていい部屋」などを用意するようになっていた。その時私は保護者だったこともあり「地域の人が学校に勝手に入ってきたら、防犯上大丈夫なのか?」と心配だったことを覚えている。でもそうじゃないんだよね。地域の人が出たり入ったりしている学校に、不審者は踏み込もうとしないのよ。

制度になった地域連携

制度になったのは最近で、謝礼という形で支援員にも予算がついた。

コミュニティスクールの取り組みの中、私が就くことになったのが、地域未来塾。

学習習慣を身につけたい生徒
学習内容の習得に不安がある生徒

に対し、放課後の時間を使って、教員免許のある地域の方などが勉強を見てあげるっていうのが、基本のスタイル

文科省のプラン

東京都のプラン

本当の地域人材って?

私は、この「地域人材」っていう言葉が、どうもしっくりこない。例えば、私はたまたま教員免許があり、上位コーディネーターからは「まさに、松嶋さんが地域人材!」と表現されるんだけど、学校が放課後に塾講師を雇いたいわけじゃないと思う。本当の人材って、もっと多様な生き方をしている「第三の大人」なのだと思う。

近隣の小学校では、放課後、陶芸家を呼んでお茶碗を焼いたり、茶道を教わったりしている。それも素敵!ちょっとお稽古事チックだけど、勉強よりマシ。私はもっと、日常で、お金で買えないような体験をさせたらいいと思っている。

例えば、農業を手伝うとか、ゴミ問題や貧困家庭の問題など、地域の問題を中学生の頭で解決するとか、そういうことをさせたい。防災プランも立ててもらいたい。地域の人材に勉強の補講をしてもらうのではなく、地域と一緒に、何かがっつり行動してほしい。幸い、私はそういうつながりをもっているので、そういうことなら私が骨を折ればなんとか設定はできそう。

が、現行のプランと規則と予算では無理そうなので、将来の妄想として脳内保管しておく。

実績がほしいだけ?

学校としては、あまり張り切ってほしくないのかもしれない。「実行した」実績がほしいだけで、そんなに「協働」を望んでいないのかもと感じる。
その辺は、私のアプローチも足りないところがあるから、もう少し話し合いを重ねる必要があるのかも。

昔ほど、地域と学校の意識が離れていないのもチャンス。昔は、まずは校長会を通さないと!とか、教育委員会のハンコをもらわないと!とか、学校の指示内だけでやってください!とか、いろいろあったけど、ようやく、本当の意味でその境界線を取り払う時期に来たのだと思う。

それくらい、今の子供たちはとても苦しんでいる。困っている。保護者と教師以外の第三の大人の存在が、彼らを救う助けになってほしいと願う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?