東洋医学と西洋医学の違いとは?

「東洋医学と西洋医学の違いって何?」

と疑問を持つ方も多いと思います。


東洋医学といっても、その中でいくらでも細分化することができるので、はっきりと表現することは難しいのですが…


広い意味での東洋医学と西洋医学の違いを少し極端に表現すれば、

西洋医学では、病を排除しようとします。

東洋医学では、こころやからだのバランスを整えます。



西洋医学とは


西洋医学では、
病というものを定義し、
健康と病気を切り分けて、
病を排除しようとします。


まず、病とはこういうものであるという定義があります。
問診や検査等により、どの病の定義に当てはまるかを診断し、
病を、悪いもの・敵対するもの・闘うべき対象(闘病)と捉えて排除しよう(処置、処方など)とします。

悪いもの(腫瘍など)があれば、それを取り除く(外科処置)
炎症を起こしていれば、消炎剤
痛みがあれば、鎮痛剤
血圧が高ければ、降圧剤
ウイルスに対しては、抗ウイルス薬
など、正常な状態にするために投薬する
などといった手段をとります。

検査等の結果が、病の定義にあてはまらなければ病ではなくなり、
悪いものを排除し再発しない、
投薬等により正常な状態に戻れば、
完治・治癒と言えます。


東洋医学とは


東洋医学では、
「健康か病気か」ではなく、
こころやからだが調和している状態かどうかを把握し
そのバランスを整えることを目指します。

 

問診、脈診、腹診、視診、触診など(四診)により
こころやからだの状態を把握し
調和、バランスを整えるために
鍼灸なら鍼や灸を施し、
漢方なら生薬を調合し服用する
などといった手段をとります(弁証論治)。
 

四診(望診・聞診・問診・切診)

望診:望=視ること 視診など目から入る情報
聞診:耳から入る情報(声や呼吸など)、嗅覚から入る情報(においなど)
問診:症状などを尋ねて得られる情報
切診:切=触れること 脈診、腹診、触診など触れて得られる情報
 

弁証論治(べんしょうろんち)

四診などの情報から、
こころやからだのバランスが、
何が原因でどのように崩れているために
その症状が現れているのかを判断し(弁証
その弁証に従って治療方針を立てて施す、治療すること(論治
 

検査等の結果から、どこも悪くないと診断されても、
自覚症状があれば、バランスが乱れていると捉え、
未病(みびょう)といわれる状態から、バランスを整えることもできます。
 

未病・・・「いまだ病にあらず」

冷えやすい、疲れやすい、寝つきが悪いなど、
病まではいかないが
こころやからだにあらわれる不調。
病になる前の状態。


こころやからだが調和し、バランスが整っていれば、
体調を崩しにくくなり、
こころも安定しやすくなり、
未病の状態にもなりにくく、
もし、過度な負担がかかってバランスを崩したとしても
回復しやすくなります。

 

東洋医学と西洋医学
どちらが良い悪いではなく、
考え方が異なるため、その捉え方も手段も異なります。

二者択一ではなく、
自分で理解しやすいもの
自分のこころやからだに合うもの
改善につながるものを選択し、
日々を健康に過ごすことが一番です。

おろそかになりがちな自分自身のことを、
いたわること、ねぎらうこと。
今日もこうして過ごせることに感謝したいものです。


ゆかり堂治療院


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