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小劇場から当日精算がなぜ減らないのか

「しばいのまち」での不定期連載が公開されました。

本当、小規模単位でも導入できるプレイガイドのシステムもあるのにこりっちが完全有料化(厳密にいうと、以前も本来は有料のところを宣伝のために期間限定で無料にしており、その期間が切れたというだけ)した程度でカルテットオンラインに「こりっちはタダじゃないから!!(意味不明謎の逆ギレ)」で大量流出するぐらいですからね・・・。ていうか、「チケットプレゼントを利用すること」っていうのはチケットプレゼントの枚数分実質支払ってはいないけど団体が赤を被ってるって意味わかってる??それだったら多分利用料よりもチケプレで出してた枚数相当分の方が多いと思うよ。実際に金銭のやり取りが発生してないから気が付いてないだろうけど。
ここまで無料のサービスに固執するのにお客様からはお金をとって舞台を見せるってすごい矛盾してると思うんですけど。なになにプレイガイド使ったら死ぬ病気にでもかかってるの?なんかプレイガイドに恨みでもあるの?無料のサービスしか使わないのと、予算組みを適切に作るっていうのは別だぞ?ていうか個人情報と金銭のやりとりが発生するものを無料のサービスに依存するって怖くない?データ飛んだら危険じゃない??この考え私おかしい?

あとプレイガイドさんも大手企業や商業演劇だけだったら牌に限界があるからたとえ小口であっても取引数増やしたいってのは絶対あるし実際担当さんと会って話したらすごいいろいろ向こうも模索してるから落とし所は結構ある。やっぱりこれ、知識不足が何よりの原因じゃ・・・・?

ちなみにこりっちもカルテットオンラインもすごく良くできたシステムであることはシステムの名誉のためにはっきり言っておく。本当に。めっちゃ便利。もっと金とっていいレベル。いつもありがとうございます。

ところで。

会場の受付において、当日受付開始から開演時間に問題なく上演開始されるように全員が当日精算で捌ける人数の上限ってどれぐらいでしょうか。受付開始を仮に開演30分前として、私は30分だったら50人が限界かなと。これは「全員の受付処理を完了させ、休憩なし・トイレ案内などのアナウンスも全て済ませてきている人間が全員着席した状態で定刻に開演する」という意味でだけれど、まあこんなに綺麗にスタートできるとは限らない。ていうか50人でも結構ハードル高いかも。普通にトイレ待ちで微妙〜〜に押すときあるから。そこそこの規模の劇場とかだと「間も無く開演です」のトイレ追い出し声かけ10分前とかやからな。

そしてプレイガイドで前払い・事前発券を導入するのはおそらく100人規模の劇場を利用して7割程度が入る見込みがあるのであれば、プレイガイドにおける販売率が何パーセントであろうと、チャンネルとして設けるべき。70人規模なら50人当日+20人精算済み、100人規模であれば70人当日+30人精算済み、ぐらいの体感だとすごく楽。そもそも入り口で100人の精算待ちの列に並ばされることを想像するだけでゾッとする。どんだけ時間かかるんだと。それに一人一人にかけられる時間も単純計算で30分で50人だったら1人18秒とアイドルの握手会顔負けの高速剥がしっぷりやで。お金を事前に払っていないというだけでお客様にストレスを発生させる要因を増やしてどうするんや・・・!

が、どうもその辺の「少ない人員でしか回せないことは明白かつ時間も限られているにも関わらず、その限界についても疑念を抱かないしかといって増員するという概念がない」ところが多い気がする。これに関しては「人員を配備しない」というところはもう日本の国民病とも言えるのでは・・・・。(例:IT・システム系)作業量と人員、時間について最短最速で計算しようとするから「予想以上にかかった!」ってごねる状況、あるよねー。

まあそれもこれも、根源的な原因はそこではなく、小劇場の公演では、集客を役者の手売りに依存しているから。そして来場客も役者だから。
だから、まず当日精算でしか売ったこともないし、当日精算以外でしか支払おうとしない。何よりも「先に支払う」金がないし、仮にクレジットカード払いや携帯のキャリア決済で掛け払いにしようにも支払日まで現金がキープできている保証がない。これに尽きるのでは。

根本的に、大劇場(宝塚・劇団四季など)の公演を見に行く人たちと小劇場の公演を見に行く人たちとは完全に客層が違っていて、先払いの「購入」が当たり前な客層と、下手すれば当日ギリギリまで財布の中身の資金繰りを検討しているような役者同士が違いに見に行くという「人同士の信用」で成立させている世界じゃあそりゃビジネスモデルが違いすぎて。まず間違いなくこれは「商売」「商業活動」ではない。
そして当日精算に依存している段階でプロジェクト全体の出入金スケジュールを考えた時に「本当に入るかどうかわからない売上金」と「それでも必要に迫られて支払わなくてはいけない経費」との間で「自分が持ち出せばいい」「チケットの買取があるからその入金で」「足りなかったら支払い待ってもらってバイト代で分割払いで」などという甘い見通しで計画を進めている時点でかなりもうそれは「お金の使い方がわかっていない」証左なのでは・・・?なのにたまに遭遇する小劇場の公演で「劇団の公演で儲けたい!」と言っている人たちに矛盾を感じる・・・。いや、赤字にしないぐらいが限界だよ。黒にするならキャッシュポイント考えないと。

で、そんな企画主の元でしか公演に参加したことのない役者であれば、当日精算になんの疑念も抱かないだろうし、当日来てもらえればOK、という軽い気持ちで確保もできるけれど軽い気持ちで申し込んだものは軽い気持ちでキャンセルされるというところも考慮していない。あと、自分が当日精算でしかやりとりしたことをないからこそ、当日スタッフの増員についての提案を論理的に展開したところで理解もできてない人が多かったし、プレイガイド返券の都合もあるけれど、直前の申し込みに関しては当日精算を受け付ける、個人予約フォームは作らないので制作に直接申し出ること、などを言ったら強行に反発して来たこともたくさんあったなあ・・・・。いや、個別フォームっていうか、当日精算って「信用」商売で成り立ってるやつよね?それを全員にオープンにしてどうすんの、その段階でアウトでしょ。というかチケットの売上枚数でバックがあるならば、自分の売り上げは自分で確保するべきなのでは。事前に50枚買い取って30枚しか捌けない役者と、当日精算で30人来場する役者のどっちがいいかというのはなかなか難しい問題だけれど、(チケットのご祝儀購入で空席になるのもまた悩ましい問題)売り上げという観点から見たら先に50枚分買ってくれる人の方がありがたいはありがたいよね!

まあ、小劇場の役者を使った公演においてチケットを売るセオリーというのは「役者が売りやすい方法」にするしか正直ない。私の好みかどうかは別にして。まあ、それで、売りやすいんだよね?知らんけど。

だからこそ、過去記事にも書いた通りなんだけど、制作が売るべきチケットというものは「手売りで10人来たら9人分の値段にするからそれを50人に声かけてこい」じゃあ断じてない。それはネズミ講だ。団体券するなら最初からオープンにするべき条件!(パルコとかやってる、8人以上)

小劇場の大量にある横並びの劇団から一歩頭抜けるためには「予約」ではなく「購入」してくれる人をいかに増やすかというところが重要なのであって、それが制作(プロデューサー?)に求められる戦力だな、と思う。

実際問題、じゃあプレイガイドを利用したらどれぐらいかかるの?ECサイトとの比較は?というネタはまた後日。ただいま、計算中〜



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