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♯1 耳をすませば 【シロクマ文芸部】

愛は犬からの無償のもの。
生まれてこのかた、犬派の家庭に育った私は、時々急にヒステリーな母の気持ちが皆目わからなくて、無垢で献身的な愛とは我が家の愛犬・マックスの在り様なのだと知り、それに応えようと信じて成長した。

母は弱い人だった。
子育てに追い詰められている自分を可哀相だと言った。
だから、私は悪くないと度々ヒステリーを起こした。

私が
「つらいよ。なんでかな」
そう弱音を吐くと、
「わぉん」
とマックスも悲しげに啼く。
私の涙を舐めて、それはまるで慰めてくれているようで、独りではないと私の心を温めた。
共通の言葉はもたないけれど、私たちはちゃんと心を通わすことができる。
愚かな人間よりも、純粋であるからだ。

私は猫が苦手だった。
それはあのミステリアスな縦に伸びた猫目が怖いと友達が言ったから。
足音もなく、後ろにいるのも妖怪・猫又だと言う人もいる。
予想もしない靭やかな動きをするのが不気味だという人もいた。
私はあのジョリジョリした舌に舐められた時に、犬の舌とは違うので、ビックリしてやはり猫とは相容れないのかと思った。

しかし、ペットショップに立ち寄った時に、外に設置されたケージに入っていた猫と目が合い、一瞬にして世界は変わってしまった。
二匹の仔猫がいたけれど、一匹はヘソ天でグーグー。
近寄って来た茶色い仔猫の目はまんまるで、
「だぁれ?」
と、言っていた。
それはもう17年前。
オシリスさんとの出会いは、私の偏見を見事に覆した。
犬も猫もなく、心を通わせることができる。
猫に表情がないなんて、とんでもない!
オシリスさんが私を毛繕いして、(イタイけど)
「アンタ、ほんとお手入れもロクすっぽできないんだから〜」
という声が聞こえてくる。
世の中には、本当はこんな声がたくさん溢れていて、優しいんだね。
私はオシリスさんが猫又になってもウェルカムです♥

今週のシロクマ文芸部のお題。
半分私の体験談にしました〜。
最後は猫礼賛ですいません。
オシリスさんは私のファーストキャットです。
出会いはまんまです。

私は何故か動物に好かれる体質(?)でして、お散歩中のワンコが飼い主さんを引っ張ってついてきちゃったことがよくあります。
道端でイヤイヤしている仔犬ちゃんに、
「ん?」
と笑いかけると、機嫌を直したり。
あ、そうそう。
赤ちゃんも喜んで手を伸ばしてきたり。
私は多分天然なんですね。
で、オシリスさんと出会ったのです。
オシリスさん、御年17歳。猫30年時代ですよ。
長生きしてネ♥

さぁ、さあ。
みなさん、お題に挑戦いかがです?

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