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断言する人には注意しなさい

これはまだ小学生の頃の私に母が言ったこと。

私は口が達者な小学生だったから、世の中の矛盾や大人の本音と建て前みたいなのが気に入らなくて、よく母に食ってかかっていました。人生で一番正義感に溢れてた時代です。

母は母でいちいち面倒くさいので適当に誤魔化してあしらっていたんだと思うのですが、私が白黒つけて欲しいというと、それには答えずこんなことを言いました。

断言する人には注意しなさい

大学に行って何が分かったかというと、本当に頭が良い先生ほど有耶無耶な答えしか出さない、ということなの。


その時、何を話していたのかは忘却の彼方ですが、何故かこの母の台詞だけはずっと頭に引っかかって忘れることはありませんでした。多分、衝撃だったんです。大学の偉い先生ほど断言してくれると思っていたから。

その意味が分かるのは、少し大きくなってからです。

どんな分野でも専門的になればなるほど、未知の領域が開けてきて、真摯に謙虚に研究しようと思えば、どんな可能性も完全に否定することはできない。だから断言するような雑なことはしない。ということですかね。


苦し紛れの言い訳だったかもしれない母の台詞ですが、今の私にも影響を与えています。

絶対に儲かる。
絶対にに合格する。
絶対に治る。

こういう類の話にはもちろん乗らないです。
普通に考えても怪しすぎますもんね。

でも、この情報過多な世の中で判断に困るのは、その分野の専門家の中でも意見が割れているようなものだと思うんです。
誰を信じるのかで「正しい」が真逆になってしまうのですから。
そんな時に母の教えを利用するのです。

例えば二種類の専門家がいたとします。

•A説が正しい。B説はトンデモ。
•B説という考え方もあるけど、現状ではA説が最も有力な考え方


後者のような話し方をする専門家の方が真摯だと感じます。

権威のある人が断言しているときは、要注意。
真摯な研究者なら例外の余地を否定しないから、断言する人には利権が絡んでいる可能性も。

情報過多なネットの海の中では、公的な情報が正しいと判断されがちですが、そこで引用されてる研究者を調べると結構な率で前者のタイプの人で、がっかりすることもあります。

特に健康関係の情報なんて、常識がひっくり返ることがしょっちゅうあります。
傷は消毒するな、って昭和の時代ならトンデモ扱いだったのではないでしょうか。

現時点ではこの説が有力ですよ。でも別の意見もありますよ。

私なりの指標ですが、こんな風に話してくれる専門家だったら信用できるかな、と思っています。全ての専門家にはなれないし、全ての論文に目を通すことはできないのですから、誰を信用するのかは慎重にならざるを得ないのです。

世の中はまだ分かっていないことだらけなのですから。

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