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同じ空気の振動を感じることに意味があるんだ

東京国際フォーラムで開催されているラ・フォル・ジュルネTOKYO2023に行ってきました。

簡単にいうと、クラシック音楽版のフェス。
その年ごとにテーマを設け、それに即したコンサートが複数の会場で一日中行われる。

コロナ禍のなかで開催がままならず、今回が4年ぶりの開催となりました。
私は2回目の2006年からほとんど毎年参加していて、とても楽しみにしているんです。
だからついに開催されることが嬉しくて嬉しくて。

国際フォーラムの中庭が賑わって、特設ステージから無料コンサートの音楽が流れてくる。
あの独特の雰囲気を感じて、あぁ帰ってきたー!と感激しました。

今年のテーマはベートーヴェン。
そこまでクラシックに詳しくないものの、ベートーヴェンの楽曲には好きなものが多くて、待ってました!という気持ち。

私がみたのは以下
◆「ハバナのベートーヴェン」
ベートーヴェンなどの楽曲をラテンアレンジで演奏。
ピアノとパーカッションとベースだけなのですが…アレンジがかっこよくて楽しくて素晴らしかった。

◆「若きマエストロたちと猛進!踊るベートーヴェン!」
ピアノ協奏曲第3番と交響曲第7番の2曲を演奏。
亀井聖矢さんのピアノがとても素晴らしくてうっとり。
いわゆる「ベト7」もやっぱり最高!
無条件に楽しい気持ちになって盛り上がりました。

◆「シエナのエクストリーム・ベートーヴェン!」
ずっと生でみてみたいと思っていたシエナ・ウインド・オーケストラ。
さすがの大迫力でかっこよすぎる!
ベートーヴェンの楽曲たちの吹奏楽アレンジとか、楽曲同士のつなげ方がおもしろくて素敵。
ここでしか聴けないものだなと、感慨ひとしおです。

いずれの公演でも強く感じたのはやっぱり、生で演奏を聴くことの意義。
目の前でそれが演奏されていて、演奏者の方々の迫力とか指使いとか息遣いとか楽器そのものから鳴るさまざまな音も感じられるということ。
そして聴衆も含めてみんながその熱に巻き込まれていく感覚。

同じ空気を分かち合うということ。
それってなんなんだろう?と考えて、それは同じ空気の振動を感じることなんじゃないかしら、と思った。

その場で鳴る音楽を共に聴くこと、発生したその他の音を聴くこと、個々が発する興奮の熱気を互いに感じ合うこと、共に手を叩くこと…

本当に本当に楽しかったですし、あぁ泣いちゃうって何度か思いました。

ベートーヴェンの楽曲には、途中で(特に個人的感覚では第二楽章が多い気がする)天界で鳴ってる音ってこんなかなぁ…みたいな旋律が響くことがあって。
天界とつながれるんじゃないかって錯覚しそうというか、天使が迎えに来ちゃいそうっていうか。
あぁ、語彙力が乏しくて変な表現しかできませんが、宗教的な響きがあるんだよなぁ。
専門家の方に言わせたら、コードがそうなってるとかあるのかもですが、単純にいつも陶酔するのです。

それもまた、同じ空気の振動をその場で感じるほうが、陶酔感が高いのです。(あくまで個人的感覚です)

現代はさまざまな方法で音楽が聴けるしコンサートの様子もみられるけれど。
私はやっぱり生で聴く機会を大切にしたいのです。

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