【ビジョン策定の体験より②】策定のために必要なこと。

全社経営や事業のビジョンをつくるために、絶対欠かしてはいけない 大事なことについて整理します。参考になれば幸いです。

|トップのヤル気がなければはじまらない

当たり前のことですが、これ一番大事です。

裏を返すと、いくらボトムアップでビジョンをつくろうなどと提言しても、トップがヤル気にならなければそのプロジェクトは霧散します。意識の高いミドルマネージャーが働きかけても反応が悪い時は、やめておきましょう。うまくいきません。

私の経験でも、経営ビジョンをつくろうと同僚と共に経営陣に働きかけて、しっかりヤル気になってくれて実行に至るまで2年くらいかかりました。

|“くたくた”になるような全員での議論が必要

全員が腹落ちするビジョンをつくるためには、あらゆる人のあらゆる視点や意見を出し切ることが重要です。そして、単に意見を並べるだけではなく、本質的な課題や要点にたどり着くための掘り下げも必要です。

そのうえで本当にビジョンに必要な要素を何かを絞り込んでいきます。全員ですべての意見を出し切って、徹底的に話し合うから互いを理解しあい、納得できたうえで、正しい方針が定まっていきます。

この”全員参加のプロセス”を経ない、トップダウンや一部の人で決定していくようなやり方だと、いいものはできませんし、社員が自分ゴト化できません。

もちろん全社員が直接的な会議に出席することはできませんので、アンケートを用いたり、各部門ごとにセッションをして意見を集めたりすることで、全員参加のビジョンつくりを実現できます。

|とにかくわかりやすい ”言葉” にすること

”伝え方が9割” というベストセラーの本もありますが、本当にその通りだと実感します。誰もが覚えやすく、キャッチーな言葉がいいですね。

なんなら、若い社員がちょっと面白がってギャグにつかってくれるくらいの親しみのある言葉いいですね。内容の是非はともかくとして、トランプ大統領の「Make America Great Again」などは、覚えやすく、共通のゴールを持てるビジョンだと思います。

|努力のゴールと方向性がわかる将来像であること

しかしながら、キャッチーなだけではいけません。ビジョンは目標となる将来像を、できるだけ明確に表現している必要があります。

それは、定量的な表現かもしれませんし、抽象的な夢かもしれません。 それによって、価値観や 事業の戦略につながる方針が定まることで、会社の活動のベクトルをそろえることができるのです。

ある戦略コンサルタントに聞いた、良いビジョンの一例は、アメリカのアポロ計画の「60年代に人を月に送る」だと。有名な話ですね。

|ビジョンの浸透のための活動の促進

せっかくつくったビジョンを覚えてもらうため、発表会をしたり、社内やイントラに掲示したり、グッズを創ったり、、そんなことは当たり前。工夫してクリエイティブな方法で伝えていけばよいです。

本当の意味でのビジョン浸透は、全社員がビジョンに賛同し、その実現のために行動する継続的なムーブメントをつくることです。

そのために、

・ビジョンを実現のための、具体的な戦略と活動計画もつくる。

・その戦略と活動計画を、社員を巻き込んでやり切る。

このように、ビジョンの披露がゴールではなく、そのための行動を起こすことが本質のはず。

形骸化させずに、活動ベースのビジョン経営を実現していきましょう。

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