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「何になりたいか」よりも「どんな人になりたいか」

約10年、こども園で働いている保育士です。

幼稚園や小中学校の卒業前などによく聞かれる「将来は何になりたいですか?」という質問。
日常会話でもよく、子どもに「大きくなったら何になりたい?」と聞いたりしますよね。将来の夢、みたいな。

この【何】って、なにを表すのでしょう?
やっぱり、【何=職業】でしょうか。
一言で答えるには、消防士・警察官・先生・歌手・パイロット・ケーキ屋さん・野球選手…など、どうしても職業のことになってしまいます。

でもこれって、すぐに答えられる子どもの割合ってどれぐらい?
子どもの年齢にもよりますが、いきなり職業選択を問われるなんて、厳しい質問だなと思ってしまいます。

将来の夢を考えてほしい時、聞きたい時、職業ではなく、「あなたはどんな人になりたいですか?」
と聞いたほうがいいと思う話です。

夢を持つことは、素敵なことだと思う。
夢中になれることを見つけられたら幸せだし。


①【何】よりも【どんな】のほうが考えやすい

「大きくなったら、どんな人になりたい?」
と聞かれるほうが、子どもは考えやすい・イメージしやすいと思います。
抽象的でいいんです。むしろ抽象的なほうが一言ではないぶん、具体的な答えやリアルな例えなどが返ってきますよ。

「お母さんみたいな、優しい人」
「お父さんみたいに、いつもお仕事がんばってる人」
「おばあちゃんみたいに、友だちが多くていつもニコニコ笑ってる人」
のように。

職業まで決まっている場合でも、
「○○先生みたいな、楽しくておもしろい学校の先生」
「大谷翔平みたいな、かっこいい野球選手」
など、【〜みたいな】とか【どんな〜】等のイメージも一緒についてきます。
「ユーチューバーになってお金持ちになりたい」なんて回答も、今時の新しい答えですね。色々聞けると興味深いなあと思います。

世の中にどんな職業や仕事がどれだけたくさんあるのか、まだ多くを知らない子どもに「何になりたいか?」という質問は難しいのかもしれません。
子どもだからこその柔軟な視点で素直に「どんな人になりたいか?」を考えられるようにしたほうが、なるほどと思える回答が返ってきたりするものです。

これ書いた子、絶対すごい大人になるよね!


②【何】は、職業というゴール ・ 【どんな】は、夢のスタート地点

例えば、私のように子どもの頃「先生になりたい」という夢があったとします。
すると、実際に先生になれたとしたら、その職業がゴールなので、夢は叶ってしまったことになります。

ん?ほんとにそれでいいの?まだまだこれからも人生残ってるのに。
憧れの職業になれたら、それで万事オッケー??
もうその次に目指す理想はないの?夢が叶って一人前?

なんか違いますよね。だってまだ先がある。
ここまで頑張って勉強したり、行きたい学部を受験したり、実習に行ったり資格や免許を取ったり、試験や面接を受けるなどの努力はしてきたから、叶った瞬間はそりゃ「やったー!」ですけど。
でも、仕事なんて、就いてからが本番。そこはただのスタート地点にしか過ぎないのです。

続く道は、まっすぐ平坦じゃないかもしれない。
デコボコだったり坂道や分岐があったりするもの。

よく結婚(結婚式)が、めでたく晴れてゴールイン!みたいに表現される少女漫画やドラマがあるけど、いやいや、それは結婚生活のスタートだから、って話と同じ。恋愛のゴールが結婚なの?ハッピーエンド?
現実の生活では「エンド」じゃないよね。そこからが始まり。その先、まだまだ何十年と続くんだから。

だから、実際先生になってからも「どんな先生になりたいか」というのは、何年職歴があっても日々考えながら&更新しながらやっていくものです。
私なら現時点では、何か一言や一場面でいいから【印象や記憶に残る先生】になりたい。大人になってからも
「あの先生にあの時こんなこと言われたな〜」
「こんなこと言ってた先生いたな〜」
って覚えてる先生、ひとりぐらいはいますよね?誰でも。それです。
また何年か経てば、理想像は変化すると思うけど。

他にも、例えば「困っている人を助けられる人」と答えた子どもなら、将来は警察にも消防にも医者にも看護師にもなれます。
「正義のヒーローみたいに強い人」って言う子は、体を鍛えようと思うよね。
「世界で活躍できる人」だったら、英語とか外国語を学びたいと思うでしょう。
「お金持ちになりたい」だって立派な夢です。起業や社長を目指すかも?
「大きなお家を建てて住みたい」ならば、建築系に進んだり。

幼いうちは、なんとなくの夢の「イメージ」だけ
持てればそれでいいと思う。

夢の種類は、職業の種類よりもはるかに多くて、広がりがある。
だから、抽象的でいいので【どんな】というイメージを浮かべるほうがいい。

職業は、夢を叶えるためのひとつの手段だと思えば、何度か転職するのだってもちろんアリ。仕事は、夢という根幹の、枝葉のようなものだから。
途中で折れてしまっても、変色し枯れ落ちてしまっても、根っこや幹がしっかりしてさえいれば、また新しい次が芽生えてくる。
だから、大丈夫。何度でもやり直せる、そう考えたい。

③まとめ~大人も夢を持とう

私にもまだまだたくさん夢があります。
このnoteでも色々書いてきたように、サイドFIREしたい・ミニマリストになりたい・英語を話せるようになりたい・庭付き平屋建てに住みたい・色んなところへ旅行したい・バドミントンもっと上手くなりたい・夫と一緒に自転車(ロードバイク)やキャンプの趣味を続けたい、健康で長生きしたい、などなど。

ほんとはもっと、書ききれないぐらいいっぱいあります。死ぬまでにやりたいこと【バケットリスト】も作っています。

80歳・90歳を過ぎても夢を持っている人は素敵だし、
見た目も若々しく見える。目標はイコール「生きがい」
になるし、そのためには体と心の健康が一番大事。

残りの人生も、ひとつずつ小さな夢を描いたり叶えたりしながら楽しく生きていきたいなぁ。
と思う、今日この頃です。



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