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仁平幸春の考え

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制作に関する考え、その他雑感を綴っております
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#アート

創作の世界も人為と人工物に過ぎないのだから批判するべき所は批判しないと

 アーティストみたいな仕事をしていると「どんな事があっても表現の自由は守られなければなら…

「新しさ・伝統・民藝」などの覚え書き

新しさについて 何かの極点に達したものは、両極端の性質を同時に持つ気がします。 円を描く…

フォリア工房のムラ染系の仕事について・1

*全面ロウムラ加工について* 「全面ロウムラ加工」というのは主に「白ロウ」という、防染力…

工芸品と芸術品の性質の違い

私は普段、このnoteに書いている通り、全ての人為と人造物は等価なので、例えば工芸品と芸術品…

描きたいものは無いけども絵を描く事は好きという人

は、意外に多いです。 もちろん、これは工芸系でも当てはまります・・・あ、というか、大人に…

「語りの池」に浮かぶ作品

現代美術の作品は、作品の周辺と作品成立の文脈を詳細に語り、作品自体がその「語りの池」に浮…

人は自分のためだけにやり切る事は出来ないもの・・・

工芸品に限らず、創作物全体に対して、個人的に思う事ですが 作物の底に「自分以外の存在に対する祈り」のあるものが良いです それは大それたものではなく、高尚なものでもなく、素朴で素直で健康的な・・・人間が自然に持つタイプのもの 人の存在、人の生活、自然・・・自分だけではない他者への祈り 作る人の祈り、使う人の祈り、そのどちらも受け止める事が出来る「どちらの祈りも受け止める存在」であるものが良いなあと、私は特に最近感じます。不景気やコロナ、戦争・・・のせいで余計にそう感じる

民藝論と仏教的思想と美、矛盾と実績

柳宗悦は、当時は審美的な価値が無いとされた雑器などに「民藝」という概念を創出し、その美を…

美に特性は無い

私は美を以下のように把握しております。 これはいわゆる学術的な美学に依存しない美の把握方…

技法や方式自体を目的化・価値化しても創作的な質が保証されるとは限りませんよね

伝統に関わる何かしらの物や事、そして地域の特産品などの品質を一定以上に保ち続けるため、何…

強みでは無いところを押し出しても・・・

今回は、キモノの良さを伝えるのは難しいですな、という話題であります。 例えば キモノ姿で…

現代の手作りの和装を身につけるということ

布に芸術として自由に絵を描き、それを服にし、身につけるのではなく 素材と人間が向き合い、…

わたくし、人為・人造物にホンモノもニセモノも無いと考えます

良く、ホンモノ・ニセモノの議論が起こりますが、私は表題に書いたように、本来的には人為・人…

現場の勢いが作物に乗る

先日、オーストリアでピアノの調律師をしている日本人の方の番組をYou Tubeで大変興味深く拝見しました。 内容は、ぜひ上記のYou Tubeをご覧になっていただいて・・・ ザックリ説明しますと、 調律師の方が、普通一般で言うキチンと調律/調整を行ったピアノに対してピアニストが「こんなにバランスがとれてキレイな音が出るピアノでは私は美しい音楽を作れない」と文句を言って来た、戸惑った・・・というようなものです。三種類の話が語られています。 ピアニストのグレン・グールドが