見出し画像

若い自分への先輩からのアドバイスは、取り敢えず聴く方が良いが、的外れな事もあるので良く検証してから受け入れるのが良い

若い頃は、様々な分野で仕事をする年長者の方々から、色々なアドバイスを受けます。

そのアドバイスは、現場の経験者のリアルな体験や知識から導き出した意見ですから聴く価値がありますし、同じ業界の後輩である場合は立場上、取り敢えず謙虚な態度で聴いておいた方が世渡りし易いのは当然です。

逆の立場で考えて想像すれば、自分が先輩で、後輩にアドバイスをした際に聴く態度が悪ければ気分が悪く、その後輩を可愛がろうとはしなくなりますからね。

が、若い人たちは、自分が認めている、尊敬している先輩や師匠であっても毎度適切なアドバイスが出来る訳ではない、という事も知っておくと良いと思います。

もちろん、上記のように基本的には素晴らしい仕事をする先輩や師匠であるなら、その教えは的を射たもので、若い自分には汲み切れない程の奥深さを持つ事が多いのですが・・・

しかし、素晴らしい仕事をする先輩や師匠と言えど、いつもいつも後輩の様子の詳細まで観る事は出来ませんし、何を考えているかを把握出来ているわけではありません。また、先輩や師匠と大きく世代が離れている場合は後輩の新しい試みを理解出来る程の先見性を持っていない場合もありますし、アドバイスをしてくれた時の精神状態が偶然、運悪く良くない時だってあります。そんな時のアドバイスは、的外れなものになるのは当然です。

「信頼出来る先輩や師匠からの的はずれなアドバイス」・・・これが結構危険なので注意が必要です。

やる気のある後輩へ何かしらのアドバイスをしてあげたいと思う真面目な先輩の場合、アドバイスを求められながらも問題点を見出だせない場合はアドバイスしないのを悪いと思うのか、先輩としての見栄が発動するのか「ワザワザ文句を作り出してしまう場合もある」・・・それは基本的には「何か言ってあげたい」という良心からなのですが、当然そのアドバイスは適切なものではありません。

何も言う事が無いなら「自分が観た限りでは現状は問題を見出だせないな」と常に言える人もおりますが、それは意外に多くはありません。普段はそういう人でも、たまたまその時だけ余計な事を言ってしまう時だってあります。

それで真面目な後輩は、直さなくても良い所を直してしまい全体のバランスを崩してしまう事があります。

もちろんそのアドバイスをした先輩にはその狂いを修正する力はありません。問題を捏造してしまったのですから。

やる気のある後輩と真面目な先輩ゆえにそのような事が起こってしまう事があるのです。

パワハラやモラハラ系の先輩や師匠なら、常時何か難癖を付けて来ますから「そういう人だからな」という警戒心から、逆に対処もしやすいですけどね・・・

また、頼んでもいないのに余計なアドバイスを押し付け、それをやってみたかとシツコク問うて来る先輩も迷惑ですよね。そういう人からは、可能ならなるべく距離を置くのが吉です。

話が少しズレました・・・

もうひとつ危険なのは、後輩が少し落ち込んでいる時に、たまたま上記の良心的な先輩の「本当は欠点は無いけども良心からアドバイスを捻り出した」その言葉が変に刺さってしまう事です。

人間の心は不思議なもので、普段なら「今日の先輩は変な事言うなあ」と軽く受け流せるようなものであっても、何かの拍子に心に深く刺さって影響を受けてしまう事があります。

そうなるとその「先輩が実は論拠無く取り敢えず言っただけのアドバイス」で、その後輩の仕事に関する心が壊されてしまいます。

後輩と先輩の、どちらも悪意の無い日常の会話をしただけなのに、それによって後輩の大切な発見や試みが壊されてしまう。

そのような事は意外に良くありますので、何か新しい試みをし、それを先輩や師匠、友人などに意見を求めた際に違和感を感じるなら、自分の試みや考えをアドバイス通りに変更するのは、少し時間を置いて良く確認してからの方が良いと私は考えます。

何にせよ、良いアドバイスと良くないアドバイスを見分ける力、余計なアドバイスを相手に失礼無くスルーする力は大切ですから、それはかなり意識していた方が良いです。

もちろん、その業種の、どの工房でも必要な基本であるとか、その工房独自の基本的な作業などなら、それは後輩である自分の意見や感覚など関係なく、とりあえずはそれをしっかり身に付ける事が最初にやるべき事です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?