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【理念で売るコーヒー #12】「バリスタ」のいないコーヒー屋さんが支持される理由。

2022年10月10日。
東京・文京区に拠点を構えてから1年が経ちました。

いろんなご縁があって、完成したこの空間。1年でたくさんのご縁に巡り合いました。場所があることでいろんな出会いと可能性が増えました。効率重視だったらお店なんてそもそも構えてません。でも前職のつながりから生まれたこの場所は、きっとみんなにとって日常の希望になってきた自負があります!

また1周年に合わせて、新たに始めたビカスグリーンのドリンクチケット。2ヶ月合計196杯=5.93本の木を植えることができました。日常で飲むコーヒーが、3年後のコーヒーに生まれ変わる。これからもBIKAS COFFEE 東京・江戸川橋は今と未来を紡いでいく場所でありたいと思っています。

「バリスタ」も「店長」もいないコーヒー屋さん

そんなコーヒーを届ける場所にあって、BIKAS COFFEEには「バリスタ」「店長」という肩書のスタッフが存在しません。

バリスタ(BARISTA)とは、コーヒーに関する知識と技術を持ち、喫茶店やカフェ等で、お客様からの注文を受けて、エスプレッソをはじめとするコーヒーを淹れる職業のこと。

そもそも僕たちのお店には、エスプレッソマシンもなければ、広くコーヒーの知識を持ち、適切な技術でコーヒーを提供できるプロの人材がいません。それでも確かに「コーヒー屋さん」として僕たちはここに存在し、日々僕たちのコーヒーを飲みに来るお客さんが絶えません。

そんなコーヒー屋さんになぜ人が集まるのか。僕たちはここを「コーヒーショップ」という捉え方をしていないことに鍵があります。

「私たちはApple Storeをもはや『店舗』とは呼ばず、『街の広場』と呼びます」
アップル:アンジェラ・アーレンツ上級副社長

かつて、アップルは上記のコメントを報道向けに発表しています。上記のコンセプトに気付いてからスタッフの創造性が高まり、アップル製品を販売する場所ではなく、彼らのやりたいことを表現できる場所になったと言います。

同様に私たちもBIKAS COFFEE 東京・江戸川橋は「コーヒーが飲めるお店」「カフェとしての空間を届けるお店」というコンセプトではなく、「BIKAS COFFEEを飲む体験ができる場所」と捉えています。だからあえて「バリスタ」も「店長」も役割として設けていません。

日々考え続ける「BIKAS COFFEEを飲む体験」

東京・江戸川橋に拠点ができてから【味を気に入ってもらうのではなく、届ける理由や世界観を好きになってもらうこと】を目指してコーヒーを届けてきました。

その問いに向き合い続けて1年。様々なイベントやコミュニケーションを通じて、BIKAS COFFEEのストーリー(価値観・世界観)を理解しながら、コーヒーを飲んでくれる人は増えました。しかし、果たしてそれは「BIKAS COFFEEを飲む体験」になっているのか?新たな問いが生まれました。

僕らは、ストーリーを届けたいのではなく、BIKAS COFFEEを飲む人とのストーリーをつくりつなげてゆくこと。それが僕たちのありたい姿です。

BIKAS COFFEEを届ける過程で、飲む人の体験を引き出すこと。これが何より重要なことだと気づきました。

誰に言われたわけでもなく、何気なく好きでやっている行動を認め、促すこと。そしてその行動を社会から認められる行動につなげてゆくこと。この価値観を大切にしている僕たちは日々のコミュニケーションの中で、自然とお客さんに問いを立てていきます。

なぜここに来たのか?
何者なのか?
昨日何したか?
今日何するか?

自分のことを話すことも、誰かの話を聞くことも、そのヒトにとって大切にしていることを認め促されることで自分の「BIKAS(発展)」に気づく。そんなシーンのかたわらには必ずBIKAS COFFEEがありました。

これが「BIKAS COFFEEを飲む体験」なんだと僕らも気づかせていただきました。

好きなことを仕事にするライフワーク

そんな「BIKAS COFFEEを飲む体験」を届けるのに、コーヒーのうんちくを語るバリスタやオペレーションをゴリゴリ回す店長は必要ありません。必要なのは、目の前のお客さんに興味を持ち、何気ない日常の会話から「好き」を拾い、相手を「BIKAS」させてゆくこと。

BIKAS COFFEEを提供する僕たちは、それが得意です!

常連さんには接客をしないで遠慮なく問いを立て、会話の中からワクワクするアイディアを生み出すブランドマネージャー

好き嫌いがはっきりするが故に態度と顔に出てしまうこともあるがその人への愛だけは忘れないコミュニティマネージャー

毎日モモ(ネパール餃子)を食べながらネパール人と電話しているぐらい変態的にネパールが大好きなネパールコミュニティマネージャー

もはや人生の一部であるBIKAS COFFEEの隣の事務所に転職を果たし「好き」とともにスキに生きるコミュニティリーダー

フォトグラファーとしてネパールに行くがおしゃべりが好きすぎて喉を枯らし大事な日に熱を出して写真が撮れないアートディレクター

自分は何が好きで何が得意で何者であるかまだわからないけど自分という人生に向き合い続けるビカスユース

仕事とは本来ポジションで切り取って生まれるものではなく、人と人との関わりの中で生まれる役割だと思っています。だからBIKAS COFFEEで働くスタッフはお互いの関係の中で生まれる「ありたい姿」そのものを肩書に据えます。

「なぜここに来たのか?」をお客さんに聞く僕たちは逆に「なぜここに立ってコーヒーを淹れているのか?」とよく聞かれます。もともとバリスタや飲食で働くことに興味があってここにいるスタッフが1人もいない僕たちは、そのギャップから「なぜか」を必ず語ります。ライフワークとしてここに存在する僕たち一人ひとりのあり方を知ることが「BIKAS COFFEEを飲む体験」の入り口なのかもしれませんね。

世界でチャンピオンをとったどんな優秀なバリスタでも出せないコーヒーを届けている。そんな「コーヒー屋さん」で僕たちは働いています。

ブランド設立3周年を迎えるにあたって

そんなBIKAS COFFEEは2022年12月8日でブランド設立3周年を迎えます。理念はあったものの、味のなかったBIKAS COFFEE。3年で実は結び、たくさんの人の想いが詰まったコーヒーへと発展しました。皆さまの日常にも「BIKAS」のある生活を東京・江戸川橋をはじめ、ハルパン村から、ネパール・ポカラからこれからもつくりつなげてゆきます!

2022.12.3
BIKAS COFFEE
ブランドマネージャー
菅勇輝 / ビカス




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