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友人を幸せにするための3か条

PCの電源が急に入らなくなり、半年ほどバックアップを取っていなかったため、仕方なく業者にバックアップを依頼。この機会にいろいろ整理しようとフォルダをあけていくと、

結婚式 挨拶

というフォルダを発見した。自分の結婚式のデータは別にあるし、何を保存したかわからず開くと、ワード名が「友人を幸せにするための3か条」だった。多くの結婚式に参加させてもらい、幸せのお裾分けをしてもらっていた中、たった1度だけ、友人代表のあいさつを賜ったのだ。

ありがたいやら、恥ずかしいやらでてんやわんや。何をしゃべろうかと考えすぎて、眠れぬ夜を過ごしたことを思い出した。書いては削除し、読み直しをした下書き原稿だった。間違えないように紙をみてしゃべることも考えたが、せっかくなら、友人の目をみて語り掛けたいと思い、当日はかっこよくあんちょこなしで臨んだ。なので、実際はこの原稿どおりにしゃべれたか定かではないが、純白のウェディングドレスに身を包んだ友人が涙していたのは覚えている。

10年前に自分で書いたあいさつ文を改めて読み直してみると、友人との思い出が走馬灯のようによみがえり涙ほろり。なんやかんやとお互い忙しく、住む場所も遠く離れてしまったため、コロナどころか7年ほど前から会えてない。友人代表のあいさつまでした仲だったのに、さみしいもんだ。このあいさつ文をネタに久しぶりに連絡をとってみようと思った。

友人を幸せにするための3か条

太郎さん、花子さん(仮名)、そして、ご両家ならびにご親族の皆さま、本日は、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。
私は、花子さんと10年来の友人のゆきんこと申します。
花子さんとの出会いは2000年フランスのパリでした。というとちょっとしたドラマにもなりそうな出会いですが、本当のことをいうとパリのさびれた安宿で偶然出会いました。第一印象は皆さんご存じのとおりこのかわいらしい見た目。小さくてお人形さんみたいだなと思ったことを覚えています。
お互い、一人旅をする者同士であったわけですが、最初の印象は一人旅をするようにみえない!でした。しかし、このかわいらしい見た目とは裏腹に、彼女は、はっきり言って男気があります。とにかく頼もしい。小さいことにはこだわらず、また誰とでも分け隔てなくつきあえる大きな広い心。ちっこいのに存在感はばっちりです。そして、思い立ったら吉日といわんばかりの行動力に、何か同じにおいがしました。同じにおいにひきつけられるように、東京に帰ってから私から連絡をしてしまったくらいです。旅先での出会いは、また会おうねと言いつつも、そのときだけの関係で終わってしまうことが多い中、馬があったようで、本日まで途切れることなくこの偶然の出会いは続いております。

一人旅での出会いということもあって、花子さんとは今まで、パリ、上海、タイ、ベトナム、台湾横断旅行などと2,3日ではなく、長期で旅をしてきました。
その間、一度もケンカすることなくおそらくイライラされることもなく、仲の良い関係を築いてきたと自負する私から花子さんと仲良く過ごし、かつ花子さんが健康でいられる方法を本日は太郎様に伝授したいと思います。人間が生活していくうえで基本的な要素の3つ“衣食住”で今日は花子マニュアルを考えてきました。


第一に衣。人は見た目では判断するなとよく言いますが、花子さんの場合、目に見えるものは非常に大事になってきます。それはなぜか?花子さんは、美をこよなく愛します。
そこで、太郎様はいつまでも新鮮な気持ちを忘れず、家でもきちっと身なりを整えて、花子さんの目を潤い続けてください。目にうるおいをもたせることで花子さんの視力は向上するはずです。


第二に食。花子さんはおいしいものを食べるのが人一倍好きです。なので、太郎さまも、きっと、花子さんが大好きなスイーツやおいしいお米を食べているときはその幸せな顔をみて、こころゆくまで食べさせたい!と思うことでしょう。ですが、それは危険です。花子さんがとめどなく食べ続けていたら、きりがいいところでストップをかけてください。花子さんは人より満腹中枢にちょっと遅れが出ており、満腹だよと脳から司令が出るのが遅いばかりに食べ過ぎてしまい、身動きがとれなくなり、しゃべることもままならなくなります。ここらでやめておこうとやさしくストップしてください。そうすることで花子さんの健康を維持し続けることができます。ちなみに、お米は「あきたこまち」が好きなはずです。


第三に住。花子さんは寝ることが大好きです。寝心地のよい布団を用意してあげてください。そして、眠りの邪魔だけはくれぐれもしないように。たまに、おもしろい寝言を言いますが、それには決して答えないでください。私は旅先でよく返事をしてしまいましたが、返事をすることで快眠をさまたげるので寝ているときは見ざる言わざる聞かざるでお願いします。そうすることで次の日、花子さんは気持ちよく目覚めることができ、きっとおいしい朝ごはんを作ってくれることでしょう。

ここまで話してみて、あまり女性らしいことを言えてなかったので、最後に、一言。もし、花子さんの女の子らしい行動を見たいと思うのであればハトがたむろしている上野公園に行ってみてください。
きっと、太郎さまを頼って、抱きついてくるはずです!
その時は、花子さんをやさしく抱きとめてあげてくださいね!しかし、ハトがいようといまいとこれからは花子さんのボディーガードになってあげてください。

役に立ったかどうかさだかではありませんが、私はこれで花子さんと馬があう関係を続けてきました。花子さんがカメやうさぎだったらこの10年間の楽しい旅の思い出はなかったと思うのででお互い馬同士でよかったなあとつくづく思っています。

太郎様も花子さんのよき名馬?いや、よき伴侶になられ、二人で力をあわせ笑い声のあふれる幸せな家庭をきづいてください。
花子さんとはこれからも今まで通りお付き合いしていきたいとと思っておりますので、どうぞ、この日を縁に太郎さまともお付き合いさせていただきたくお願い申し上げます。
簡単ですが、今日からのお二人の人生が幸多いものとなりますようにお祈りし、花子さんと幸せに過ごすための3カ条の〆といたします。
本日は誠におめでとうございました。どうか、いつまでもお幸せに・・・



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