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ビャンが好きすぎて

ビャンの圧がすごすぎる

ビャンとの出会いは、シルクロードの旅の終着点「西安」。

お腹すいたな~と街中でうろうろしていたとき、提灯に「ビャン」の文字を発見。パソコンで変換できないビャンの文字がこれ↓


ビャンと読む

あまりにごちゃごちゃしすぎてて、文字かどうかも定かでないほどだが、こちらに訴えかけてくる圧がすごい。ものすごい画数に目が離せない。
読み方なんてわかるはずもなく、もちろん一度見ただけでは絶対に書けないし、覚えられない。一緒にいた中国人にもろもろの自分の質問をなげかけたところ

「ビャンビャン麺っていうんだよ。ほら、今、麵を打っているビャンビャンって音が聞こえるだろ?そこから名づけられたようだよ」

ビャンビャンではなく、バチンバチンに聞こえるんだけど・・・と思いつつ、擬音語は文化の違いで聞こえ方も違うのでそこはスルー。

外から厨房をみると、こねた生地を両手でびろ~んと伸ばして、バチンバチンと打ち付けている。あ、中国人的にはビャンビャンか。

味噌とスパイスが混ざった甘辛い感じの香りに誘われ、店内へ。

刀削麺のようなもっちもっちの食感、幅広で食べ応え抜群の麺。
甘辛いひき肉炒めと卵とトマト炒め、刻み葱をぐっちゃぐっちゃに混ぜて食べる。これがうまいのなんの!

その日食べたビャンビャン麺は山椒がバリバリきいていて、しびれがすごかったが次の日にいった店は甘辛い味付けで日本人好み。

西安にいる間、毎日ビャンビャン麵の店を食べ歩くほどはまってしまった。

西安で食べた卵とトマト炒めのバランスが絶妙なビャンビャン麺に出会った

日本に帰国後、西安に行きたいというよりもあのビャンビャン麺が食べたい病が発病し、頭の中はビャンの文字でいっぱい。とはいえ、ビャンビャン麵だけを食べに西安に行くなんてセレブリティーなこともできないため、東京でビャンビャン麵を探し、食べてみた。

が、あの西安のビャンビャン麵の味とは何かが違う。
やはり西安にいかねばあの味に出会えないのか・・・とたまたま大阪駅近くの路地裏を歩いていると・・・・あああああ!!!!

提灯にビャンの文字!

香聞記

もはや、文字を見ただけでうっとりするほど虜に。

全く並んでないし、店内をガラス越しでみてもカウンターに男子2人がいるだけでかなりすいている。普段であれば、この時点で、
ガラガラ→人気ない→おいしくないに違いない
となり、入るのをあきらめるのだが、「ビャン」は別格。

たいしてお腹もすいてなかったが、愛すべきビャンビャン麵をいただくため、いざ入店。

中国人っぽいおじさんが一人で切り盛りをしている。真っ白いエプロンがいい塩梅で汚れているのがまた地元感を醸し出す。初めてのくせに、さも常連のような口ぶりで
「ビャンビャン麵全部のせ、おひとつお願いしま~す」
というとにっこり。

店内には中国の羊串につけるスパイシー香辛料の香りが充満。この香りだけで食べたくなる、魔法の粉。この中毒性たっぷりの魔法の粉を扱っているとは!否が応でも期待が高まる。

いよいよ、登場!


ビャンビャン麺

ぬあんと!あの羊肉につける魔法の粉がのっているではないか!
ビジュアルから完璧すぎる。
まずは、びろ~と伸びる麺から。もっちもっちの麺に辛味タレがよく絡み、箸がとまらん、いや麺をすする口がとまらん!
ひき肉とクラッシュピーナッツをあえて作ったタレがやばい。なにこれ、ちょっと法律的にやばいものが入っているのか?中毒性が半端ない。
そして、極めつけは卵とトマト炒め。
ニンニクがきいて、中国で食べた味そのまんま!

ということで、大好物の卵とトマト炒めを一瞬で完食してしまったため単品で注文。


卵とトマト炒め

卵とトマト炒めって家で簡単にできそうだけど、この絶妙な卵とトマトのとろみは早々作れない。火力か?大鍋か?腕前か?
卵とトマト炒めがおいしい中華料理やさんは、全メニューはずれなし。
ということで、もうお腹のスイッチが入りまくり、止められないので、さっきから鼻腔をくすぐりまくる魔法の粉をたっぷりと堪能できる羊肉も注文。


羊肉。このスパイスの中毒性は何?!

おおお!ウルムチで食べた羊串の味そのまんま。
羊の臭みをスパイスで強引に消している中国らしい料理だけどそれがまあおいしいのなんの。この魔法のスパイス、見た目は真っ赤っかでさぞ辛そうに見えるかもしれないが、見た目ほど辛くなく食べているうちに甘味さえ感じる。食べれば食べるほど、もっと欲するスパイス。これ、やっぱり何かヤバい何かが入っているに違いないと今でも思うほど、中毒性がすごい。お皿に残ってしまったスパイスももったいなくて、お行儀悪いけどペロッと食べたくなるほど。

と、夢中で食べていて気付かなかったが、店内にはとうとう私一人。
一人でこれだけの量を完食してくれたことがうれしかったのか、おじさんが
ピーナッツをそっとテーブルに置いてくれた。


ピーナッツは病みつき必至

山椒と唐辛子まみれのこのピーナッツはなんでしょ?
と一口食べると・・・

こ、これは!!!!
絶妙なシビ辛ではないか。
ピーナッツの香ばしさ、山椒の香りと唐辛子のピリッとした後味。これも中毒性が!!!!!このお店やっぱり何か人を虜にする魔法の粉を入れているに違いない。これだけ食べてもまだ食べたいと思うのは異常。
とはいえ、さすがにもうはちきれんばかりに食べていたので、完食はあきらめ、お土産にしてもらった。ビニール袋というのが現地っぽい。

やっと自分好みのビャンビャン麵が食べられる!
しかもやさしいおじさん付き。
混んでないし、こりゃ穴場的な店みつけちゃったぞ!とスキップして帰った。

が、ここでやってきたのがコロナ禍。
行きたいのに行けない日々。
ようやっと2年ぶりに再訪したら・・・

閉店していた。混んでないのを喜んでいた自分を戒めた。

食べれないと思うと、猛烈にビャンビャン麵が食べたい。
いや、おじさんのピーナッツのお通しが食べたい。
あああ!わたしのビャンビャン麺・・・

ビャンビャン麵口になっていた口をどうおさめたらいいの!
麺といってもラーメンじゃおさまらない。
じゃあ、海外グルメかといってベトナムのフォーのあんなやさしすぎる味じゃ私の口はおさまらない。

がっつり小麦粉感じるビャンビャン麵が食べたい!

と海外グルメならカルディと思い付き、行ってみる。
刀削麺くらいならあるかな~と物色していたら、な、なんと!ビャンビャン麵が赤光り!

インスタントとあなどるなかれ!カルディ「ビャンビャン麵」


カルディのビャンビャン麺

うそでしょ?いつからビャンビャン麵の販売を始めたのだ。
近所のカルディにはなかったぞ。都心のカルディ限定か?

とぶつぶついいながら、5つすべて買い占めて帰宅。
いや~ビャンビャン麵も日本で乾麺として売られるほどいつのまにやらメジャーになっていたとは。感無量。

早速、開封の儀。本場に比べると太さが足りないような気もする。


が茹でてみるとぷくぷくと膨らみ、ボリューミーに。

分厚いのでくっつかないように切れないようにゆっくり箸でかきまぜること11分。ようやっと完成。讃岐うどんの乾麺は15分茹でたから、同じくらいかと思いきや若干茹で時間が短いのがうれしい。

ひとまずシンプルにもやしやらと一緒に器にいれて付属のタレで食べてみた。


お手製ビャンビャン麺

もっちもっちはしているけれどもタレが麺にまったく絡んでくれない。
ひき肉を入れたり、トマト卵炒めを作れば、味を再現できるかもだが、めんどくさい。ということで、中華料理の味を決める、ラー油をたらりとたらし、かき混ぜて1分放置。
再度、食べて見ると、おおお!タレがからみ始めた。

やっぱり中華料理は油が命な。

ということで、ビャンビャン麵を広めるべく、カルディビャンビャン麵を
友達に会うたびに手土産で渡し、買い足そうとカルディにいったら・・・ナッシング。

店員さんいわく、いつ入荷するか未定とのこと。他のカルディにあるのか?と問い詰めるも洋服やのように他店舗の在庫を調べるサービスはないとな。

またビャンビャン麵難民になってしまった・・・

ビャンビャン麵に奪われた心をどう落ち着けたらいいの!

ということで、ビャンビャン麺好きのくせに、いまだに実際の漢字をみないと書けないなんて知られたら、素っ裸みられたようで恥ずかしいから、「ビャン」の文字をそらでかけるように練習しよう!というところで落ち着くことにした

あなかんむりの下がごちゃごちゃすぎてバランスがとれない「ビャン」

まず第一関門は書く順番。
あまりにも画数が多く、長、馬、長とか言、月などごっちゃごっちゃに無理やり入れただろ感があるから迷う。

小学生のときに書く順番みたいなの習ったな~とグーグル先生にきいたら、動画発見。ご丁寧にありがとうございます。

ビャンの書き方

やっぱりあなかんむりからスタートね。
で、その次は月にいくかと思いきや、
幺、言、幺でその次がセンターの馬???
バランスをとるにはセンターを先に書けと?
そのあとに月、右側のりっとう、心を下にそっと書いて、しんにょうでがっこよくフィニッシュ!

なんだけど、覚えるうんぬんの前にバランスがすこぶる難しい。
書いているうちにごちゃごちゃ部分がでぶっちょになり、心で支えられなくなる。あなかんむりに全部おさめようとすると無理やり感がでる。

格闘すること1時間の成果がこちら。

いいじゃん!(←自己肯定感が最高に高い人)

いい出来栄えは誰かに自慢したい。マウントとれるとしたら誰か?ということで小学6年生の甥っ子に白羽の矢をたてた。

ゆ「ねえねえ、びゃんって漢字かける?」
甥「は?聞いたことないけど、小学校じゃ習わないのかな~」

とここで、自慢げにびゃんを披露。
最高のどや顔で甥っ子をみると

甥「これって日本語なの???」

いいとこつくじゃな~い!

ゆ「いい質問ですね(←池上先生の真似)。この文字は西安の料理、ビャンビャン麵でのみ使われる漢字であります」

甥「・・・・・」

甥「受験にも関係ないし、西安にいかないと使わないってことは覚える意味あるの?」

ごもっとも。というか、こんなすごい画数が多い文字をキレイに書いたことにすげ~ゆきんこ!って言ってもらいたかっただけなんだけど、中学受験を控えている甥っ子にしたらどうでもよいらしい。

ゆ「人生無駄なことはなにもないのだよ。長い人生、いずれ役にたつことがあるかもしれないよ」

や、やばい。めちゃくちゃ叔母としていいこと言ったんじゃないか!とほくそ笑んでいたものの、最近、急に大人びた甥っ子は

甥「昔から思っていたけど、やっぱりゆきんこってちょっと変わっているよね。お母さんとも全然違うけど、友達のお母さんでもいないもん」

ビャンが書けるようになった結果、甥っ子に改めて変人扱いされただけであえなく終了。

ちなみに、閉店していたビャンビャン麵のお店は、アジアン居酒屋NARI屋というしゃれたネーミングのお店に。がここで朗報!な、なんと元の店のビャンビャン麵も提供していることが発覚!

ひゃっほ~い!

せっかく書けるようになったし、次回来店時は、紙に書いてオーダーしてみよう!
待ってろよ~ビャンビャン麺!

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