イスラエル・ウクライナ支援法可決へ 下院共和党は納得するか?
米国議会、ついに動く
衝撃的なニュースを目にしました。
しかし残念ながら下院での採決はこれまで難色していたのです。
なぜなら下院は野党・共和党が過半数を占めているからです。
上院:民主党
下院:共和党
大統領:民主党
このように民主党にとって、
このねじれ議会は政策にとっても悪影響を及ぼします。
ただついにジョンソン下院議長が動きます。
ジョンソン下院議長はウクライナ支援とイスラエル支援を別途、
法案としてそれぞれ協議する姿勢を貫いています。
なぜなら共和党自体はウクライナ支援が継続していることに否定的であり、
イスラエルは共和党支持者の方が支持していると言えます。
つまり党派を超えた協力ができず対立が続いている実情があります。
民主党→ウクライナを支持、イスラエル・ガザに関しては基本イスラエル支持も、ガザ地区に対するイスラエルの攻撃には反対
バイデン大統領→基本、イスラエル支持。しかし与党内のバランス調整が不足
民主党(極左)→イスラエルの攻撃に反対、ガザ地区の人道的支援を優先
共和党→ウクライナへの無償支援に反対、イスラエルを支持
この問題の背景には共和党の支持基盤であるユダヤ系の方々に対する
アピールを行う必要があり、民主共和共に難航しそうです。
ジョンソン下院議長の支持基盤が課題
ウクライナ支援は党内支持基盤が弱いジョンソン下院議長にとっては
難しいことだといえます。
現在、ジョンソン下院議長は先日の予算成立が決まったことで、
下院の保守強硬派は民主党に妥協したジョンソン下院議長の
解任動議を提出しました。
もし保守強硬派と民主党が協力すれば、
再び下院議長の解任もありえるでしょう。
つまり党内の保守強硬派(トランプ派)が
解任の主導権を握っていることもあり、
民主党への譲歩がなかなかできない状況です。
トランプ前大統領もウクライナ支援の発言に変化
ここで注目したいのはトランプ前大統領の発言です。
トランプ前大統領はこれまでバイデン政権のウクライナ支援に
反発していました。
バイデン政権はウクライナ支援に対し、2年間も
お金を費やしてきました。
もちろんロシアに対する覇権を食い止めるためですが、
国内のインフレに困る中で、ウクライナに多大な金銭的な支援をする
現政権にアメリカ国民はどのような反応するのでしょうか?
これまた難しいことですが、少なくとも共和党は
政府支出を減らすために、反対するでしょう。
またウクライナロシア戦争は2年以上の月日を迎えますが、
プーチン大統領は選挙で再選し、
任期があと6年もあることから、和平や停戦交渉は
いつ訪れるのか? ここもポイントになると思います。
イスラエルの戦況
ハマスがイスラエルを侵攻しあれから半年が経ちました。
2023年10月7日に起きたイスラエルとパレスチナの戦争は
死者3万人を超え、両国間及び両地域間の争いには
流血が避けられない状況となっています。
ガザ地区は国際的立場の中でパレスチナの自治区であり、
国としても立場はありません。
これまでもずっと国連の人道的支援を受けてきたガザ地区ですが、
人口200万人を超える場所に、総面積は365平方キロメートルと
東京ドーム78個分に200万人を超える人口がいるなど、
極めて人口密度が高い地域といえます。
中東情勢に関してはアラブの春、いわゆる専制主義政権のトップが次々と
地位を失う中で、中東諸国は欧米のような主義をモデルとせず、
いまだ独自体制を貫いています。
つまり欧米の望む状況にはならず、中東の火薬庫は今回の戦争を含め、
爆破せざるをえないということです。
現にイランは今回の問題に対し、第3国の立場でありますが、
大使館の攻撃に対し報復措置を取りました。
イランはシリアのイラン大使館がイスラエルの空爆によって、
13人が死亡したとされ、その報復としてイスラエルに
一時的な軍事攻撃を行いました。
イランの攻撃は今回限りとされます。
ただイスラエルもまた報復措置を取るこ
言われておりますが、
果たしてどうなるか注目です。
イスラエル→ハマス(ガザ地区自治政府)を殲滅する
ガザ地区→国連の人道支援にも限界・避難民(ガザ南部の避難施設)
イラン→イスラエルとの関係が悪化(エスカレーションするリスク)
ウクライナの戦況
続いてはウクライナの現状についてです。
まず米国の下院議会によって、上院でウクライナ支援法案が通過しても、
下院では残念ながら否決され、法案が成立しない実情があります。
バイデン政権が上院も下院も多数派が民主党だったのは、
2022年の12月までで、2023年初旬からは下院の多数派は
共和党となりました。
【歴代下院議長・バイデン政権1期目】
ナンシー ペロシ(民主党):~2023年1月3日
ケビン マッカーシー(共和党):1月7日〜10月3日
マイク ジョンソン(共和党):10月25日〜(現職)
ペロシ氏が下院議長時にはウクライナ支援は
成立し続けていましたが、マッカーシー下院議長時代は
なかなか成立ができなかった実情があります。
それでも新年度予算成立をめぐり、
共和党の保守強硬派の造反+民主党によって、
マッカーシー下院議長は解任されました。
つまり保守強硬派によって、議会の主導権は握られてしまったも
等しい実情があります。
その中でウクライナ支援をホワイトハウスは求めていますが、
依然として難しいでしょう。
ウクライナも支援が枯渇し、近年はロシアの方が
より攻勢に出ているという報道もあります。
戦争から2年以上経過し、多大なるエネルギーを使う戦争で、
これから先情勢はどのように変化するか?
見極めたいところです。
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