【解説】緊迫の中東情勢。動くイラン、反発する欧米。日本の中東外交は中和剤になるか?
イランとは?
イランは我が国にとって無視できない存在である一方、
外交には礼節を持って接するべき国です。
もちろんG7との関係もあり、
イランの行為は全てを容認はできないのですが、
しかし日本が推進する中東外交において、
イランを理解することは不可欠でしょう。
【イランの基本情報】
人口:8,920万人(2023年、世界人口白書2023)
面積:1,648,195平方キロメートル
首都:テヘラン
政治指導者
【最高指導者】
セイエド・アリー・ハメネイ師(1989年6月)
【大統領】
セイエド・エブラヒーム・ライシ
【外務大臣】
ホセイン・アミール・アブドラヒアン
人口8900万円であり、天然ガスなどの資源が豊富であるイランは
多くのポテンシャルを秘めている一方で、政治的には反米路線は
現時点で変わりません。
イラン最高指導者とは?
さて私たちに馴染みのない最高指導者とはなんでしょうか?
Wikipediaによると以下の権限があります。
監督者評議会のイスラーム法学者6名の選出権。
最高司法権長の任命権。
国軍の最高司令官としての権限。
革命防衛隊の最高司令官としての権限。
大統領の解任権。
国営テレビ・ラジオ局総裁の任免権。
イスラム革命防衛隊総司令官の任免権。
宣戦布告の権限。
いわゆるトップの人事と軍のトップを握るのが
ハメネイ師なのです。
しかしイランの最高指導者との接触は各国にとっては
表舞台に立たないことから困難であり、
外相や大統領との接点でしかできないのです。
そうなると、本当に外交安保上、関係を詰めていく国々との交渉は
まさしく困難といえます。
中国でも首相より習近平主席との会談の方が
意思決定の権限の量が全然違うことから、
習近平主席との接触が外交上求められます!
このように権限を持つ要人との接触は
中東外交では欠かせない存在なのです。
核保有と中露外交
イランにとって自国の防衛であり、
G7にとっては難色が示されるのは
間違いなく核ミサイルです。
近年、イランはトランプ政権からバイデン政権に移り、
反米路線を強めています。
特にイスラエル・ガザ地区の問題にて、
背後にあると言われるイランの存在は欠かせないでしょう。
さらにイスラエルがイランの大使館を攻撃したことを受け、
イラン側はイスラエルに報復を開始します。
さらにイスラエル側が今度は報復するなど、
中東は刻一刻と悪化しています。
アメリカとイランの関係が悪化する中、
イランは中国やロシア、北朝鮮との外交を推進しています。
まず中国は昨年、イランとサウジアラビアの国交回復に尽力し、
見事に関係改善の成果を手に入れました。
これは大きな衝撃的なニュースでした。
サウジアラビアでイスラム教シーア派の指導者が処刑されたことがきっかけで、
エスカレートし、2016年に国交断絶された両国が
再び正常化したことは、衝撃的なニュースです。
しかも日本やアメリカでなく、中国が間に入ることで、
今日の中東情勢にも一定の変化があったと言えます。
その後、イラン側がイスラエルに報復するのに対し、
中国に伝えたとみられます。
さらにロシアとの国防相会談をはじめ、
北朝鮮との外交もまた深めています。
このような状況下にあって、中東は火薬庫と言われる場所のため、
いつ爆発されるか分かりません。
しかし同時にイランを批判するG7諸国の中で、
唯一のアジアであり中東との関係が良好な岸田政権が
行うのは、制裁と同じ中和剤の役割でしょう。
軍拡を抑制するために中東情勢の学びを深め、
リテラシーを少しずつ高めるように
私たちは心がけていくべきだ。
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