経済政策が争点にならない参議院選の不思議

 消費税の増税が参議院選挙の争点になりそうだというのだが、不思議な話だ。
 消費税率の10%への引き上げは既定の方針であり、これを覆すということになれば、様々な政策の見直しが必要になる。
 年金について言えば、2014年財政検証での約束(所得代替率50%以上を確保する)が実現できないことになる。

 では、消費税率引き上げ反対論は年金の切り下げ(または保険料率の引き上げ)を許容するのかと言えば、そうではない。むしろ、年金を充実させよと主張する。これは不可能だ。不可能なことを選挙の争点にしてもしようがない。

 年金に関して本当に問題になるのは、財政検証で想定されているような高い実質賃金伸び率を実現できず、その結果、支給開始年齢の引き上げが不可避になることだ。
 これを回避したいのなら、財政検証で想定されているような高い実質賃金の伸び率を実現する必要がある。
 そのためには、金融緩和を中心とする現在の経済政策を大転換する必要がある。

 経済政策、とくに金融政策が、参議院選挙の争点にならないのは、なぜか?
 これも不思議なことだ。



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