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テクノロジーで「持続可能な地域医療」をつくる。Ubieが描く医療スマートシティ構想とは。

<自己紹介>
医療AIスタートアップのUbie(ユビー)株式会社/Ubie Discoveryでパブリック・パートナーとして公共セクター向けの事業開発を担当している重藤(@yukishigedo)です。

ユビーは今までAI問診という技術を医療機関向けの業務効率化サービスや生活者向けの受診相談サービスとしてそれぞれ開発・展開してきました。
これからの構想として、それらのサービスを繋ぎ合わせて、人と地域医療をマッチングすることにより、地域医療や自治体へ向けたプラットフォームとして価値提供をしていきます。
コロナ禍で急速な対応が必要となった医療のDXやこれからのスマートシティに何が求められていくのか。いち民間スタートアップの視点で紹介します。

1.スマートシティ=ICTによる課題解決まちづくり、本丸は医療

<ICTを活用した地域の課題解決まちづくり>
スマートシティとは、政府がSociety5.0、SDGsの達成の切り札として強力に推進しているまちづくり構想です。都市や地方が抱える固有の課題(人口減、高齢化、医療、防災、教育、雇用、防災、観光、農林水産業、財政等)に対し、ICT等の先端技術を用いて持続可能な都市・地域づくりをしようというものです。

<緊急かつ重要なテーマは医療>
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の猛威は、私たちの日常や価値観に大きな影響を与え、社会を変えつつあります。医療をはじめ、行政や教育、働き方などの社会的なICT活用・デジタル化の遅れが日本ではあらわとなりました。同時に、社会のデジタル化を急速に推進していく大きなきっかけとなることも間違いありません。その中で、言わずもがな「医療」は最も緊急かつ重要なテーマとなりました。
今この瞬間も、重症で救急車に搬送されても搬送先がない・入院先が無いといった異常事態が起こっています。しかしながら、実は日本の医療危機は平時から起こっていたのです。

2.コロナ前から日本の医療は切迫していた

<医療先進国日本>
大前提として、日本の医療は世界的にみても非常に優れており、生活者のみなさんは恵まれています。日本は「いつでも」「どこでも」「だれでも」「リーズナブルに」必要な高水準の医療を公平に受けることができる珍しい国です。そんな恵まれた医療を受けられる日本だからこそ、コロナ前の平時から、そして現在のコロナ禍にてより顕在化された課題を抱えています。

<医療提供側の課題>
まず、医師の労働環境は過酷で、いってしまえば「ブラック」です。半分近くの医師が過労死ラインの月80時間以上の残業をしています。
その大きな原因の1つが、膨大な事務作業と業務効率化のためのICT活用の遅れです。地域によってはその医師の人数も不足しています。それが今、新型コロナの猛威により、ついに溢れ出した結果が「医療崩壊」です。「医師等の働き方改革」や医療現場のICT活用も含む業務効率化は喫緊の課題です。

<生活者側の課題>
一方、恵まれた医療環境でも生活者の課題も尽きません。気になる症状があると誰しも不安になりますし、何か病気なのか、どうしたらいいのかもわかりません。「仕事が忙しいから」「まだ大丈夫だろう」などと言って、重症化してすでに手遅れな状態になってから受診し、そのかけがえのない命を落としてしまう人も少なくありません。加えて、新型コロナによる過度な「受診控え」も加速し、重大な病気の発見遅れや生活習慣病の悪化なども懸念されています。「適切な医療へのアクセス」も喫緊の課題です。

3.あるべきDXは持続可能な地域医療のデジタル支援

医療課題は、地域ごとに解決していく必要があります。インターネットがどれだけ普及・進化しても、医療の提供は地域に必ず依存します。例えば対面診療、救急車、入院、治療・手術を受けるなどは物理的なサービスとなり、いざという時にwebのみでの解決は困難です。医療は地域に紐付いたローカルビジネスであるといえます。
そんな中、今ある地域医療提供体制が構築されている中で、それを破壊するイノベーションは求められていません。「持続可能な地域医療のエコシステム」の構築、その手段としてのデジタル化が求められています。需要と供給の適切なマッチングを最大化すること。わたしたち生活者が上手に医療にかかり方を実行すること。医師等の働き方改革が推進されること。結果として、患者の早期発見・早期受診により、多くの命が救われ健康寿命が伸びる。こうした持続可能な地域医療体制を構築することが必要です。

4.ユビーがテクノロジーで支援する未来の医療

<世界に通ずる日本発の地域医療モデルを提供する>
ユビーは「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する。」をミッションとしています。AI問診という症状について医学的な質問をする技術をもとに、生活者や医療従事者へ適切な情報を提供することで、人と地域医療のマッチングを最大化することを目指しています。少子高齢化が進む課題先進国かつ、優れた医療を誇る日本だからこそやる意義があります。日本での成功モデルとして、医療のローカルなエコシステムを実現することは全国の地域医療・自治体へ向けてはもちろんのこと、世界中の国々へグローカルにサービスを提供できることにつながります。

ユビーの描く医療のスマートシティを紹介します。現在ユビーは①医療機関(病院・クリニック)向けの業務効率化サービス「AI問診ユビー」と、②生活者向けの症状チェック・地域医療検索サービス「AI受診相談ユビー」の2つのプロダクトを開発・提供しています。

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これらの2つのサービスを地域ごとにつなぐことで、点と点を線でつなぎ、人々と医療をつなぐことを目指しています。

◆人と地域医療をつなぐプラットフォーム

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「生活者」「かかりつけ医など地域のクリニック」「専門病院」とを情報をもとに適切につなぐことが、持続可能な地域医療のエコシステムとなります。

<ユースケース>
・住民は気になる症状をAI受診相談に入力
→地域のかかりつけ医等、地域の医療機関を検索して事前に情報を送信
→かかりつけ医の診療をAIが支援
→必要に応じて専門病院へ情報を送信(病院の働き方改革を支援)
→専門病院での高度な治療や入院を終え、またかかりつけ医に情報が戻ってくる
→個人の医療情報は個人が保持して利活用できる

このように生活者の気になる症状から早期発見・早期受診を支援、かかりつけ医(身近なクリニック)が総合的に判断することで、常に適切な医療を受ける・提供することができます。

加えて、医療機関同士で情報を共有し合えば、医療の需給のマッチングが最大化でき、医療施設ごとの役割分担と生産性の最大化を促すことができます。
これがユビーが描く医療のスマートシティにあるべき「持続可能な地域医療」のデジタル支援です。

5.巨大産業DX・ありたい姿の社会実装

医療のみならず、教育・製造・金融・建設・農業・不動産など様々な産業のデジタル化(DX)が求められています。既存の産業にどうテクノロジーを社会実装していくのか。机上の空論ではなく、あるべき姿とそれに向けた登り方、現地現物から学習し続ける体制、小さくつくり実装と検証を重ねる開発手法、ステークホルダーの巻き込み方や社会の動かし方など様々な要素が必要となってきます。

ユビーの描く医療のスマートシティは、これからがはじまりですが、それでも1つ目のマイルストーンに過ぎません。最終的なビジョン・ミッションの実現、全世界の医療全体のエコシステムの構築からすると1%にも達していません。

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事業・プロダクト開発を担うUbie Discoveryは事業開発(BizDev)をはじめとした様々な人材を募集しています。巨大産業DX、ありたい未来の社会実装に興味のある方は是非ともお気軽にご連絡・ご応募ください。

パブリック・アフェアーズ(公共政策渉外)に興味ある方もお話しましょう!



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