前回までは・・・

前回はポルノグラフィティのミュージックアワーの歌詞にインスパイアされた物語のアウトラインを書いたら前向きなフィードバックをもらえたので本格的に脚本を書いてみようと思った先々週。そして、曲調と内容的にコメディ作品を描くことを決意。しかし、次の年になったら忘れられるようなコメディ映画は作りたくないと思い、何年経っても語り継がれているコメディを見ることを決意しました。そこで選んだのがファーゴ。（一応、ブラックコメディの部類に入る映画です）それでファーゴを見てみたのですが。。。
　その前回の記事はこちら↓

ブラックコメディとして高い評価を得ているファーゴを勉強がてら見てみた

はじめまして脚本家のいわさきゆうきです
＊ハリウッド映画から学んだノウハウだけを学びたいという人は目次の「Save the catに学ぶオリジナルな作品の作り方」を選んでください
　コメディ映画を書いてみたいと思い、まずやったことは過去作で高い評価を受けている作品を見ることでした。それで評価されているポイントや差別化できる部分を探していました。つまりは「マネできる部分」と「マネしない部分」を知るためです。せっかく作った作品なんですからやっぱり人の記憶には残りたい。そう思って歴代のコメディ映画を見ることにしました。まず、僕が見たのはファーゴ。これを選んだ理由は
・見たことがなかったから
・ブラックコメディ映画として評価が高い(僕もただ楽しいだけのコメディは描きたくないと思ったから)
ということでファーゴを見てみたのですが、その感想としては「ファーゴみたいな作品は書きたくない」でした。すいません、完全に個人的な感想です。でもコーエン兄弟の作品「ノーカントリー」「ビッグレボウスキ」「バーンアフターリーディング」なども見たのですが、見た後のなんとも言えない消化不良感が嫌いなんです。

「こういう作品が書きたい」を重ねていく

　では、自分はどんな作品を書きたいのか。パッと思い浮かんだのは「鍵泥棒のメソッド」「運命じゃない人」といった複数の登場人物と伏線がちりばめられている作品でした。ここからさらに作品を重ねていきましょう。ブラックコメディでいうと「人生スイッチ」「帰ってきたヒトラー」など笑えるのですが、どこか最後に「え？それでいいの？」みたいなちょっとした後味の悪さを視聴者に与えることができればな、と思います。ただ、「レクイエムフォードリーム」や「ミスと」などの胸糞が悪くなるほどのレベルにはしたくないです。そして、「スナッチ」や「コードネーム U.N.C.L.E」みたいなドタバタコメディ的な要素も加えてみたいです。最後に「ナーヴ」や「メインストリーム」のように現代のSNS文化を風刺するような作品要素を加えてみたいです。
ここまでの情報を整理すると
・伏線が巧妙な映画＋視聴者に疑問を投げかけるブラックコメディ
　＋ドタバタコメディ＋SNS風刺ー消化不良感＝作りたい作品

あなたの映画を一言で説明するログラインを構成する４つの要素

　Save the Catという本はご存知でしょうか。ハリウッドで脚本コンサルをされているブレイクスナイダーという方が書かれた本でハリウッド映画のような脚本を書き方を解説した著書です。

　ここに書かれていることでみなさんにお伝えしたいのは「観客を惹きつけるオリジナルなログラインを考える」ということです。ログラインについて簡単に説明すると、「あなたの映画で起こるメインの出来事を１文で要約したもの」です。実際の作品を例にしてみましょう。
・マトリックス：選ばれしものと言われるネオが仮想現実の世界で人類解放のために人類を支配するマシーンと戦う物語
・スナッチ：複数の犯罪者たちが１つのダイヤモンドを巡って繰り広げるドタバタコメディ
・帰ってきたヒトラー：現代に蘇ったヒトラーがテレビ番組を通じて徐々に支持を集めていき、当時の彼の人心掌握術が見れるブラックコメディ
という感じです。フォーマットにするとこんな感じでしょうか
「（設定）＋（主人公）＋（目標）＋（障害）」
これを盛り込んで視聴者が「面白そう！」と思えるようなユニークな作品を作ることです。
　そして、ここからは僕の個人的な意見です。この４つの要素のどれか１つに過去作にはないような要素を加えることがオリジナルな作品を作るのに必要なことだと思ってます。みなさんがこれまで見てきた映画で「オリジナルな映画」ってなんですか？

　僕がこれまで見た映画で「オリジナルだなあ」と思った映画を下に書き、オリジナルなログラインの書き方の参考にしていきます。
・スイスアーミーマン（目標がユニーク）
　無人島に漂流した主人公がスイスアーミーナイフのように万能な死体：マニーと一緒に人生について学んでいく物語
・メメント（主人公の設定がユニーク）
　記憶を数分しか保つことのできない男が妻を殺した犯人を追い詰めていくサスペンス映画
・ダークナイト（障害がユニーク）
　ヴィジランテとしてゴッサムの犯罪を取り締まるバットマンがただ町を破壊することを目的に行動するジョーカーを相手に戦う物語。
・トゥルーマンショー（設定がユニーク）
　テレビ番組として作られた町の中で生活する男がその町から脱出をしようと現実に戦いを挑む物語。

という感じです。
これを参考に僕が書いてみたい作品のログラインを色々書いてみました。

恋愛が成就すると言われる都市伝説を中心に繰り広げられる男女の恋愛模様
ん～、なんかかなり抽象的すぎる。
「恋愛が成就する」というご利益への信頼を失った神社の若き跡継ぎが自分たちの力でお参りに来た人たちの恋愛を成就させるうちにマフィアの抗争に巻き込まれていく物語
ちょっとマシになったかも。目標が明確になってユニークさも持っているし、設定：信用を失った神社の跡継ぎも知る限りではそんな作品に出会ったことない。でも、マフィアの抗争っていうのがなんかありきたりな感じがする。。。
「恋愛が成就する」というご利益への信頼を失った神社の若き跡継ぎが自分たちの力でお参りに来た人たちの恋愛を成就させるうちにSNS文化の闇に引きずり込まれていく物語
「障害」にもユニークさを持たせてみました。これで一回、プロットを書いてみようと思います。ここからお話を具体的に書くにつれてログラインが洗練されていくこともあります。もし、「こういう話を見てみたい！」という人がいればコメントでぜひお願いします！

次回予告：物語の根幹を決めるテーマ

　ログライン、どんな物語を作りたいのかざっくりと決まりました。それでは、この物語で何を伝えるのか、それを決めていきたいと思います。初回の記事の内容をもっと深く掘り下げる内容にしていきます。
　下のような方はぜひ次回の記事も読んでください
・物語のテーマが何か分からない
・テーマをどうやって観客に伝えればいいのかが分からない
・キャラクターの作り方が分からない

「これからもハリウッド映画のノウハウを発信してほしい」という方へお願い💦

　最後にこれを読んでいただいているあなたにお願いがあります。僕はクリエイターとして食べていくことを目標に日々を生きているのですが、まだまだうまくいっていない状態です💦
　記事は無料で全文公開しているのですが、もし記事を読んで「応援してやろう！」と感じていただけたら500円から投げ銭制で記事を購入できるのでよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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これから書いていきたいと思っている脚本ノウハウ

・ログライン
・テーマ:①の復習
・4コーナー
・アウトライン(ストーリーサークル)
・完璧主義
・ミッドポイント
・シーン
・エクスポジション
・エンディング
・初稿の出来上がり
・ナーヴ感想
・メインストリーム
・伏線(ルーベンズタッチ)
・エニアグラム
・リライト