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大好きだったのに、振られると執着できない自分が嫌だったけど。

届いたメールの中身は、お別れのメッセージだった。すごく大好きだった相手に、今日あっけなく振られてしまった。

私は現在絶賛転職活動中で、相手というのは応募していた企業だ。25歳、転職活動を始めてようやく「この企業行ってみたい!!!」と強く思った会社に出会った。ライター職の正社員採用で、取材や検証もあり、丁寧な記事作りをしている企業だった。SEO記事を量産するスタイルや、売上至上主義の企業に違和感があったわたしは、「この会社自分にピッタリ!!」と思った。

様々な求人サイトを見比べ、企業のWEBサイトを熟読し、社員のインタビュー記事をいくつも読んだ。ノートを何ページも使いながら、志望理由を整理した。転職活動を始めてから、ここまで真剣になった企業は初めてだ。土日でじっくり志望理由を考え、「絶対受かる!」と思って履歴書と職務経歴書を提出した。自信はあった。

しかし、私は振られてしまった。数時間の努力もむなしく、企業担当者からは定型文のお祈りメールが送られてきた。不採用になってしまった。この企業はあらゆる求人サイトで応募を出しており、とにかく今はライターを増やしたいと言っていた。それなのに、、、。面接には進めるだろうと考えていたので、書類すら通過しなかったのはものすごくショックだった。

メールを見て「ここで諦めるわけにはいかない!」と思った。過去に「不採用でも『もう一度受けさせてくれ』と打診してきた学生の熱意に押され、面接して採用したケースがある」と言っていた人事がいた(気がする)。大半の人は不採用通知が来たら諦めるので、「面接させてくれ!!」と言ったら案外通るんじゃないか?または別のサイト経由で申し込んでみてもいいかもしれない。きっとまだチャンスはある。あれだけ行きたいと思った企業だから、もう少し頑張ってみよう!と思った。

それなのに、1~2時間経つと「もういいや」と思ってしまった。さっきまで本気で「面接受けたい」と粘る予定だった。でも今は、メールの返信も億劫に感じている。諦めではなく、単純にやる気がなくなってしまった。「よくよく考えたら、なんであそこまで行きたかったんだろう」とまで感じていた。結局、不採用のメールは約1日たった今も返信していない。

そんな自分の「執念のなさ」がすごく嫌だった。好きだと思ったものでも、相手から拒否されるとすんなり諦めてしまう。10代で好きだった人に振られたときも、2度目の告白をするまえに冷めてしまっていた。あんなに大好きだと思ったけど、本当は違ったんだろうか。よく言えばポジティブで立ち直りが早い性格だけど、私は、自分が本気で夢中になれるものに出会えない人間のような気がしてすごく嫌だった。

でもたとえ今はなくなってしまっても、あの時の「好き」は嘘じゃないと思う。転職活動で受けた企業も、確かにあの時は本気で「行きたい」と感じていたし、一生懸命時間をかけて企業分析して、履歴書と職務経歴書をかき、ドキドキしながら結果を待っていた。たとえ一瞬でも、夢中になっていたあの時は確かにあったのは間違いないし。

とはいえ、いずれ「諦めきれねぇ!!!!」と燃えるようなものに出会ってみたい。いつか自分が執念を燃やせるよう、たとえ一瞬で終わるような「大好き!!!」であっても、そう思えるものには自分を捧げるつもりで今後も頑張っていきたいと思う。

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