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メルカリには「人間宣言」が足りない

メルカリ利用者は「ちゃんとした人」じゃなきゃいけない。

メルカリはアカウントを登録すれば、誰でも商品を出品できるし、誰でも購入できる。みなに開かれたサービスだ。それでもメルカリを利用するためには、守らないといけないルールがある。そのルールを守らなくても利用し続けられるけど、利用者から「アイツはダメだ」と烙印を押されてしまう。

実は今日、わたしはメルカリ利用者から「ダメ認定」された。売れた商品をすぐに発送できず、発送するまで連絡出来てなかったのだ。発送までの期間は「2~3日程度」と書いていたし、相手からもメッセージが来ていないし、別に大丈夫だろうと思っていた。

しかし相手は厳しかった。「発送も連絡も遅く、気持ちのいい取引じゃなかった」と辛らつなコメントが残されていた。

迅速な対応ができなかったのはわたしが悪いし、相手の不快感もよく分かる。申し訳ないな、とは思っている。でも一方で、なんでわたしは「気持ちのいい取引」をするのが大前提だと思われてるんだ?と不思議になっている。なぜ見ず知らずの人の「気持ちよさ」を考えて「ちゃんとした人」にならないといけないんだろう。

メルカリでは素人同士のやりとりなのに、お互い「ちゃんとしてる」感を求めすぎている。注文したら早く送るのが普通、メッセージで連絡するのが当たり前、遅れるなら詫びを入れろ……など。

メルカリでは、出品者は人間でなくなる。Amazonと同じレベルのサービスであり、業者であり、すぐに発送する機械と考えられる。だからちょっとでもダメなところが出ると、「ちゃんとしてない」と怒られてしまう。

この規律がメルカリを支えてきたのかもしれないけれど、わたしはもっとゆるーくやっていい。利用者が「人間宣言」ができたらいい。頼んだものがすぐ来なくても気にならなくて、ようやく送られると「あ、そういや頼んでたな」と思えるようなサイト。届いたら「もう少し遅ければ忘れてたよ、ありがとうw」と言えるような温かいやりとり。「気持ちのいい取引」だけが心地よさを与えるわけじゃない。もっと自由になれたらいいのに。

仕事でも家庭でもメルカリでも、私たちは「ちゃんとした人」じゃないといけない。そんなの大変すぎる。だからせめて、メルカリくらいはもっとゆるやかに楽しみたい~~・。。

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