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美容院でdマガジンなんて読みたくないよ

美容院で紙の雑誌を読むのが楽しみだった。

20代女性であるわたしには、美容院へいくとたいていCanCamやMoreのような女性ファッション誌が手渡される。
華やかすぎる女性誌は正直興味が持てず、本屋で手に取ることも全くない。
ただぼーっと美容師を見つめていては気まずいだけなので、仕方なしに雑誌をパラパラとめくる。

すると、最新の服装やコスメがひしめくなかに気になる情報を見つけることもある。大抵それは、表紙からはけっしてわからないちっぽけな情報だ。

初対面の美容師からわたされる雑誌には、ときたま自分では選ばないような雑誌だからこそ得られた発見がある。そんな予期せぬ出会いにとてもワクワクしていたのだった。

ところが最近、少しずつdマガジンを導入する美容院が増えてきて、手渡されるのは紙の雑誌からタブレットに変わりつつある。

もちろんdマガジンにすることで得られるメリットはたくさんある。美容院側は、雑誌を買うかつ廃棄する手間やコストを抑えられるし、利用者は読みたい雑誌を何冊でも読めるようになった。

でも、わたしは正直がっかりしてしまう。
dマガジンだと、結局いつも読むような雑誌を読んでしまう。興味のない雑誌は。根気強くスワイプしてまで読みたいとなんて思えないからだ。

これからどんどん美容院でdマガジンの導入が進むだろう。効率やコストを考えれば当然のことだ。だけど、他人から勝手に選ばれた紙の雑誌からは、日常生活では出会わなかった「思わぬ発見」を得ることもあったのだ。

一人の客のわがままにすぎないけど、dマガジンの導入で失うものがあることを美容院が知ってくれると嬉しい。

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